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蟲責め
蟲責め 其の10《殺意》
しおりを挟む…いかが、です
狩人、様…
…蟲に責められ
長老の思いのまま
なすがままに
嬲られる
貴方の…
大事な
大事な
人を御覧になって?
…俺に、
言わせる
のか…
…輪番は長く
果てしなく
彼女を
苦しめることとなります
そう
そう
貴方は
このビジョンを見て
一体
何を
どのように感じ
これから一体
どのように行動されますか?
狩人、様?
…殺す
…殺す?
長老を?
…嗚呼
殺す
殺してやる
この世で最も残虐な手法で
苦しみを与え
じわじわと
そのように殺したいところだが
…そうはしない
瞬間だ
一瞬、
一瞬で、
息の根を
止めてやる
誰にも
気づかれない手法で
誰にも
知られず、に
…しかし
彼の地
長老のコミュニティは
守られておりますぞ
貴方の知らない周波数帯によって
…甲月の間は
それは不可能なのです
乙月に於いても、同じ
長老のガードは、固い
《目安箱》が
全てを見張り
全てを監視しています故
…
…さて
狩人、様
《究極の心と身体》の著者よ
貴方は何を思います?
何を感じます?
何を信じます?
どう、行動されますか?
輪番の彼女は
随分と辛そうではないですか
悶え
嬲られ
苦しみ
後ろを貫かれ
前を支配され
言葉で責められ
耳の中に蟲を入れられ
人体の外、尻尾までも犯される
彼女を
見て
どう、されますか?
…《支配領域の、拡大》だ
支配領域を拡大し
成長、する
成長、だ
それ以外の
答えは、ない
…抽象的、ですな
《支配領域の、拡大》
どの、ように?
…先ずは
己の肉体
これを支配する
今のままでは
まだ、
まだ、
まだ、
おぼつかん
…肉体を
どのように
支配するのです?
…《鍛える》
といっても
コミュニティの
鍛錬場のように
重いものを適正回数
持ち上げる
そんな痴戯のような
鍛錬はしない
…では、どのように?
…上手く言えんが…
そう
心と身体を同時に鍛える
そのような身体操作を
極め、継続する
…殺す、ため?
長老を?
…その通り
長老を殺すための
鍛錬を成す
支配領域の拡大、だ
つまり、
今の俺では
気づけない部分への
鍛錬を実施する
それが自ずと
答えを連れてくる
…具体的に
申しますと?
…才児よ
俺は感じるんだ
少し話は長くなるかも知れんし
大きく脱線するかも知れん
聞いて、くれるか?
…勿論
…この身体の中には
もっと、もっと、
力強いものが宿っていることを
俺は感じる
例えば
この筋肉群について、だか
一見、同じ様な動きでも
これらは時に協調し
これらは時に分離し
動いているだろう?
…意識できるものがあり
意識できないものもある
《随意筋》があり
《不随意筋》もある
…コントロール
肉体の支配を考えた時
鍛錬の本質が見えてくる
意識できないものを
意識できるようになるのも
鍛錬の大きな成果、と言えるのだ
俺の
支配領域は
まだ狭いと言わざるを得ない
だが、
だが、な
支配領域は
具体的な手法で
拡大できると
俺は確信している
…肉体的な支配は
精神的な支配と
同義だと感じるんだ
俺の鍛錬は
他とは随分、違う
古い、
古い昔に
《西洋式》と
《東洋式》に
大きく分かれ
分断されたもの
分断されてしまったものを、統一すること
これが俺の目標であり
到達点の一つなんだ
だから俺は
鍛錬場ではいつも
奇異の目で見られてきた
意味不明なことが多いんだろうな
そう見えるんだろうな
…奇異の目で見られる、こと
そのことには
慣れっこだったし
他の祈り女の視線や
他のオトコの戯言
インストラクター
つまり
導き手と言うヤツだが…
そんなもの、俺は
全く信じていないんだ
全く
全く、な
栄養
そう、
栄養だってそうだ
サプリメント
…つまり補助食品のことだが
これらは
動物由来のものを使い過ぎている
精製され過ぎている
安易に摂取され過ぎる
外側のカプセルも危険だ
中身も実は危険なもので溢れている
まあ、全てとは、言わない、が
それで
気づかぬ内
体臭が変わり
性格までも変化する
そのことに気づくのが遅すぎれば
物事は不可逆で進行し
じわじわ、と
じわじわ、と
自分を破壊することになるのに
自分の変化に、身体の変化に
体裁のいい理由を付して
見て見ぬ振りをして
蓋をするような真似をするのが
人の常だと
感じている
…俺はそんな
鍛錬の仕方
インストラクション
導きには
一切、
一切、
従わないし
価値がないと断ずるよ
…祈り女は言うだろう?
朝も
昼も
晩も言うんだ
もっと、
痩せたいと、
もっと、
スタイルアップしたい、と
その根底には
何が在る?
その根底には
何があるという?
只、良いオトコに
抱かれたいだけじゃないか?
そうだろ?
違うのか?
《死》から
一歩でも
ほんの少でも
遠ざかりたい
そんな欲望の現れだ
…否定は、しない
否定は、しないよう
心がけては、いるが
俺には
腐った饅頭の匂いが、するのさ
そんな祈り女という
訳のわからない、存在に
惑わされたく、ない
…そんなオンナが
テントに入ってくるんだ
夜な夜な、
忍び足で、
千鳥足で、
何に酔っているのか
ドーパミンなのか
支配するのではなく
支配されているのが
見え見え、だ
脳内物質に支配された愚者、
そんな足音が響くんだ
もっと、
もっと、
もっとと、
際限なく求める
腐乱死体よりももっと
腐った匂いを撒き散らしながら
…俺はそんなオンナを抱く
抱かざるを、得ない
《オトコとしての機能が不全である
などと、他に吹聴されたくなかった》
それが理由だ
そんな時間が無駄に思えた
俺には没頭するべきことがある
もっと
もっと
やりたいことがあるんだ
…腐乱した心との
睦み合い
これは拷問だ
これこそ、
この世で最も辛い
拷問の一種だ
…続きを
狩人、様
…嗚呼
何度でも言うが
祈り女
祈り女
彼女らはクズだ
はっきりと
言わせてもらう
…祈り?
ふざけるな
その祈りで
誰かの腹が膨れるのか?
…祈り?
ふざけるな
たわけが
隠れて、こそこそと
精製されて間もない
砂糖を口にしているんだろうが?
でなければ
そんな腹にはなるまいぞ
でなければ
そんな首周りにはなるまいぞ
有無
もっと具体的に言ってやろう
…祈り?
ふざけるな
気功の《き》の字の
一画目すら
理解できておらん癖に
…祈り?
ふざけるな
マインドセットの整理
変性意識への導入なども
全く理解ができておらん癖に
反吐が出そうだ
実際に反吐が出るぜ
…この際だ
才児よ
はっきりと
言っておく
俺が嫌いなものを
幾つかに分けて
…肥えたオンナは嫌いだ
はっきりと、言っておく
怠惰の象徴、だ
それを目にした時
御しがたい感情が現れる
《怒り》
それを通り越すと
《呆れ》
となる
…肉体の反応は
《失笑》
から始まり
《嘲笑》
嘲り、笑い
《無関心》
に変化する
…長老…
輪番…
確かに
そこには
殺意がある
明確な、
がっしりとした体格の、
わかりやすい殺意がある
…名医に見てもらったら
対面した瞬間に
《嗚呼、これは、殺意、ですね》
という解りやすいもの
それは在る
この胸の中に
…赤い翼を纏い
今まさに飛び立とうとする、
そんな確固たる
《殺意》がある
それが本題だ
その本題は
一旦
脇に置いておいて、だ
…続きを
狩人、様…
…祈り?
ふざけるな
ふざけるな、よ
一生懸命
何かに打ち込んでるオトコに
不躾な言葉を
投げ込んでくるな
大きな声で
俺は口にしておきたい
可能ならば
文字にしておきたい
…いいか、
才児よ、
ここまでの物語
それを総括して言うんじゃないが、な
何をしている?
みんな
みんな
みんなだ
鍛錬の話に戻るが
現状維持が鍛錬と言えるのか?
俺は気に入らん
もっと大きくなるのが
只、筋肉を大きくするのが
鍛錬と言えるのか?
そうじゃない
そうじゃないだろう?
もっと
もっと
人体は神秘に満ちているだろう?
もっと
もっと
深い部分を鍛えられるものだろう?
よく考えろ
よく
よく
よく考えろ
…適正に鍛えた身体は
美しいだろう?
適正に鍛えた精神は
揺るがないだろう?
適正かどうか
自分が間違っていないか
疑ってかかることも肝要
そして
何よりの道標、は
…こころ
こころ
こころの
ときめきと表現できるもの
又は
没頭
没頭
そう
時間の感覚がなくなり
周囲に起こっている何事も忘れ
只、その中に居る自分
…この2つの感覚を研ぎ澄ませば
そんなに難しいことではない
それに深く
深く思いを馳せるべき、だ
…俺は
俺のこころ、は
もっと言えば
魂、は
何を求め
何を喜びとするのだろう
…哲学問答なぞ
要らない
只
自分の本当の
こころ
こころを
成長させ
あるべき姿で
進むべき道を歩む
鍛錬を突き詰めれば
そんなところまで行き着く
誰でも、出来るんだ
その気にさえ、なれば
違うか?
…凄い
語り
です、な…
…ちなみに、な
《言葉》
言葉も、そうだ
もう少し
語るが
良いか?
…続けて、下さい
狩人、様…
…嗚呼
言葉
そう
言葉だよ
祈り女の言葉
これについても一言
言わせてもらいたい事がある
大雑把に、
一言で言えば
《言葉を、選べ》
ということだな
ここまでは
解りやすい
だろ?
…不無
不無
…このことを
世界線を越えて
もっと違う世界まで
届くように、言わせてもらいたい
可能で、あるならば…
…祈り女の言葉が
嫌いだ、
嫌い、なんだ
本当に、な
…輪番の彼女を嬲る
長老の言葉の方が
実はもっと
もっと
理知に富んでいたりもする
何せ、一心不乱じゃあないか
都度、都度
言葉を適正に選び
…全うとは言えんが、
…歪な欲望だ、
とは思うが
それでも
祈り女らの
言葉よりはマシに感じる
…彼女らは?
何でもっと
何でもっと
良い言葉を選べんのか?
《言霊》ってあるだろう?
そうじゃないのか?
祈りよりも先に
言葉を学ぶべきではないのか?
《人間として最低限
このような言葉は
使うまい》といった、な
…美しい言葉がそこにあり
美しい佇まいで
微笑んでいるのに
何故、もっと
お淑やかな言葉を使えんのか?
それが俺には理解できん
そして
同時に腹立ちも
深く、
深く、
深くなる
…続きを
…アタマが膿んでるんじゃないか、と
アタマが悪いんじゃないか、と
だから太っているんじゃないか、と
そう思うんだよ
《言葉を選べ》
そして
《集中しているオトコに
たやすく声など
掛けてくるな》
愚か者
…愚者
そう
愚者の集まり
愚者はいつまでも、
どれだけ集まっても愚者だ
だから
ヨガマットを持って
ヨガのインストラクションを受けて
尻を鍛えて
有酸素運動をやるんだ
そうだろう?
みんな
そうなんだよ
…ふざけるな
祈り女らよ
お前達は何もわかっていない
…続きを…
…1つ足しておくことがある
《オトコとオンナで
使用して良い言葉は、違う》
これについて
是非、考えて欲しい
俺ももう一度、
自分を見直すから
…オトコは、な
野獣のように自分を奮い立たせ
《やるかねえ
やるしか、ねえんだ!》
《そうだ
行こうぜ!
どうせ戻れねえんだ
だったら、行こう!
行くしかねえんだ、よっしゃ!》
そんな言葉が
相応しく
美しい
場合
が
あ
る
時と場合によって
しっかりと使い分けるべきだ
俺も、そう在りたい
いつまでも
…そう
それで
それで、な
俺は良く
声を掛けられもするんだ
鍛錬場で
朝の公園で
…いちいち
顔なんて覚えちゃあいない
面倒くさいから、な
面倒
面倒
面倒なんだよ
…話すのも
食事も
テントの中の
睦み合いも
何も、かも
それでヤツらは言うのさ
ヤツといっても
祈り女のことだが…
《楽して、痩せるには?》
《どうすれば、そのような身体に?》
《どうすれば、そのように柔らかく?》
…ふざけるな
ローマ
これは古代の帝国のことだ
お前なら知っているだろう、が…
ローマは一日にして成らず
千里の道も一歩から
そんな言葉もあるように
楽に歩める道など
そんなもの
そんなご都合主義の賜物は
この世の中には
ない、
ない、
ないね
《楽して》と
《楽しく》の文字が
似ているのが元凶かも知れん
…楽な成長など
この世には、ない
急速な成長を望むなら
死線をいかに抜けるか、だ
一度
たった一度のトレーニングも
そう
集中、する
集中、するんだよ
本当の意味でな
集中するといっても
お前達、祈り女の
アタマの中は
ピンクの煙でいっぱいだ
それでは到達できんよ
シータ波の領域には、な
…その脳みそで
俺に声をかけてくるのだろう?
一生懸命に、真剣に
答えてやろうか?
そしたら
お前も応えてくれるのか?
そんな訳
ないよな
《楽して》スタイルアップして
《楽して》アタマも良くなって
《楽して》蓄えることができた
楽して
死んでいければ満足だもの、な
…ふざけるな
《楽する》と《楽しむ》は全く違う生物
昆虫と狼ほど違う
その本質は?
前者は怠惰欲
後者は成長欲
全く違う
別種の生き物、だ
文字は似ているが、な
…葬式
そう
葬式の席でな
俺は最悪のものに遭遇したんだ
話しても
構わないか
才児よ?
…お続け
くだ、さい
狩人、様…
…葬式…
遺体を川に流し
その後に瞑想の時間がある
瞑想、
祈り、
その後に《寄り合い》
みたいなものが
あるだろう?
…俺は嫌いなんだ
儀式は良い
畏敬の念に触れる
というヤツだな
あれは
良いものだ
その《寄り合い》
っていうのか?
あの時間の中で、な
…他の旦那衆がいる中で
自分の旦那がいる前で
「好みの男性のタイプは云々」
「好みのグループは云々」
そんなことを
良く
話せるな?
おい
おい
おい
アホウドリ
脳の中に《長老の蟲》を
借り上げて入れてやろうか?
松果体に蟲が入り込めば、
そんな言葉は
出ないのか?
…もう
勘弁してくれ
汚い、
醜い、
醜悪だ
腐った卵より臭く
築50年の木造家屋の床下より
もっと、
もっと、
もっと醜悪な生き物が潜む湿地帯
…なあ?
群れの中で生きるには
そんな醜い動物に
成り下がらなくては
いかんのか?
…続きを
…嗚呼
《殺意》には3種類ある
…1つ
長老に向かうもの
これはわかりやすい
俺のもう一つの魂
彼女の心、身体を
汚すもの
これは万死に値する
…2つ
祈り女の存在
届かぬ祈り
瞑想のなんたるか知らず
好色で
醜悪で
怠惰で
無知な
祈り女への殺意
これまた、御しがたい
…3つ
全体へのもの
これには俺も含まれる
全体として
殺意を身にまとい
危機感を身近に置くべき、だ
そうでないと
生がぼやける
故にこの3つ目の殺意は
全員が持ち
共有するべきだと考える
つまり
もっと
もっと
より良く生きるために
過去の自分を
殺し、滅するのだ
…続き、を
狩人、様…
…チャクラ
車輪の存在
《この存在を信じないものも
俺は信じない
何故なら
そこに
あるからだ
俺は
俺は
ひどく現実主義なんで、な》
君は
大丈夫か?
尻尾が熱いか?
蟲は、暴れて、いないか?
出来るならば
今、直ぐ…
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