《瞑想小説 狩人》

交差

奴隷市場 感感娘

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右第一指…其処には契約を
右第二指…秘密の儀式を
右第三指…薄い紅色を
右第四指…薄い青色を
右第五指…恋年頃を

左第一指…其処にも契約を
左第二指…晴天霹靂
左第三指…親族への手紙を
左第四指…感謝と対をなす獣を
左第五指…悪魔が作った毬藻(まりも)を

指の動きを三ツ目を透して感知する
俺がお前におしえやう
世界の陰を極めた力を
…階段を登る音が聞こえる

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「やれ…遠慮は要らん」

マッチを擦れば別世界…
奴隷市場の内包世界…其処には誰もが
憧れる赤色毛並奇特髭男爵
少女は想像を遥かに凌駕する
存在の顕現におおわらわ
晴天ノ霹靂とは正に此の事
大急ぎ、彼女はマッチを足元に即座に捨てる
踵でぐりと消すが其は後攻・遅し
男爵がにやりと笑い彼女の右手を握る

現実の責め苦は苛烈を極める
６６人の男の歪な性癖を掻き集め
奇妙なボウル状の半分鉄球の中に入れ
煮詰めて沸騰させ、蒸発し「ぴいぴい」鳴る
薬缶(やかん)のガスを夜間に集め
夜半に収縮させたかの様な絵図を描く

少女は天井から吊るされた一本の竹竿に
其の両ノ手を緊縛されており…
同竹竿は滑車のシステムに依って軽々と
其の両足が着地するか否かの位置まで
彼女を吊り上げた状態で固着されており
タンデムのシステムが横滑りしないよう
その固着にバックアップを掛けている

「…嗚呼…嗚呼…嗚呼…嗚呼…」

少女は胸の中央に座する同じく半円状の
極小さな膨らみの中央座に被座馬づく
可憐極まる小さな突起を
噛まれ…舐められ…転がされ…剥がされ
知られ…喰われ…確かめられ…膨らまされ
焦がされ…焦らされ…灼かれ…削がれて・なお
其れが繰り返し実施される事に辟易(へきえき)
何時の間にか其れら可憐な江戸紫から出射した
桃色突起の周囲には粘液が垂らされ
媚薬の効果を微細に発揮し鼻腔を貫通させ
鼻孔に残り香を…微空に蓮の華を咲かせる

「……葉っ…葉っ……」

すべすべで染み一つ無い其の突起を嬲る時
奴隷市場の周縁で一筋の落雷が発生する
右の地区を噛まれ、左の学区が舐められ
其れが２学期に楽器を総替えするというのだ
飽きがこよう筈など無いでは無いか

「……宇………宇……」

其の色は橙(だいだい)と乳白色の中間であり
センチメートルまで満たない単位であったのが
随分と血流が良きに計らわれ同単位を
若干ながら越したのが丑三ツ時の出来事

…ならばとばかりに　はかりにかけつつ
　はけにてせめるは　いちばのせめて
　このわざどのわざ　むすめがとうが
　こたへるものなし　すくひのてもなし

…そしてけんぶん　むすめのとっき
　たんいをこえて　せんちめんたる
　きぶんこうよう　きぶんじょうじょう
　おやぶんこぶんも　またぐらきつくて

…おおだんな　どれいのいちばの　しはいしゃは
　からからからと　わらっておった

其の様な映像を公開するといふのなら
見ずにおれぬのが人間といふものやろ
其の娘のあへぎ声を聴きたいと願うのが
まぢかで聴いてみたいと願うのが
其れが人といふものやろ
怖いもの見たさもあるやろ
満たされぬ心と身体があるやろ
何処何処までいっても・な・な・な
其れがにんげんとふいきものやろ
みとめてしまおうぞ…先ずは其処から

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