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交差
奴隷市場 弱肉定食
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「宇……っ」
背中は弓なりに成り
絶頂を告げるもの也
股ぐらに這入った球体
其の数は6を越えたところ
腹腔内で暴れる球の群々
がち・がち・がち・がち
歯軋りの様な音が其処に響き
彼処(かしこ)を貫き
終幕に向かう宴を更に鮮やかに
「嗚………っ」
背骨は大丈夫だろうかと
心配する声を挙げる者は居ない
人外の妖精嬲りを閲覧し興奮する輩に
善人など居ようものか
異様な気配が市場の一室を包む
雨・降り続けば傘が必要な様に
彼女には錠剤が追加挿入される
佐印は何度も何度も訪れる
人間と絶頂の形は変わらないのだな
見分出来る脳内物質は
エンドルフィンであるし
ドーパミンであるし…
一つ二つ違うものが在るとすれば
股座一本線は退化し
久しく使われていない事くらいか
「……もう……もう…」
何だ、言ってみろ
背羽の切り刻まれる痛みか
それとも絶頂の快楽か
其の混ざり具合が絶妙か
前者、中者、後者…
答えには如何に
首を振り応える氣力は在るか
「……もう……もう…」
五月蝿い(うるさい)
季節は变化し
五月などとうに過ぎておる
球体を回せ、羽根を切り毟れ
宴をつづけやう
祭りをつづけやう
ぎし・ぎし・ぎしり
麻縄許さぬ其の動き
絶頂逃れは許ぬ檻
ぎり・ぎり・ぎりり
のこぎり刃の左右差に
娘の悶える声が響けば
嗚呼・嗚呼・嗚呼…っ
最後の呼吸を一頻り
葉っ・葉っ・葉…っ
迷える子羊、迷える妖精
そして幼性、羽根を失う
:::::::::::::::
小皿・大皿を並べろ
小皿には野菜を盛れ
ドレッシングは
カサス・デ・ヴァルド
其れ意外に無し
羽根を千切れ
細かく裁断し
千切りと万切りの
丁度中間くらいが良いだろう
葉脈の部分は其のまま
切り取らなくて構わん
紫の液体も現状維持のまま…
少々の塩を振るのみで
塩は最高標高で搾取した
暇等屋(ひまらや)岸塩にしておけ
ついでに、そうだ…
例の物(ぶつ)も追加しておくとしよう
同場所から採掘された
蜂蜜をそのまま小皿に乗せる
大皿の中央には
彼女の羽根を大胆に乗せ
其のまま紫ジュース祓わず
此れで良し…完成だ
世界に唯一我等しか提供出来ぬ
晩餐飯の完成とする
:::::::::::::::
正解は左だ…其れしか無い
道標の文字不鮮明であるものの
可能性という「零」と「無限大」の
2つを孕み内包する胎盤の中
正解は左だ、直感もそう言っている
俺は結局十字路にて
かどかわされる事もなく
無事に左辺を選ぶ事に成功する
後に知る事になるが
66人の旅人のうち
65人は真っ直ぐに進み
毒に侵され、蟲に身体を這われ
見るも無惨な死に至ったという
死体は白骨が更に色変化し
白から茶色
茶色から黒
黒から紅露
紅露から禁色に変化し
許し色を得ることは
一切無かったというが
其の事に興味が湧いてしまう俺は
相当に逝かれているのだろう
山道は続く
山道は続く
険しい道は道で無くなり
足跡は希薄で氣魄となり
既に今朝集めた水分の大部分を失った
しかし、しかし…
適当な水を飲む訳にはいかん
妖精村の手先・罠
尖兵の腰掛けにも注意を払う
集中を一瞬でも切れば
崖から真っ逆さまの「死」
人食植物に喰われる「死」
天から怒りの落雷で「死」
何時でも奥歯の奥の更に奥
其の毒を噛む覚悟を携帯せねば
天から舞い降ちるのは「雪」
そういえば俺が最初に
抱いた女の名前も雪…同じ名前だ
彼女に救いの祈りを少々
俺らしくないとも感じるが
周囲に蔓延る気配は危機
もう少し進み行くなら死季
詩的に牧歌的に言えば四季
俺は記してやる
生きて帰り、刻む…私記として
妖精の生態を知り
可能なら捕縛して帰る
何事かアクシデントがあれば
奥歯の毒で速やかに死を迎えよう
雪混じりの雨に…其の中に…
別の物が混じっているのを知る
きらきら・きらきらと
これは左方向の歩行の終点
妖精の村が近い事を告げている
近いぞ、間違い・無い
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