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同種喰い
同種喰い 其の3
しおりを挟む声を上げて
しまえばいいのに、
動いて、もがいて
その手を
払ってしまえばいいのに、
それが出来ない
右手は赤目のオンナに、
左手は緑目のオンナに、
封じ込まれている
…かわいい、反応
する、の、ね…
…駄目、よ
声を、出しちゃ…
…はあ
はあ
嗚呼っ…
吐息に注意したほうが良い
大きく荒い呼吸音で
前列の祈り女が
振り返るかもしれない
…か、わ、い、い
もっと、
もっと、させて、頂戴
赤目と瞬間
視線が交差し、
瞳の奥から
互いの情報を交換する
赤目の瞳は
夕暮れの太陽よりも紅色が濃く
若干の闇を宿す、色
決意と覚悟
捕らえた獲物は
決して、逃さない、
そんな意思を宿した瞳
…お、み、み、も
感じるんでしょう?
私達、知ってる、のよ
緑目の囁きが
優しく、
妖しく、
全身に纏わりついてくる
表面的には優しいその声の中核、
内に秘めた本質は
策士で、
計算高く、
狙った獲物が
狙ったように
動かねば気が済まない
そんな声とも聞き取れる
…はあ
はあ
はあ…っ!
…あらあら
こんなに
尖らせちゃって…
い、け、な、い、娘
…嗚呼っ!
赤目が右胸の突起を摘むと
3度目の喘ぎ声が
礼拝堂を駆け巡る
その声は
1度目よりも、2度目よりも
大きな振動だったが
誰かの咳払いにかき消され
事なきを得る
…嗚呼…
とっても、
とっても、
興奮、しちゃう…
次は私の、番よ
動かないで、ね
…!…!
緑目が
うなじから耳たぶまで、
ざらざらした舌の全体を使い
大きな、
大きなストロークで
舐めあげる
起点はゆっくりと
終点もゆっくりと
中間はぞわり柔らかに
オンナならではの
妖しげな舌使い
…っ!
声が漏れそうになる
吐息が荒くなり
呼吸が苦しい
突起を摘まれる
こり
こり
こりと
うなじを舐められる
ぺろ
ぺろ
ぺろりと
この状態で
声を出すな、などと
無理難題を…
1刻程、続く
朝の祈りの時間…
パイプ・オルガンが
鳴り始めたのだから
あと、半分…
あと、
半分、
も…
パイプ・オルガンの奏者は
上位の祈り女の一人、
評議会の決により
6位に評価されたことを
とても、とても、
喜んでいた
祈り女の評価
祈り女の順位は
評議会が打診し
長老が決する
君の順位は
何位なんだろう
美しさや
瞑想の深さが
評価の基準なら
他を大きく引き離して
間違いなく1位に君臨するはずだが
最も
地球を何周かして
やっと追いついたようにも
見えることから
最下位とされるかも
知れないが、な
赤目は片手に
捕らえた小さな乳首を
リズミカルに
優しく、
甘く、
撫で回す
オトコとはまるで違う
手背部までをも使用した
赤目の手技は巧みそのもの
緑目は
うなじを舐め上げ、
産毛を手入れするかのように
ぺろ
ぺろ
ぺろり
可愛らしい小さな耳たぶが
その終点にある
耳たぶを舐め
甘く、噛む
かみ
かみ
かみ
君は思わず、肩をすくめる
葉ぁ
葉ぁ
葉ぁっ…!
必死に堪える乙女の姿は
美しい
ーーーーーーーーーーー
駄目、
駄目、
声を、
出しちゃ、駄目
嗚呼…
一体、何なの
この人、た、ち…
見たことがないような
初めて会ったような
そん、な
気がっ
する、
けど、
嗚呼…っ
嗚呼…っ!
ーーーーーーーーーー
…感じて、きちゃった、の?
…感じて、
いるの、ね?
オンナのカラダの扱いは
オンナの方が知っている
どのようにすれば
興奮するか
どのようにすれば
達するのか
熟練の同種喰いならば
どうようにすれば
自分好みに
調教できるか、までを
…そ、の、ま、ま
おとなしく、
しているのよ…
緑目のオンナが
耳の中の粘膜にまで
舌先を伸ばしてくる
君のカラダは
ぴく
ぴくと
可愛らしく反応する
悶える乙女を挟み込み
赤と緑は恍惚の笑み
…う、
う、
う…
嗚呼……っ!
…こ、ら
声を出すな、と
言っているでしょう?
…言いつけて、しまうわよ
長老様に…
そうしたら
どうなると、思う?
…?…
…いいこと、
教えてあげ、る
…そう、
とっても
いいことを
…な…
に…?
…私達は知っているのよ
あなたは輪番中で、
毎夜、毎夜
長老様の
オモチャになっていること
…そうよ
昨晩のことだって…
蟲さん
蟲さん
こんにちは
嗚呼
もう一度
あなたの
悶える姿が…
…見たいなあ
…見たいなあ
…だ
れ…
、
な
の…?
貴
女
た、ち…
パイプ・オルガンが
3度目のコーラスを奏で
祈りの時間の終了を告げる
ざわ
ざわ
ざわ
祈り女達は
背伸びをしたり
あくびをしたり
固まった肩甲骨を伸ばしたり
空間が雑多な雰囲気に
包まれると同時に
赤目と
緑目は
耳元で何事か呟き
礼拝堂をから姿を消した
52人に増えた
奇妙な朝の祈りの時間は
右胸に手技の余韻を
耳たぶに赤い口紅を残し、終わる
……!…
余韻が残るカラダ
もう一度肩をすくめ
それを逃がそうとする君
《赤目たつ
責めの極意は
優しさと
歪な口づけ
緑が萌える》
…昼になれば、
もう一度、
祈りの時間が、ある…
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