《瞑想小説 狩人》

瞑想

文字の大きさ
上 下
220 / 585
交差

戦いの詩・死の枕

しおりを挟む

:::::::::::::

⑦死の枕

ああそうか
おれもいよいよ
いくのだな
しのかげがこい
のうどがこくなる

じんせいを
いききったろか
こうかいは
ないであろうか
そういいきれるか

しのまくら
かたみにしるそう
ひとふでの
おれのおもいで
じんせいのふで

だれぞある
かみとふでとを
もってきて
わが・じせいのく
しるしておくれよ

ああ・きみか
そばにいたのか
ありがとう
なんじゅうねんも
こんなおれのそばに

よりそって
ともにわらって
くるしんで
ときにうわむき
ときどきしたむき

このおれに
こんなおれに・さ
よくぞまあ
つれそってなぞ
きてくれたものだ

まずかんしゃ
きみにかんしゃを
つたえたい
どうつたえよう
つたえきれぬよ

ああ・きみと
であった・としごろ
おもいだす
ひとめぼれだった
きれいだったんだ

そのせぼね
そのなりかたち
ことばじり
すべてがきれいで
うつくしかった

かこけい・じゃ
しつれいだったな
ああ・ごめん
わすれておくれ
しつげんだった

いま・いまも
きみはきれいだ
うそじゃない

いまも・なお
うつくしいまま
そのまんま
きみはきれいだ
ぜんぶが・そうさ

:::::::::::

なあ・ごめん
ゆうげんじっこう
するおれが
ひとつやくそく
やぶるかもしれん

ほんとうは
おまえをさきに
いかせて・な
そのあとおいを
するのがおれと

やくそくを
したはずだった
なのに・いま
おれのほうがさきに
いこうとしている

そのことに
ひとことごめんと
いっておく
ほんとにごめん
ほんとにごめんな

きみのかみ
ずいぶんしろく
なったなあ

おれもそう
ひとはかわるな
いきてれば

かわること
おそれずおれは
まいにちを
いきてこれたか
どうみえただろう

ああ・きみに
おもいのたけを
とどけたい
たんかのりずむよ
そらまで・とどけ

きれいだよ
であったころと
かわらない
きみはきれいだ
とてもきれいだ

なくなよな
おれもるいせん
ゆるくなる

なくなよな
なみだをふけよ
もういちど

しのまくら
こんなときほど
かっこよく
かっこよくして
いきたいのだ・よ

もう・なくな
ちょっとよていが
あわなくて
はやくいくのさ
ただそれだけさ

もうすこし
きみといっしょに
いたかった
まだまだたくさん
はなしたかった

もうすこし
そのひざまくらに
よいしれて
きれいなゆめを
みていたかった

ひとめぼれ
さいしょのこいは
さいごまで
かわらぬものだな
きみは・きれいだ

かんかくか
べつだんわるくは
ないんだぜ
いったとおりだ
めいそうとおなじ

しのかくご
ひびぞましゆく
このおれの
しのかんかくは
ただしかったよ

…じんせいは
 いかにいきるか
 ではないぞ
 いかにしぬるか
 さがすたびなり

…しょうねんよ
 たいしをいだけ
 そしていま
 そのしゅんかんに
 みをとうじること

…うまれおち
 あるいてまなんで
 こいをして
 しぬるそのとき
 おとずれる・まで

…ぼっとうし
 こころのみちびく
 そのままに
 こころのときめき
 くもらせぬ・よう

::::::::::::

ああ・あなた
いままでほんとに
ありがとう
とうとうゆくのね
あきの・よふけに

おみとりは
わたしひとりで
よいのですか
いがらしさんは
よばなくてよいの

おかむらさん
ここによびますか
そうですか
きをつかいますか
あなたらしいわね

いのうえさん
あなたがいない
こうえんは
さびしいものだと
いっておられました

そうですか
それだけつたえて
おきますね
ほかにきがかり
ございませんか

おみとりは
わたくしひとりで
よいですか
あなたとのひび
かたりつくせませぬ

えびなえき
ほてるのいっしつ
しごとまえ
かけつけたあなた
とてもすてきだった

たんれんじょう
みんながみてたわ
そう・あなた
ひっしにわたしを
くどいていましたね

「し」してなお
きみといっしょに
いたいんだ
せぼねにほれた
しせいにほれた

そうじゃない
きみのいくさきは
そっちじゃない
おれについてこい
そういってました

わたくしが
あなたにはじめて
でんわした
そのときのこと
おぼえてますか

はくぶつかん
だきしめあった
かんかくは
いまも・いまでも
しんせんな・まま

ながしめの
ひかり・かわらぬ
そのすがた
わたしがこいした
あなたのままです

そのことば
さいごのことば
ありがとう
こころにとめます
わたしのこころに

たましいが
とわにつづくと
いうのなら

たましいは
もとにもどるだけ
それならば
ああ・ああ・わたし
あなたといっしょに

ずっと・ずっと
あなたのそばで
わらっていたい

えがおになれるの
あなたといると

じぶんがすきに
なれるのです
あなたといるとき
そのときはずっと

ふしぎよね
ふたごのたましい
こんなにも
いとしくこいしく
さみしく・なり・ます

わたくしを
はなさないでね
いつ・まで・も

::::::::::::

もういいか
めをつぶらせて
くれないか
がんりんきんも
しにゆくのだな

きみのこと
もうみれないのか
このめでは
ぼんやりけむる
ひかりむらさき

そのこえを
もうきけないのか
このみみで
さみしいことだ
ざんねんなことだ

そのかおり
かれんでじょうひん
そのにおい
きおくにとどめて
ゆくことと・するよ

ありがとう
このむね・きみに
さしだして
うそがないこと
しめしてゆきたい

このおれが
あいしたおんな
おまえだけ

なつやすみ
はなびは・ちらず
えいえんに

いっしゅんは
とわへとつづく
ものがたり

しのまくら
さいごのときまで
ありが・とう

::::::::::::::

めをとじて
おやすみなさい
ありがとう

わたくしも
あとおい・したいと
ぞんじます

もうすこし
まっててください
すぐゆきます

あなたとの
おもいでばなしを
うたにして
だれかにつげて
それからゆきます

もうすこし
まってていてね
あなたなら
きっと・こういう
きっと・そう

…おれはなあ
 きみをまつのは
 くじゃないぜ
 めいそうしながら
 まてば・いいんだ

…ほんとうに
 きにしなくていい
 かいものは
 ゆっくりゆったり
 してくれば・いい

…すとれっち
 したけりゃじゅうぶん
 しておいで
 おれは・くるま・で
 まってるからさ

…「し」してなお
 おまえをあいする
 おとこだぜ
 おれをなめるな
 みくびるな・よ

…ちきゅうじょう
 どこさがしても
 このおれに
 かなうものなど
 いるわけないのさ

…ゆっくりと
 そうじをしてさ
 すべきこと
 このよでなすべき
 じぶんのことがら

…やりつくし
 それからゆっくり
 くればいい
 にもつはもちろん
 おれが・もつ・から

:::::::::::::

ありがとう
やさしいことば
ありがとう

ありがとう
あいしてくれて
ありがとう
しあわせものです
ちきゅうでいちばん

もうすこし
まっててください
しのまくら
きぼうにかえて
たんかにそえて

わたくしも
あなたのもとへ
まいります

ありがとう
おやすみなさい
ありが・とう

:::::::::::

此れは詩
戦いの詩
道標
未来へ向かう
自分への楔

此れは詩
来たれ来たれよ
死の枕
我が身朽ちるは
時間に委ね

生きる今
瞬間・瞬間
満たすため
自らに歌う
戦いの・詩

::::::::::::
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

身体の繋がりしかない関係

詩織
恋愛
会社の飲み会の帰り、たまたま同じ帰りが方向だった3つ年下の後輩。 その後勢いで身体の関係になった。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

処理中です...