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交差
奴隷市場 杆杆娘
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此の娘を獲得するため、捕縛するために
俺は命を掛けたのだ…もともと惜しくもないがな
大腿部に残った傷跡が何よりも其れを物語る
此の程度でくたばって貰っては割に合わん
模型(もがた)よ好きにせい
模型(もがた)の好きにせい
其方(そなた)の好きにせい
奏鳴曲(そなた)を奏でるがいい
淫靡なる舞いを極めんとするがいい
そう…お前を捕縛するには骨を折った
更に固着させるには全員を騙す必要があった
妖精の村の住民全員を騙す必要があった
大腿部から流れる真紅の血液は俺のもの
間違いなく俺が流した覚悟の光
興味が湧くのさ…未知を既知にする事
興味が湧くのさ…人間の本性暴きにな
興味が尽きぬよ…何故太陽と月が複数年に一度
全く同等の大きさを担保しながら踊るのか
此れは誰かの計略の中の出来事
所詮、現の出来事など其の程度
誰かの掌で踊っているのが我々という訳だ
そう、お前を捕らえるのにも随分と骨を折った
実際に大腿部から代替のない血液が流れ出た
::::::::::::::::::::
俺は妖精の村…可憐な少女が住まう
奇妙な二階建て建築の中に居た
其の時分の自分を懐古主義敵に邂逅する
嗚呼・嗚呼・素晴らしきは我が人生
産まれ、間もなく複数本の手指を失ったが
其の御陰様で俺は此処に居る事ができるのだな
《秘め事は
誰にも知られず
華と相・成る》
呼吸をゆっくり・台詞はまったり
あくまで令和浪漫座の中心に中座せよ
死神よ…俺に力を貸せ、無限の生命力を貸せ
人類の到達点たる此処は世紀の分水嶺・也
大腿部から流れる血が概ね止まる頃
彼女は台所らしい部屋へ
とんとんとんと降りてゆく
此処は二階建ての建築物の一室で
俺は二階へ担ぎ込まれたようだ…其れが解る
台所は一階に在る…其の先には玄関
玄関とはいっても人の建築よりは
遥かに小さく…俺が通過するには
二つ折の快適電話よろしく
腰を折らねばならんな…其れも解る
何故解るのかは小娘の知る処では無いがな
一方的な搾取の為には力差(りきさ)も必要だ
瞑想を深めろ…考えるな
瞑想を深めろ…感じるのみ
更に深い意識へ…痛みを感じるな
更に深い意識へ…涅槃の領域へ向かえ
其の作業は極みの集中力及び肉体感覚
其の所業はまるで「押し合い・へし合い」
皆・何か勘違いしているのさ
皆・未知を既知とする気概が無いのさ
ヨーガを筋弛緩の方法としてばかり使いたがる
日々のストレッサーとか言われるもの
其れを敵の如く扱い過ぎているのが哀れだ
物事の本質を知らん…此の娘もそうだ
皆・可笑しいのさ…エアーコンプレッサーが
電気のみで動いていると思っているうちは
本当の知識及び智慧の領域にまでは辿り着けない
樹々のせせらぎといふ曖昧模糊なものの中に
どれだけの生物の関与がなされているか…
きらきらと輝くもの…「陽」なるものは美
じめじめと揺蕩うもの…「陰」なるものは不埒
2者択一の儀式だと思っているのさ
物事の本質を知らん…此の娘もそうだ
知らぬなら 教えてやろう ほととぎす
其の身体をもってな…俺はお前を連れ帰る
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