《瞑想小説 狩人》

瞑想

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奴隷市場 背水之陣

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「嗚呼……っ」「嗚呼・嗚呼……っ」
涙を流すのも人と一緒か
三寸奴隷の身分と相成りて
御気分は如何かね
羽根を失った妖精よ

「葉…」「葉…」「葉……っ」
再度の絶頂を味わうも良し
其のサウンドの高尚なるを聴き
次なる責め苦を如何にしやうかと
考証し、交渉し、公表し候(そうろう)

羽根は肩甲骨の側、一尺分を残し
残虐な手口・糸口で切り取られる
のこぎり刃は「ずたすた」という
表現が相応しい切断面となり
彼女の身体に大いなる禍根を残す

目には涙…粒は透明
唇には苦悶…色は桃色かつ可憐
声は淫靡…嗚呼、嫌、止めてを反復し
脚は宙へ…両手の緊縛で二寸の浮上
腹には球体…振動球体の数かぞへれば
延伸したコードの数を数えれば良い
一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ
ぶらぶらと重力戦線に浮かぶ其の黒糸を
きちりと数えられる者は居るまい
周囲に魔物…男の群れ群れ、括り肌
羽根失いの、羽根焼かれ
其のセンチメンタルな気分に浸り
回復の時を待つ状況では無い
魔物は性欲旺盛な王制の下僕共
市場の王には決して逆らえぬし
全員が完全な勃起を誇りながら
其の股座の貫通式を今か今かと
待ちわびつつも責め・嬲り・焦らす
花は散り…又咲くのを待つ季節

「駄目、駄目…っ」
「………………っ」
弓・引き絞り発射する瞬間を
恒久の美として捕縛せよ
丈三尺の娘は羽根を失った
其の残骸を喰らい尽くさん
岩塩を添えて・野菜を混ぜて
娘の妖艶な腰つきに酔いながら

::::::::::::::::

大腿部に短剣を添え
瞑想状態を深めるとともに
狙いを定め、最終確認をする

確認は何度でもしておく事が好ましい

「目的」…
妖精の確認、可能であれば捕縛
物語が上等に進めば市場まで連れ帰る事

「手段」…
先ず此処で瀕死の重症を負う
其処から先は流れに任せる
唯一の突破口であり入村の手段也

「邂逅」…
地図は一定の効果を発揮したものの
俺を妖精の村まで連れてくるには
情報量が少なすぎた…6割6分程度か
残量の3割3部3厘3毛は
自らの知恵及び肉体で埋めていくしか無い
地底からの情報の方がより正確だった
「やはり」というべきか
情報は捻じ曲がっている
世界には嘘が溢れている
殆どの物が搾取される側に居り
自ら能動的に歩んでいる諸氏は
限りなく少ない事を確信する
此の地図は嘘っぱちだ…
作者を俺の前に連れてこい
一部、俺が加筆修正したものの
肝心要の要点を忘れた愚かな用紙
瞑想千里眼の方が余程正確である

「準備」…
俺は確信とともに準備にかかる
人間の血液量は何リットルだったか…
バケツ一杯分を失う事で
死に至る事を知っている
奴隷市場での経験は役に立つ
死にゆく者の出血は概ね
「見慣れた鉄バケツ一杯分」と
覚えておいて間違い無い
此れ以上の知識は要らない

自分を短刀で貫く為に
俺は深い呼吸に入る
瞑想を深め、深い、深い
意識に痛みが遡上しない領域まで
瞑想を深め、深め、更に深める

「一点」…
集中を切るな、寒さを感じるな
嫌・感じても構わないが「おっと」と
直ぐに元の軸に戻ることが肝心
肝心要の「要」の文字の如くに
其れさえ失わなければ良い
中心軸に管が有る、何時もと同様
泰然自若…平素の如く
丹光が見える…鮮やかに

::::::::::::::::::::

赤から橙、橙から黄
黄から緑、緑から薄い青
薄い青から紺、紺から紫
丹光の周波数が変化するに従い
一切皆苦の「苦」の文字が
遠く、遥か遠くに導かれるのを感じる

なあ、風来坊殿よ
「死」を語るな
秋の早朝から涙を誘うな
朝一番の返信短歌の友
其れを楽しみにしている者も居る
其れを永々と・営々と・栄叡と
続けて欲しいと願う者も居る
「死」は力…最強の力
其れを意識出来る者
本当に其れを意識出来る者が
最強の識者と成れる事を伝えたい
金…ふざけるな
名誉…ふざけるな
地位…ふざけるな
怠惰…勘弁してくれ
無知…大罪だな
俺は経験を買う
自分だけの経験を買う
貴重な時間を投資して
愚直に毎日を重ねながら

時にして一刻程の瞑想…
意識深まり、準備は整う
大腿部に短剣を添える事に
迷いが無い事を誇りに思う
雪は舞い…見るも艶やか
覚悟の文字は…果実をつけるか

:::::::::::::::::
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