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交差
禅寺速記2
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異端邪説の一端が破綻した脳内に乱舞する
[医食同源は諭吉の数とは一致しない故に注意]
所詮,此の世は一切皆苦の怪奇現象に過ぎない
所詮,此の世は網羅街道の和了宣言に過ぎない
愛する者の数が多いのが幸せに直結するなら
此の蝋燭を使い見事,彼の博士の様に示してくれ
東海道五十三次の未知駅名を並べて喜ぶ脳内遊び
白い狼が其の御名を何の脈略も無く俺に告げに来る
[情熱の赤],同駅で下車すれば鍛錬場が近い
[生命力の橙],同駅で下車すれば無限の生命力を得
[貯蔵する黄色],御土産の購入場所としては最適解
[恋する緑],完全な恋人が其処に居る
[下忍上忍薄笑いの青],下方と上方を繋ぐ表現の車輪
[紺碧駅は完璧駅],最高の図書館で巡り会いたい
[紫蓮に酔いしれて],何時かの図形を紡ぐ夜に乾杯
疒(やまいだれ)
乱舞する文字を軽視しない事かね
肉体など其の文字の通過点にしか過ぎぬ
疒(やまいだれ)
愛する者を救えぬ医療従事者に
価値が在るのかといふ議論に花を咲かせやう
疒(やまいだれ)
行動規範が一致しない誰かは
見事なまでに読み通りの行動に出るのが面白い
斜め45度から摂氏66度の禅寺空間を見る時
劈く鷲の鳴き声が聞こえるのは俺だけなんだろか
疒(やまいだれ)
右唇上部に咲いた疲労華を見る
疒(やまいだれ)
其れが休息を促すが一切無視だな
疒(やまいだれ)
酷い呼吸音,喘鳴の向こう側に
終末の松明に近い配色の丹光が見えるのは何故
虚空蔵求聞持法を求めてやってくる修験者には
疒(やまいだれ)
一切を排他する術を先ず知らせやう
疒(やまいだれ)
一切を排他する術を先ず知らせやう
見聞きした事物を永遠とする記憶修練技法の獲得
其れは見事に俗世的な希求であるし自然だ
只,其れよりも君に愛する人が居るのであれば
其れをさしおいてまで此処に来る必要などない
初詣の季節,当ラインにも到来する迎春の平文成分
セブンイレブンに其の語句は割と安価で売っている
寺の裏廊下は随分と汚い事を俺は知っている
其れが外面(そとづら)といふ奴だ檀家の圧も凄いんだ
其れが内面(うちづら)と喧嘩するから始末が悪い
疒(やまいだれ)
兎と亀が一匹づつ禅寺の周囲を徘徊し
疒(やまいだれ)
非情な出来レースを画策するのを見るなら
疒(やまいだれ)
謹賀新年の前に寿水を求めるのだらう
兎は俊足で亀は鈍足であれと申す通例行事の庭師
画廊に並べるに相応しい見事な絵画の主人の庇
再王手の待惚けに橋之助が求婚喇叭を鳴らす其の時
大名家の掲げ星である冥王星が太陽系惑星から
[さようなら]を告げ去る際の残光は悲哀色
兎の言い分はこうだった
『私は俊足を極めておりますので其の事を
皆様に宣伝及び喧伝して周りたいと思います
なお,走行距離には限りがあります故に
無茶なお願いは御勘弁頂きたく存じます
只,此れを見て頂きたいといふ特徴が御座います
其れは[瞬間的な対応速度]で御座います
ゆっくりと走るのが症に合わないのです
誤字脱字については乱文散文故に御容赦を
其の反応速度と加速力の鋭さを感じてください
何故反応速度が大事かといいますと…
現実主義者で在る事の証明になるからです
蓄積知識にアクセスする時間の短縮を証明する私
数名のみが其の速度から私の真価を確認できる
そういふ訳です/そういふ訳です』
亀の言い分はこうだった
『令和5年,明けましておめでとうございます
嗚呼…兎殿,本年も宜しくお願い…おおっと!
随分早い反応速度で去っていってしまった
蓮華草の美しさに乾杯できればと思っていたが
まあ,彼らしいといへば,彼らしいともおもひます
嗚呼…自己紹介をさせて頂きますね
私は亀と呼ばれる存在で御座います
私は亀と呼ばれる存在で御座います
鈍足で有名な亀と呼ばれる存在で御座います
鶴は千年の長寿に専念し変遷する時を見る
亀は万年の往来に人をじっくりと観察する
此の目に十分注意くださいませ
此の目が充分周囲を見回って居ります故に
量子力学で言う意識の観測下に敷かれたマット
貴方も貴女も,皆,其処に囚われているのであります
壁に耳あり,障子に目あり,不祥事にMERRY
罪深いクリスマスの後日談として上々でしょう
嗚呼…私は鈍足故に見へるものがありまして
嗚呼…私は観測に長けているといふ訳です
そういふ訳です/そういふ訳です』
其のやりとりを聞いている内に眠る修験者
アドリブトークも此処まで来れば最早芸術作品
誰も其の意味に気づく事の無い禅寺の裏路地で
橙色を目指す灯籠は燃料不足により照度を失い
桃色吐息を目指し戯れる男女の睦み合いが始まる
年末年始からお加減宜しい事を否定せぬ仏徒達
俺は其れに参戦するかどうか,一通り熟慮した後
野暮であるからやめる事とし
皮肉に満ちた手紙を残す…其の全文は私にしては
丁寧に綺麗な文字で描かれていたし内容も良かった
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