《瞑想小説 狩人》

瞑想

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交差

奴隷市場 御,散,歩⑰

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俺の回転数に追いてこい,俺の回転数に追いてこい
俺の頭脳は明晰ではないが,充分に狂っている
俺の回転軸のシャフト…逆側には誰か居るのか
癒やしが欲しい、癒やしの空間が欲しい
癒やしの言葉が欲しい、本音を聞きたい
俺の頭脳は明晰ではないが,存分に狂っている
同脳内を乱舞する文字の形は卍(まんじ)
架空の想像内を闊歩するには相応しい
奇妙な造りをしているのに気づいたのは
極・極・極・極・極・極…最近の事だ

ごく・ごく・ごく/ごく・ごく・ごく
極黒珈琲(ぶらっく・こーひー)を何度も溜飲し
外部を少々散歩しつつ[すわいしょう]を実施する
気の流れの変遷をおおひに感じつつマッチを摺る
同マッチは脳内で乱舞する言葉のスイッチを入れる
スイッチが入ればあとは勝手に文字が俺を
其の独特かつ奔放な世界へ連れて行ってくれる

狂っている、狂ってきている、其の実感もある
しかし心地はいい…其の事も否定できない
脳内ではドーパミンが踊りながら握手を求め
エンドルフィンが友達3人を連れて来る
挨拶はこうだ「…嗚呼。いいなあ。独りでそんなに」
「…嗚呼。いいなあ。楽しそう。仲間に入れて」
「…嗚呼。でもなあ。渦が見えるよ。右巻きの」

脱出する退路を持ちながら彼等3人は
俺に近寄る…すり足、すり足、忍びの足音
「エンドルフィン3兄弟」は明朗快活に告げる
もっと・もっと・もっと/もっと・もっと
其の獣兄弟の欲求を満たす為には幾つかの儀式
幾つかの化石の儀式で模式の博士が購入した
チケットを売りさばいて老いさらばえた夫婦が
「幸せだったわ」「俺だってそうさ」
其の様に同現世を去る際の字句を軸として
広大・無縁な宇宙が標高・高いダムの中に
水を満たす作業に似た足音を立ててわらふ
其の様な儀式の上に成り立っているといふ訳さ
にた・にた・にた/にた・にた・にた・とな

後ろ蕾に挿入した「俺の」舌先は現実に
彼女を突き刺し其の長さ分だけ直腸を混ぜる
同付近にも陰核に繋がる快楽の線路があり
其れが一番線に到着するならば…桃源郷に
其れが二番線に到着するならば…峠の突端に
其れが三番線に到着するならば…丹光の中に
其れが市場外の停泊場に着船するならば
…大津波・大津波・大津波と相成る訳だ

彼女は其の華奢な腰骨を弓にする
まあ…腰骨への刺激だけでも達するおんな
其の様に10年かけて調教したのは誰だ
随分と狂っていると感じるし
随分と恋している男だとも感じる
色染め作業はとても楽しいね,嗚呼
色染め作業はとても楽しいぜ,嗚呼
色初め・色責め・囲炉裏責めにて候
縄を巻き付ければ其処は縄酔ひ世界
別世界に誘へば其の作業や楽し…嗚呼

::::::::::::::::::::

「……嗚呼……っ」

2人目の舌先は狡猾で長く同等に狂っている
俺の舌先よりも上手く誹諧し徘徊する事に嫉妬する
彼女は其の蕾の中に男性を迎え入れ
妖精といふ種族の中で唯一
後ろ蕾を開発される哀れ哀願娘となり
哀れ愛玩玩具(どーる)と成り果てた

「……ふむ」

同男は満足した様子でもあり
更に追加を求める者でもあり
リストランテで「お代わり」を告げる貧者
かつ万年筆を片手に携えた執筆者である
故に其の味は永遠のものと知覚される

「……!……!…」

両ノ突起を貪る鋏(はさみ)に右回転を加える責め手
[前]に狡猾な模型(もがた)が挟まっている
[後ろ]を捉えた舌先は縦横無尽かつ融通無碍
宴時分は2時22分22秒…中二病が22人
早く3人目に突入したいと筆者は思う
穏健派との対岸に位置する御散歩は
まだまだ始まったばかり…雨,雨,そして雨

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