《瞑想小説 狩人》

交差

奴隷市場 御,散,歩⑪

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迫る舌先は其の先の危険地帯に侵入する
ぐるめはぐるめでも相当なぐるめに相当する彼
其の舌先は這い回る先を変えながら
其の舌先は這い回る角度を変えながら
双丘を砂丘にかへつつ沈没船の宝探しの最中
「…嗚呼」「…嗚呼」「…嗚呼」声は三度

其の宝とは甘露の事か…ならば其の存在は
誰か瞑想を極めた誰かに聞くといいかも知れぬ
其れは筆者では無いかもしれない
或る[ぷらっとふぉ～む]の中にひっそりと
本当にひっそりと息を殺す獣を知っているか

其れ知らず
　何を語るか
　　愚か者

此の５・７・５は最高の傑作となるだろうが
此の奇妙な短文のリリックを踏襲したものが
幾つかの複製を生む事とはならない事を知っている
其の世界観を…正しい世界観をポリティカル抜きに
クリティカルシンキングでとらへる事のみ
其れのみに没頭した俺の友を讃美しやう
舌が這い廻り「嫌」「嫌」「嫌」を三度

詩を紡ぐ事よりも価値のあるのは
死を紡ぐ事…生に没頭するために其れをする
獣は優しい羊の皮算用をしつつ牙を研ぐ
ショッキングでホッピングな生死観・正史観を持つ
氏の言葉を聞く事…其処に大いなるヒントが在る
誰にも理解されない事と誰からも理解される事を
奇妙で絶妙な作用点の上で操作するのさ・そうさ

こうふつふつと湧いてくる気分を的確に見
的確に観／正確に捕え／自らの餌とする
無限があると識るものは零を識る
夢幻があると識るものは現実に立つ
其れが此の世の成立条件であり既得権益
金銀財宝に変えられるものに価値は無い
未知であるから人は惹かれるし引かれるのだ

どうせなら言い切ってしまうか
此の際…小説なぞどうでもいい
人間は二つのものから決して逃れられない
一つは「死」もう一つは「重力」
其れ等の力…万物に働く力の反対に作用するのが
意識の力だ…双子座について語らえば
其のネーミングセンスにおおひなる
疑いの目を向けなければならない
其れはおおひなる戯言であり甘言の還元
しゅーるなジョークに聞こえぬのなら意義半減

双子座は離れていながら完全な一致を観測させない
其れは真の双子といへる物々では無い
よって件(くだん)の星は双子座とは言い難い
其れをおおひなる笑ひをもって此処に付しておこう
「か・か・か」市場の王が高らかに笑う
「其の様な冗談を聞ける事は愉快である」
水平思考・水平目線では無く上からの目線で

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伏した娘は双丘に奇妙な螺子(ねじ)をつけられ
其れを右に捻られれば「嗚呼」と鳴き
其れを左に捻られれば「駄目」と鳴く
蛇口を捻れば水が出るのは自然な事だ
只・此処まで垂れ流されると困るぜ
床面がびしょびしょだ
弁償代は払ってもらふぜ
床面がお前のエキスでびしょびしょだ
其の身体…其の発生源で拭いてもらふぜ
風に吹かれて消えるものでは無いのだよ
此処は最下層であり最上層でもある
夢見が丘よりも夢と希望あふるる奴隷市場

男の舌が脊柱起立筋の下層から双丘の上部に至る
動きは落雷を発声させる直前の大地の振動に似、
更に春の蕾を咲かす筈の雌蕊を無碍に奪う所作
同双丘から見渡せば其処にはクレバスが在る
淫靡なにほひ…かほりたつクレバスが在る
双丘からの眺めは絶景
這う舌先の動きは高僧に似たり
一番の甘味処を訪ねた其の男は同店舗で
其の店一番の甘味…裏めにゅーまでもを攫う

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