《瞑想小説 狩人》

瞑想

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交差

奴隷市場 御,散,歩⑨

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舌が這い回る…刹那の中に身を委ねる少女
舌が這い廻る…肩甲骨部分を徘徊する蜜度と密度
舌は這い真悪…其の属性は善か悪か不明なるも
舌が這い回る…肩甲骨から脊柱起立筋をおしなべて
下に向かふ…時折甘噛みが実施されれば「…嗚呼」
下に向かふ…肉と肉の継ぎ目を確認する様な所作
師は何処…探せど見つからぬ現世(うつしよ)切なし
死は何処…探せば其れは側にうつしようつし
詩・戯れる…配下に揃えた赤と青といふ腹心
歯・並ぶ…それぞれに意味があると知れば
舌下に潜んだ妖しい魔物が彼女の背中を
徘徊し俳諧し退会を許さぬ大会を開催する

「……嗚呼……嗚呼…」

吐息は刹那列車に乗りこんくりーとを駆ける
師走のしらすよりも美味いと2人目の男は言う
言わずもがな美味と彼は其の味に舌鼓を打つ
其の音は「ど」の音階よりも高らかに響き
其の味は「れ」の音階よりも不況を告げ
其の鼓は「み」が仲良くしていた「ど」との
家族ぐるみの付き合いすらも台無しにする
青息吐息の「嗚呼」が其処にあり淫靡
赤鬼青鬼は「美しい」と其れを認め歓喜

同市場には温風的な現代設備を備へていない
古びた黴(かび)のひほひ・ただよふ暖炉の灯り
其の発生源の中心に揺ら〃と陰影が交差する

午前は2時22分22秒の中二病の最中
ぐるめ列車が適当な味付けで適当に横臥する
妖精は…羽根を失い其の格好と過去を
絶妙なバランスで表現するアーサナを強制される
腹臥位であり・うつ伏せであり・四つん這い
鉄の鎖が「じゃら・じゃら・じゃら」
3度音を鳴らすのは何故かと問うのは野暮だぜ
良い気分になりたいだけさ…皆そうじゃないのか
鉄鎖のリードを引く不明瞭な男の顔貌を
床面にすりつく様に隠れた大蚊(ががんぼ)が睨む

「……嗚呼…嗚呼…」

「…美味し」

「……やめ・て……」

「…美味し」

広背筋を伝いつつ唾液が下方に垂れてゆく
こんくりーとと接触する其の液体は
肥大しながら円周率を同心円状に広げ
魑魅魍魎といふ文字の一つ一つを丁寧に解説する
其の一文字・一文字に夜行バスより深い意味を付し
魑魅は珍味となり舌先の主人を喜ばせる
魍魎は過多な期待をし過ぎた事を後悔したと
回答し・後に邂逅し・覚悟をもって
新聞紙面に「申し訳ございませんでした」と
謝罪の文面をそへる事に成るのだろう

薄着程度ならば其の灯り・ゆらめきは刹那逡巡
全裸の彼女には恥じらいを増すエッセンスとなり
其の場は全員の体液交換のイノセンスとなり
壁に掲げられた絵画はハイセンスのものである故
同宴を更に淫靡なものとすることうけあひ

舌が這い回る…終わりの時間を尋ねる少女
舌が這い廻る…知らぬと無碍に答える男
舌は這い真悪…「いちばんよわひところさがして」
舌が這い回る…「嗚呼・嗚呼/嗚呼・嗚呼」
下に向かふ…其れは全裸の彼女の脊柱をなぞり
下に向かふ…腰の最下部に取り憑き更に下へと

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