《瞑想小説 狩人》

瞑想

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交差

奴隷市場 御,散,歩⑫

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鋳鉄が炭素を蓄える分量を増せば
其処は酸素の無い深海の如くの世界
男の舌先が背中の最下端から双丘をなぞれば
其処は聴衆全員が先ノ手を期待する淫靡な世界

初志貫徹の文字が大胆不敵に振る舞えば
其処には強靭な魂が宿る…貫く・貫く・貫く
模型(もがた)は文字同様に彼女の下腹部から
同体内の空隙を攻撃し反撃を許さず吐息漏れる
「…嗚呼」「…嗚呼」「…葉っ」

背中が弓なりになれば床面の染みが増える
ぐるめ野郎の舌が後背を爽快に崩壊させる
模型(もがた)との呼吸合わせ…気分は上々

集中したいぜ…珈琲でも持って来い
砂糖は絶対に入れるなよ…みるくを少々
砂糖は絶対に入れるな…其れは偽物だ
砂糖は絶対に入れるな…門前でお断り
特に白い砂糖は絶対に…其れは偽物だ

「か・か・か」おおひにわらってやらう
「か・か・か」おおひにわらってやらう
一つ真面目な質問をおまへにかけよう
ぐるめ野郎が舌先を一旦離したのは何故
「…?」彼女は奇妙な気配の変化を感じ
四つん這いの姿勢から同背後に居る彼を
悩ましげな腰・絞りとともに視線で捉える

なあ・美を目指す者よ件(くだん)の
ロバート・ジョンソンのギタープレイを
直感的に一度で「最高です」といふなら
価値の有る存在だと認めやうではないか
お前はどう思ふ?お前はどう思ふ?一度聞け
そうか「良く解らない」といふのだな
だからお前は奴隷に成り下がったのだ無知めが

《真の美は
  聴き手を選んで
   高笑い》

なあ・美を目指す者よ件(くだん)の
鏡文字を見てどうおもふのか教えろ
其処に数学の美術を解説無しに感知できるか
其処に畏敬の念を持つことが出来るか
本物の中の本物に触れれば真贋を見極めれれる
阿呆な事は夢の中でのみ言っておれ
俺は・俺は・俺は…酷く現実主義だ

《酔っ払い
  其れはどっちと
   高笑い》
 
::::::::::::::::::::

舌先は再度、双丘にぬめりと音をたて接肌する
其の目指す先には深まる秋の秋桜よりも切なく
新たな冬の到来を告げる雪華より艶やかで
夜に涙を流すきりぎりすの恋よりも可憐な
未開の大地が燦然と煌めきながら存在する

「…そ…其処…は…」

初ものといふのは堪らんな
初日の出といふのは美しいな
初もうでは楽しいな何時もと違う
何が違う…氣分だけだ
人の氣分だけがちがふのだ
先行する人間のみが理解るものが在る
砂糖少々淹れて珈琲飲むのは愚か者也
其処で見ている傍観者の立ち位置が良好

「……い…いや…嫌……」

そう・此の反応が堪らないのだよ
短編「わーくまん」をフィクションだと
おもふなら其れは俺の語彙力の不足だ
謙虚に・謙虚に・謙虚に…力足らずを知れ
写真を「真」と「贋」何方で捉えるかは
個人の裁量に委ねる事とするが一つ…
一生懸命、一所懸命な祈りとともに生きる者を
決死の覚悟で死地に向かって行く崇高な魂を
決して・決して・決して笑ふ事・無かれ

変化を恐れぬ彼女を俺は賛美する
ほんの数年前までの画力と現在との差異
其処にどんなきっかけがあったのか興味が湧く
平素から「忍」と「侍」を支えつつ
梁の如くに佇む言葉の美しさも上々だ

「……宇……宇……」

そう…其の反応が良いのだよ
其処に在る呼吸が美しいのだよ
ぶる~す・は~ぷの呼気と吸気の切れ目
其の息継ぎが美しい
其の息継ぎが美しいのだ
覚悟の呼吸を感じるぜ
凍土の蚯蚓(みみず)が何処かで
俺の指の一部を咥えて笑って居るだろう

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