《瞑想小説 狩人》

交差

地下牢の娘 其の３

せめて此の手が
動くのならば
一つの蛇でも
除いてあげたい

せめて此の足
動くものなら
牢屋の外へと
助けを求めて…

敵わぬ思いが
宙に舞い飛び
鉄の地下室
淀みに消える

せめて此の声
届くのならば
何か一声
かけてあげたい

せめて祈りが
積算式なら
全ての稼ぎを
出して使って
利子まで宜しく
惜しみませんので

願いはふわふわ
揺れて霞（かす）んで
しびれ動けぬ
身体を呪う

：：：：：：：：：：：：

責め手に廻った
２人の女は
乙女の喘ぎに
上々気分

手にした鞭は
綺麗な模様で
上質そのもの
棘（いばら）の園よ

ひゅん
ひゅん
ひゅんと
１撃、２撃
さらに惨劇
赤く染まって
証拠を残す

緊縛姫は
悶え悶えて
苦しむ声は
此の様に

…嫌
　嫌
　止めて

…嗚呼
　もう
　駄目なの

…おかしく
　なっちゃう

…何で私が
　こんな、目に…

堪（こら）えることよ
この程度
貴女はおもちゃ
皆のおもちゃ

…嗚呼
　嗚呼
　やめ、て

…お尻はやめて
　そんなの無理よ
　挿入るわけない

駄目
駄目
駄目よ

お尻がいいのよ
教えてあげるわ
小さい蛇から
ゆっくり挿れるの

…嗚呼
　駄目
　そんな

じたばた
しないの
鞭で打つわよ

ぴし
ぴし
ぴしり

…嗚呼
　嗚呼
　駄、目…っ

…葉ぁ
　葉ぁ
　葉ぁっ…

ぴく
ぴく
ぴくん

これからなのよ
楽しくなるのは

今夜の趣向は
もっと残酷
ねえねえ緑
そろそろかしら

そうねそろそろ
お揃いかもね
お迎えしましょう
皆様方を

緑目オンナが
不吉に呟き
じーじー
がちゃり
牢屋の扉が
開いた向こうに

男と女が何名か
仮面をつけて
座って居(お)った

会話は高尚
生とは何ぞや
利己とは何ぞや
利他とは何ぞや
随分お高い
身分に見える

そのうち１人は
煙草をふかす
銘柄決まって
セブンスター
もくもく煙が
廊下を走る

最後に１人
老人１人

長老様も
合流されて
全員集合
準備は完了

お待たせしました
御機嫌、如何
準備じょうじょう
それでは中へ

：：：：：：：：：：：

此処は牢獄
最下層
部屋は湿って
おります故に
足元注意で
お願いします

うがひ
てあらひ
わすれずどうぞ
消毒のために
アルコール

さあさあ皆様
お座りください
お待たせしました
至極の一時

親の七癖
笑ってヨヒラ
今宵の宴の
出演者

鳴いて狂うは
この娘
緊縛姫が
裸体を晒す
被虐のショーの
はじまりはじまり

承（うけたまわ）ります
全ての望み
紳士淑女の
求めるままに

彼女については
周知のとおり
村一番の美麗な身体で
朝に祈りを
昼に祈りを
夜に祈りを
捧げる者で
健気（けなげ）で罪なき
可憐な小娘

身長
体重
スリーサイズは
お手持ち資料に
或るとおり

とある経緯で
手に入れまして
蛇で責め苦を
与えております
重ねてお礼を
長老様へ

顔だち綺麗で
目はタヌキ
鼻筋とおって潤う唇

胸は小さめ
カップA
見えますでしょうか
群がる蛇の
隙間に覗く
可憐な突起の
佇まい

突起は既に
調教済みで
噛めば噛むほど
甘い吐息に

舐めて摘（つま）んで
引いて弾けば
背中を反らし
このように…

如何でしょうや
敵いますこと
貴方の御目に
貴女の御目に

此処は秘密の
部屋でして
決して他には
漏れない造り

金銀財宝
幾ら積んでも
今宵の戯れ
見るは叶わず

参加資格は
唯一無二で
秘密を漏らさぬ
態度のみ

漏れた噂が
噂を呼べば
今後一切
出来なくなります

秘密の契りに
血判（けっぱん）押して
誓ったあなたは
調教者
破らぬ限り
乙女を嬲れる

御覧ください
姫に絡んだ
無数の蛇が
胸をつついて

前のくぼみに
挿入っております
中で随分
暴れております

おっと後ろも
蛇の餌食に
小さな蛇が
見事に挿入って…
拍手をどうぞ

ぱち
ぱち
ぱち
ぱち

被虐のショーは
本番これから
どうぞ宜しく
お願いします