《瞑想小説 狩人》

瞑想

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交差

奴隷市場 地獄列車

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::::::::::::

じごくみち
ねはんへのみち
まがりかど
そこにたたずむ
おんながひとり

ゆめ、うつつ
まじりあうなか
おぼろげな
けむりのなかに
おんながひとり

きりたった
やまのちょうじょう
むかうのか

たにぞこに
まっさかさまに
おちるのか

てんごくへ
むかうれっしゃに
のれるのか
どれいの、くらし
もどるのは、いや

じごくみち
ねはんへつづく
そのみちの
ここははざまだ
ちゅうかんちてん

きりぐもの
みぎてに「えき」が
みえるだろ
おまえのみぎて
はしもつほうだ

いりぐちに
たたずむおとこが
いるだろう

このえきの
えきちょうさまだ
まずかれに
ごあいさつして
ごきげんをとれ

しつれいを
せぬようじゅうぶん
きをつけたまえ

ごあいさつ
おこえがけにも
じゅうぶんに
はいりょすること
ぶすいはいかん

こしをまげ
さいけいれいし
けいふくし
たりぬとおもえば
どげざすること

えきちょうの
ごきぶんそこねりゃ
いっちょくせん
じごくへのみち
そこにいたるぞ

こえがけを
しなけりゃゆくさき
わからずに

げんせとの
はざまのせかいで
えいえんに
さまよいつづける
こととなろうぞ

しんちょうに
あくまでゆっくり
あわてず、に

ことばじり
こころみちびく
そのまま、に

::::::::::::

…わたくしは
 とほうにくれて
 おりまして

…たすけぶね
 それをひつようと
 するものです

…このえきに
 れっしゃがやって
 くるのなら
 のりこむきょかを
 いただけませぬか

…げんせでの
 みのあつかいが
 ひどすぎて
 ここにいたった
 しだいであります

…のどのおく
 きつくはげしく
 ねじこまれ

…むちうちや
 ろうそくぜめを
 されました
 ごらん、ください
 ひどいのです、よ

…どこか、そう
 とおいばしょまで
 つれてって
 じごく・てんごく
 どちらでも、いい

…いやなの、です
 どれいいちばに
 もどるのは
 おねがい、おねがい
 たすけて、おねがい…

ゆめのなか
ひとづまどれいが
そういった

:::::::::::

いなびかり
くものたにまで
らいじんが
うたげのひとまく
それをみていた

ひとづまは
ぎろちんだいに
しばられて
なぶられるまま
おかされるがまま

ろうそくや
むちうちぜめに
たえかねて
どうも、どこかへ
にげだしたようす

きつけみず
こちらへいしきを
もどすのに
なんぎ、しておる
なにを、しておる

::::::::::::

…このちから
 かしてやろうか
 ぜんれつに
 すわってわらう
 どれいのおうよ

…おれもまた
 おとこであるぞ
 いかづちの
 かみとはいえど
 きょうみがあるぞ

…ひとづまは
 うんめいなりゆき
 そのはてに

…じんせいの
 ひとまくここで
 おえるのか
 どれいいちばの
 みっかめの、よるに

…そんなにも
 ひとをおいこみ
 へいぜんと
 たばこをふかす
 きさまもなかなか

…やりて、だな
 いかさずころさず
 そのわざの
 きわみ・とったん
 みせてもらおう

…ひとづまの
 たましいしょうかん
 そのぎしき
 いかづちのちから
 かして、やろうぞ

…このうたげ
 かんぜんなものと
 すればいい

…もういちど
 いしきをもどす
 そのために
 おれのちからを
 かしてやろうぞ

ごろ、ごろ、と
ふおんなけはい
そのしゅんかん

いな・びかり
やかたのてんじょう
ひらいしん
そこにぶつかり
おおいにゆれる

…これでよし
 つづけよ、みせよ
 ひとづまの
 えすえむしょーの
 つづきがあるなら

くものなか
らいじんさまが
そういった

:::::::::::

えきちょうは
みぎてにきみょうな
ぶったいを
てにしてなにも
かたらずにいた

すくりーん
てのひらさいず
もちはこび
するのにべんり
かかくおてごろ

ひだりてで
きようになにか
しらべもの
みつめているのは
さまざまな、もじ

だれひとり
おきゃくのいない
えきこうない
いちばんせんに
れっしゃがはいる

ゆくさきを
つげるひょうしき
よくみれば
ふきつなるもじ
みんちょうたいで

「やりなおし」
せんとうれっしゃの
かしらもじ
なんどかくにん
してもおなじだ

ひとづまは
いっきにあせが
ふきだした
げんせとまざり
うつつとまざり

あぶらあせ
ねばりけのある
やまいもが
そこにまざって
ひたいをはしる

えきちょうは
れっしゃのとうちゃく
みとどけて

しらべもの
すんでようずみ
ひとづまに
ぜつぼうかたる
くちょうはやわらか

:::::::::::

…さて、あなた
 こよいさいしょの
 おきゃくさま

…ゆくさきが
 きまったようです
 いま、まさに

…わたくしの
 しらぬぞんぜぬ
 そのじくう
 そこにあなたを
 もどすようにと

…うえからの
 めいれい、しじが
 ありました
 のってください
 いまきたれっしゃに

…もどるのは
 どれいいちばと
 いうところ
 
…げんせでも
 たにるいをみぬ
 じごくえず
 もっともかれつを
 きわめるやかた

…そのばしょに
 あなたをもどせと
 いうのです
 かなしいことです
 あわれなことです

…わたくしが
 しらべたところ
 あなたには
 ひどくむざんな
 みらいしか、ない

…このえきを
 なんども、たずね
 またもどり
 やりなおしては
 とほうにくれる

…くりかえし
 なんどもなんども
 くりかえし
 それがうんめい
 あなたのうんめい
 
…おのりなさい
 いちばんほーむの
 そのれっしゃ
 どれいいちばへ
 もどる、れっしゃに

…わたくしも
 きかいがあれば
 みたいもの
 あなたのような
 うつくしいひとが

…むちうちや
 かんちょうぜめに
 あえぐのを

…ろうそくを
 たらされさんざん
 おかされる
 そんなしーんを
 けんがくしたい

…ああ、そうだ
 どうこうしよう
 みにいこう
 じょうしにそうだん
 きゅうかをください

…だめですか
 またのきかいに
 せよという
 いつもそうです
 ざんねんむねん

:::::::::::

「やりなおし」
せんとうれっしゃの
もじばんに
ふかいきわまる
けいじがひかる

えきちょうは
なみだをながし
おえつする
ひとづまのかたを
みぎてでだいて

あくまでも
やさしいむーどで
えすこーと
いちばんせんの
れっしゃのなかへ

あなうんす
きこえているか
ひとづまよ

「しゅうてんは
 このよのじごく
 どれい・いち
 ひらくとびらは
 みぎでございます」

:::::::::::
 
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