《瞑想小説 狩人》

瞑想

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蛇責め 其の8

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がぶり

蛇が神経の集中する
股ぐらの突起に牙を立てる

…っ!
…っ!
ああっ!

君の身体はびくりと跳ねる
その突起は敏感で
屹立しており
今にも張り裂けんばかり

そこに牙が突き刺さる
痛みは…相当なものだろう
喉が灼けるほどの叫びは
永久機関を宿す
猿轡によってかき消える

蛇にとっては甘噛みかもしれぬが
突起は女性の感覚機関の中で
最も鋭敏かつ可憐に出来ている
そこに2本の牙が喰い込んだ

嗚呼…っ!
嗚呼っ!
嗚呼っ!

永遠に太陽の沈まない
砂漠のを旅する者は
在りもしない水辺を見る
「嗚呼、求めしものは此処に
 しかし、違う、何かが」

断捨離の趣味が高じて
すべてを捨ててしまった結果
意外に不便であることを
名もない県民が知る
「嗚呼、何も無いことに
 すっきりしたが、これでは…」

瞑想を究めんと欲し
標高の高い場所に
移り住んだ高僧が
悟りを得られず
自慰行為に耽る有様
「嗚呼、悟り、ここに在らず
 シッタルダの嘘つきめ」

祈り女は蛇に噛まれ
少量の毒を注入される
クリトリスを噛む蛇は
前の牙、媚薬に近い成分を
彼女に挿入することに成功した
「嗚呼、少し痛かったです
 噛まれた、時は
 けど、この感覚は、何…?」

ヘンドリクスは
背中に抱えた
ギターを燃やし
時間は一定ではないことを証明した
圧縮された時間は
空間を捻じ曲げる
「嗚呼、紫の煙よ
 フォクシー・レディよ
 小さな翼で飛び立つのだ」

レノンは知っている
この世の成り立ちと
本当の支配者を
ヨーコは魔女か
聖女か、どちらだ
「嗚呼、俺は孤独だ、死にたい
 嗚呼、俺は孤独だ、死にたい
 幸せ…
 幸せ、か?
 それは温かい銃のことだよ」

ヤングは腰を痛めてしまい
座して歌わざるを得なかった
D45はドロップされ
右手の手背でミュートを効かせた
音色がマッシー・ホールに響き渡る
「嗚呼、夢見ていようぜ
 もっと沢山の
 なあ
 満たしてくれないか
 俺のグラスを
 男の約束で」

祈り女の陰核注射は
感覚を麻痺させ
ぼんやりとさせたものの
灼けつく熱さを、同時に
その周囲に発生させる
「嗚呼、陰核が熱く…なって…
 誰か、冷やして
 氷で、冷やして
 おね、がい…します…」

魔法を使う数学者
船を移動させると言った
海上に浮かぶ大きな、船を
「嗚呼、数字の力
 3、6、9の美しさ
 足した数字を3で割り
 それを並べて
 もう一度
 それが世の成り立ちというもの」

交流電気と直流電気
その闘いの歴史を
誰かが振り返り
紙面に残すと
3週を待たずして
彼は消されてしまった
「嗚呼、本当に
 価値の在るものは
 存在を許されないのですな
 それがルール、地球のルール」

トロンも同じく
上空で蒸発してしまう
何よりも早く
何よりも安定した
システムであったが故に
「嗚呼、トロンは魔法
 世界の基準と成りうるシステム
 これに対抗できるものなぞおらん
 このシステムは常に安定している
 おや、山の麓に
 沢山の人だかり…
 火炎放射器?
 何に、使うのか…」

祈り女の身体がうつむいて
静かに静かに小さくなった
蛇は牙を離した暁
2度、3度と
突起を愛撫し
舐めあげる
ちろちろ、
ぺろぺろ、
淫靡な舌で
「嗚呼…っ、駄目です
 舐めちゃ駄目
 舐めちゃ嫌
 ほてりを鎮めて
 冷やして、くだ、さい…」

放課後の課外授業
先生が教えてあげる
今日の授業の真髄たるもの
だって貴女は賢い子供
だから貴方は知るべきなのよ
嘘のない世界の全てを
「今日の3限目と6限目
 あれは全部、嘘っぱちよ
 そう教えるように
 作られた物語をなぞっただけなの
 本当のことを、調べて頂戴
 そして夏休みの宿題として
 私にこっそり、手渡して」

校長先生
教頭先生
何故に貴方は新聞を読むのです
何故にテレビを見るのです
貴方は私に教える立場
其処から何を
得るというのです
せんせい
せんせい
いいですか
「ぼく、思った
 数学と理科と
 体育は好きだけど
 歴史は嫌い、
 大っ嫌いだ
 どうしてかって?
 何となくだよ」

取引だ
取引をしようじゃないか
お前が大切にしている
家族・仕事・友人のうち
どれかを選んで私に差し出せ
変わりにお前の
愛する祈り女に注入された毒を
薄めてやっても
良いのだが
如何、か
「残念だが、な
 そのどれも
 今の俺には
 持ち合わせのないものだ」

熱い陰核を
蛇が舐めれば
電気の束が身体を貫く
神経回路は退路を無くし
最早、意識は途切れ途切れに
「お願い、します
 冷やして、くだ、さい
 焼けちゃう
 灼けちゃう
 嗚呼…、
 嗚呼…、嗚呼っ!」

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