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蛇責め
蛇責め
しおりを挟む目覚めると
身体が幾分か
軽いことに気づく
身体はベッドの上にあり
ふかふかとした
温かい羽毛布団が
その身を包んでいる
この布団を編むために
どれだけの鳥が
犠牲になったのか
そんなことをふと
考えもしたが
自分がハダカで
最後の着衣まで
全て取り払われていることに気づき
愕然とした思いになる
昨日は…
昨夜は…
ええっと…
何をしたのだっけ
何が行われたのだっけ
思い出す事ができない
何かとても
大事なものを
手に入れたような
気がするのだけれど
ベッドとソファ
合間のごみ箱に
湿った手拭いが
捨てられており
ベッドサイドテーブルには
振動するはずの
永久機関が
屍となって横たわっている
状況を察するに
長老様、は
ここを訪れたに違いない
私を喰いものに
したに違いない
捨てられた手拭いの量が
それを如実に
物語っている
でも
思い出せない
昨夜
ここで
何が行われたのか
昼までの…
記憶は鮮明だ
赤い瞳のオンナ
緑の瞳のオンナ
2人に
礼拝堂で
散々な思いを
させられてしまった、こと
後手に縛られ
胸を弄ばれ
峠を、越えた
それは
はっきりと
覚えている
鮮明な記憶
《また
会いましょう
朝、礼拝堂で》
去り際の台詞
確か
そんなことを
言っていたはずだ
時間
時間を気にしよう
急ごう
急げば
中列に座ることが
出来るかもしれなない
そうすれば
流石に
あの2人とて
手出しできぬであろう
先ずは着替えを…
祈り女の装束は
折り畳まれて
ソファの上に
置かれている
ピンク色の
キャミソールは
どこへ?
もういい
仕様がない、わ
早く
早く
礼拝堂へ…
中列に位置することが出来れば
後ろに眼がある
そう
すれば…
着替えを済ませ
少量の水を飲み
ドアを開けようとする
…?
が
押しても引いても
ドアは開こうとしない
このドアは特殊で
外鍵と
内鍵と
精神的な鍵の
3重ロックがかけられる造り
最後の鍵穴は
目で見て
物理的に開くものではなく
誰かの心と繋がっているらしい
輪番の祈り女の
行動を制限し
外部から徹底的に
隔離する
春の間の一室は
名前にそぐわぬ
厳重な警備のもとにあった
ドアの立場からすれば
鍵を持つものの立場からすれば
今は都合が悪い
ということなのだろう
君が礼拝堂に向かうには
準備が整っていない
そんなところだ
まあ
待っておれ
時がくれば
開くことになっている
《ジー
ガチャリ》
ほら、な
:::::::::::
重い扉に
体重を預け
廊下を早足
足音たてず
オンナは音を
可能な限りに
殺して歩く
それがオトナの
嗜みなるぞ
礼拝堂は
ざわついており
中を覗けば
既に前列
中列が埋まっている
昨日と同じ様に
後列の中央付近が
1席、ぽつんと
空いている状況
その右側には
ひときわ目立つ
赤いフードを被ったオンナ
左側には
緑のフードのオンナが居る
…赤目、様
緑目、様
朝の礼拝堂に
奇妙な気配
淫靡な気配が漂っている
其処に着座するしかない
朝の礼拝は
祈り女の神聖な儀式の一つ
長老の許可なくして
それを許されることはない
働かざるもの
喰うべからず
はて
この赤目オンナと
緑目オンナは
一体何を
生業としているのか
そんなことを
ふと考えながら
おず
おずと
びく
びくと
尻尾を丸め
猫耳を折りたたみながら
空白の席につく
::::::赤::::::
「お、は、よ」
「…」
「まだ祈りの時間まで
少しあるわ
お話、しましょ
昨夜は、どうだったの?」
「…何の
こと…、です…」
「長老様との
睦み合いのことよ
随分と激しかった
らしいじゃない?」
「…」
「とても
とても
積極的だったって
いつもの
恥じらう様子もいいが
たまには
売女のように
誘うオンナも
悪くないって」
「…え?」
「長老様が
仰っていたわ」
「…私
…何、も…」
「覚えていないのね
何となく
そんな気が
していたのだけれど」
::::::緑::::::
「ねえ
遊びましょ
とっても
とっても
いいもの
持って来たのよ」
「……?」
「不、不、不
とっても
とっても
いいものよ」
「…」
「怖がらなくていいわ
多分
ぞくぞくするだけ
貴女の身体を
這い回るの
見たいなぁ」
「…?」
「何だと、思う?
見えるかしら
ポーチの、中身…」
「…?!」
「蛇、よ」
「…!」
::::::::::::
さあ
祈りが
始まるわ
楽しみましょう
私たちと
確認するわ
昨日の続きよ
良く思い出してね
貴女は?
私達の?
…
早く
答えて
…
わたし、は
…
…
…
お2人、の
オモチャ、です
そう
そうよ
声を出しちゃ駄目よ
動くのも
いけないことよ
先にね
声がでないように
して差し上げましょう
動けないように
してあげましょう
《輪番の巫女
蛇責めの章》
はじまり
はじまり
::::::::::::
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