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同種喰い
同種喰い 其の8
しおりを挟む情熱の赤
狡猾な緑
キツネ目の赤
たぬき目の緑
それぞれが
胸の突起を捉え
振動する球体をあてがった
直線の赤
湾曲の緑
性質は異なるものの
手捌きは優しく
::::::::::::
はぁ
はぁ
はぁっ…
頭が
ぼうっと…
嗚呼
ええと
今、は…
「オルガンに救われたわね」
「逝っちゃった、のね」
「神聖な祈りの場で、全く」
「全く、何をしてるのかしら」
はぁ
はぁ
はぁ
嗚呼…っ
駄目…
そんなに
そんな風に
しないで
優しく、しないで
甘く、しないで
くだ、
さいっ…っ
「どう?この球体の味は?」
「もっと、してあげる、わ」
嫌、
駄目…
おね、がい
みんなに
気づかれてしまう
やめて
やめ、て
嗚呼、
嗚呼…
いいなり…
わたし、は
この2人の
いいなり
「どんな気持ち、かな
同種に責められるのは?」
「こんな風に、優しく
されたこと、ないでしょう?」
は…い
とても
とても
優しく、
甘く、
こんな風に
されたら…
身体が反応して
しまいます
声を上げられない
この状況、と
赤い瞳と
緑の瞳に
有無を言わさず
責められている
この雰囲気、に
飲み込まれて、しまいます…
赤い瞳が言っている
もっと
もっと
私を喰べたいと
骨の髄までむしゃぶりたいと
緑の瞳が言っている
もっと
もっと
悪戯したいと
悪い遊びを真面目に、と
真剣…
彼女らは
真剣なの、ね
真剣に私を
求めているの、ね
性欲とは別のものを感じる
何なのかしら
この、感覚は
男性の欲求とは違う
もっと情熱的で
もっと計略的なもの
人間の欲の中で
最も強い
性欲でも
食欲でも
睡眠欲でもない
歓楽…
歓楽欲の渦
渦の突端に触れてしまえば
その中心に引き込まれる
有無を言わさぬ
引力を持った
強引な、渦
引きずり込まれる
引っ張られる
おかしく、なる
もう
もう
もう、
わた、し…
既に達しました
次の波を呼ばないで
これ以上されたら
きっと
きっと
声が出てしまいます…
礼拝堂に響きわたる程の
声が
他の祈り女の皆に
気づかれてしまいます
そうしたら
貴女たちにも
多大な迷惑がかかるでしょう?
でしたら、せめて
でしたら、せめて
場所を変えて、下さい
おね、がい…
何でこんな場所で?
何でこの時間に?
何でこの状況で?
わた、し…
もう…
もう、
声を、
我慢…
できそうに
ない
「中で、してあげる」
「直接、よ
大人しくしていなさい」
駄目、
お願い…
服の上からならまだ
何とか
我慢出来ます
やめ、て
やめ、て
入って来ないで
そんな、こと
直接、なんて
そんな、こと
球体の刺激は強いのです
声…
でちゃ…
う…っ
「声を出しちゃ駄目、よ」
「動くのも、いけないわ」
そんなの…
無理、よ…
また
周りから
ずっと
ずっと
このまま…
その手つきは
甘く
甘く
切なくなるの
もういっそ
もういっそ
突起にきちんと
接触させて欲しいの
でも
でも…
そんなこと
言えない
そんなこと
そんなことされたら
声が、出ちゃう
嗚呼
駄目
嗚呼
駄目
優しくしないで
でも
優しくして
甘くしないで
でも
甘くして
止めて
でも
止めないで
虐めないで
でも
でも
虐めるなら
いっそ…
恥ず、かしい
でも
でも
そう思うのです
「…濡れてきてるでしょう?」
は…い
わたし、は
貴女達に弄ばれ
胸をさんざ
責められ
死者を復活させるとウワサの
泉の中にドボンと落ち
足の先から
頭まで
尻尾の先から
猫の耳まで
しっかり
濡れているいと
思います
が
そんなコト言えませぬ
そんな恥ずかしい、こと
「…声を出しちゃ、駄目よ?」
は…い
でも
でも
もう無理
もう無理
呼吸が
呼吸が
苦しく、なる
呼吸を大きく
してしまえば
それはきっと、声になる
声はきっと響いてしまう
我慢、します
我慢、しますが
我慢にも限度が
御座いまして…
「……っ!」
「いけない、娘ね」
「そうね、厳しく躾けなきゃ」
しつ、け
しつけ
躾け
わたし、は
そんな、に
わるい、こ
ですか?
わたし、は
そんなに
わるいこ
なの?
嗚呼…
そんな真剣な
眼差しで私を見ないで
赤い瞳
見たこともない位
紅く、情熱的で
直線的な瞳で
私を見ないで
恥ず、かしい
でも
そんなにも
真剣に
私を求めて下さっていることには
何と言うのでしょうか
とても
とても
有り難いことだとは思うのです
でも
でも
状況が状況だけに
とても恥ずかしゅう
御座います
赤目の貴女
貴女は《豹》
黒い毛並みに
赤い目を宿した
情熱の、獣…
嗚呼
緑の目
深い緑と漆黒の闇
そんな
蛇のような
眼差しで私を見ないで
くるくると
巻き付き、離さない
まとわりつく粘度がある
そんな瞳で
私を見ないで
そんな瞳でまじまじと
見つめられたら
動くなと言われる前に
もう
動けなくなってしまいます…
緑目の貴女
貴女は、《蛇》
狡猾な蛇
企み
計算
侵略
支配…
「どんな、気持ち?」
「ねえ、教えて?」
は…い
嗚呼…
わたし、は
未知の獣に襲われ
その巣穴に持ち込まれた小動物
群れから離れ
気まぐれな一人旅
世間知らずで
無知な小リス
逃げ足だけは
達者なので
ちょっと安心
していたのです
毎日が平穏で
ちょっと退屈も
していたのです
少し足を延ばして
隣の世界を覗いてみたい
そんな興味で
縄張りを飛び越えると
そ
こ
に
突然の遭遇
未知との出会い
有無を言わさね力強い豹と
全てを知り、飲み込む蛇
その2匹に
1発目の
神経注射を打たれ
身体が麻痺して
動く術を失った
2発目
3発目も準備している、と
緑色の蛇が言う
お前の素っ首
何時でも落とせる、
世間知らず、め
舐めるな、と
赤目の豹が言う
2匹の獣
それが
私を
襲ってくる
目当てはカラダ
わたし、の
カラダ…
巣穴の中に
持ち帰られた私
アトは2匹の
なすがまま…
…そんな気分
で、す
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