87 / 585
蟲責め
蟲責め 其の4
しおりを挟む一風変わった
話を付しておく
《段差》という話だ
私の家は
「郊外の住宅街」
という表現が
ピッタリとマッチする
そんな場所に建っている
県内でも有数の
名物公園が徒歩圏内にあり
トレーニング・ルームを備えた
体育館も直ぐ近く、だ
立地条件には
とても満足している
東西南北を
他の家に囲まれているものの
閑静であることは
間違いない
四季折々の昆虫が鳴くし
それぞれの季節に見合った花が咲く
…夏になると
決まって我が家に
蜂が巣を作る
そこが
課題といえば
課題なのだが
何故、
我が家が決まって
蜂の作業場に
選ばれるのだろうか?
不思議だ
誰か教えてくれないか
不思議だ
だが、悪い気はしない
蜂も好む立地条件
そんな家に住んでいることに
:::::::::::
近所には他の家があり
他の人が住んでいる
近所付き合いは
まぁまぁ、悪くない
といった程度に
但し
瞑想に耽るシーンは
誰にも見せないようにしなくては
奇妙な人間であることが
近所の噂になるのが嫌だから
故に
瞑想の場所は選ぶ
深夜と早朝が入り交じる
朝の公園か、
家か、
トレーニング・ルームのマットの上
それらが
私の修練場となる
ここからの
記載内容は
はっきりと
《どうでもいい》と
言えるもので在る故
もし読まれるのであれば
頼むから
飛ばして読んで頂きたい
666人が読んだ場合
もれなく
666人が
…確かに、どうでもいい
と応える内容であるし
同調されても
困ってしまう
そんな話だ
…私は奇妙な癖がある
性癖も確かに歪ではあるが
性癖、
瞑想、
ヨーガ、
仙道、
それら以上に
理解しがたい
趣味が、在る
《段差好き》
そう
私は大の
段差好き
趣味趣向は様々
人の好きなものは様々でいい
《不幸の形は皆さん一緒
幸福の形は人それぞれ》
これが私の信条だ、が
ここまで変わった趣味というのも
珍しいのではないだろうか?
変なオトコの
変な趣味
……
常識はわきまえているつもりだ
目上の人は
敬うのが当然だと思うし
世界の状勢から
我が街の出来事まで
基本的なところは
解っている常識人でもある、が
…正月だからと餅を食べたり
五月だからと五月病になったり
そんなことはしない
…何故、正月に餅を食うのか?
…決死の覚悟で餅を食う
そこが俺には
理解が出来ぬ
…五月病…
《五月病
栄養管理で
何とでも》
リズム感のみで詠んでみる
話は戻って
大の段差好き人間は
駐車場の「車停め」を見ると
どうもその
座り心地を確認したくなる
「不無…
これは、座り心地がよさそうだ
どれどれ…」
といった具合に
良い段差には条件がある
…高過ぎず、
低過ぎず、
高温過ぎず、
低温過ぎず、
これが最低条件
…日の入りの時間や
日の出の時間に太陽が見える
そんな段差なら
文句なし
最高、だ
…その癖は
ホームセンターに
行った時にも
顕著に現れる
ブロック塀の欠片?
のようなものが
売っていたりするから、だ
「嗚呼、そのブロック
座り心地はどうなんだろうか…」
「嗚呼、この椅子
固そうだ、いいなあ…」
そんなことを考える
変なオトコだ
なお、
実際に幾つかの
コンクリート・ブロックを購入し
座るためだけの用途で
職場に持っていったりもしている
座り心地は硬い方が好み
アーサナをする時は別だ
ある程度
柔らかめのマットを
敷いた方がいい
根幹の作業
瞑想…の場合は
というと
変わってくる
只、座り
瞑想に耽るだけなら
硬い
硬い
地面の方がいい
色々な段差に
座ってみたくなる
俺は…
「待つ」ことが得意だ
何故って
その変の段差で
上手くバレずに
瞑想していれば
時間は直ぐに過ぎるから
《段差好き》という話だ
続編も何もない
只、コンクリートの波動は低いな
それぞれの鉱物は
特有の波動を持っている
周波数と言ってもいい
それが理解できうる者も
そう多くはないのだろうな
多分
::::::::::::::
君はたくさんの夢を見る
蟲が
空腹の蟲が
松果体を刺激しているからだ
夢は見るものなのか
見させられるものなのか
そんな議論が
頭の中で
展開するが
一つの結論を
ここに付しておこう
…夢
これは理解不能な現象
人間の力の及ぶところではない
これが結論だ
夢はそういう
性質を持っている
何故なら
《そういう、ものだから》
君は夢を見る
::::::::::::::
…踊り
…音…
…祭り?
…違うわね
これは…
…劇場
そう
劇場の一幕
観衆がやってくる
チケットは完売とのことで
入場作業に多くの
人足が割かれる
今夜は
世界一の美女が
プリンシパルを務める
バレエ団の公演の一つ
プリンシパルの名前は
公開されておらず
劇団名だけが、
広告に名前を付されている
とても
とても
賑やかな街は湧いていた
あのNYCBを凌ぐ
バレエ団がやってくる、と
舞姫は一体
誰なのか
過去にその公演を見た
在るオトコは言う
…あれは
見るべきものじゃない
半端な覚悟で見に行けば
やられて帰ることになる
…そう
…私も、そう
その後遺症に
今もなお、苦しんでいるのだから
…だから
辞めておけ
…あのバレエ団を
見に行くのは
辞めておけ
そのインタビューが
放映されるや否や
チケットはさらに高騰した
怖いもの見たさが
先に立つ
それが人の性というもの
見るなと言われれば
見たくなる
するなと言われれば
経験したくなる
宣伝文句としては
上等だ
そのバレエ団とて
収入を安定させ
支出を細かく管理し
継続して団を維持していくためには
何かと苦労
しているはず、だ
チケットは
完売
にも関わらず
空席が目立つのは
何故か?
ここ一番で
勇気を無くしてしまった
キャンセルの大量発生だ
キャンセルチケットは
さらに高額で売られることとなる
劇場の周囲は人だかり
キャンセルチケットを購入する
長蛇の列ができる始末
…不無
成程
これがこの
バレエ団の手口なのか
と
1組のカップルが
談笑している
…だとしたら
小狡いものね
悪どい、
狡猾とも言えるわ
…だな
…なおさら
見たくなったわ
舞姫の踊りを
この目で
彼等は2枚のチケットとともに
劇場へ足を踏み入れる
空気が変わり
ひんやりとしてきたことに
誰かが気づいて
「空調をもっと効かせろ」
と騒いでいた
夏なのに
暖房が入れられていることに
誰もその時は気づいていない
:::::::::::::
…どうだ、心地は?
…おかしく
なって…おります
とう、に…
…何処が、おかしいと?
…ぜん、しんです…
嗚呼…
…特に、何処が?
…おむ、ね…と
おしり、と…
…後は?
…しっぽと、
おみみ、が…
…どう、されたい?
…嗚呼
恥ずか、しい
…言え、どうされたい?
…いっそ…
…いっそ?
…いっそ、
楽に、して、くださ、い
宇、宇…
…具体的には?
どうして、欲しい?
…おむねを
もっと…
つよ、く
…こうか?
こうだな?
…!
…!
…鳴け、
もっと鳴け、
そう
そう
そうだ
きつく上下に
引き上げ
引き下げ
こうか?
これか?
この刺激か?
お前が求めるのは?
だが
逝かせんぞ
程よい加減で
済ませてやる
…嗚呼
おね、がい…
…さて、次は?
どうされたい?
…蟲さんを
除いて
下さい、まし…
…駄目だ
……っ!
…お前は
まだ
まだ
躾けが
なって
おらん
…そん、な
蟲さん
嗚呼、
駄目、
おね、がい
刺激を
流さない、で…
…どんな気分だね?
…は…い
異形のものに囲まれ
囚われた、小動物の
よう、な
嗚呼
そんな
きぶん、で、す
嫌
止め、て
…この私にも
止めることはできんよ
蟲は生きている
…そ
ん
な…
…随分とお気に召したようだな
《蟲責め》が
気分を、もう一度
表現するなら?
…巨人達に囲まれ
一切の身動きを封じられた
古代の、弱小国家…
…なかなか
切れる表現ではないか
他には?
…奴隷…
…どんな、奴隷だ
具体的に?
…は、…い
何もしていないにも関わらず
魔女扱いされたことにより
性的な
ごう、もんを
受けさせられる
哀れな、娘…
…その娘は、どうなるのだ?
最終的には?
…△の物体の上
揺らされ
揺らされ
おもりを、吊るされ
果てど許されず
叫べど許されず
なおも続き
今も
現在も
その、中に在り、ます…
…救いは?
…あり、ません…
嗚呼
その娘は
悟るのです
その、中で…
…何を、悟る
…涅槃は
脳の中に
ある、と…
…今の
お前は?
…涅槃とは
正反対の
位置取りで、御座いま、す
嗚呼
おねが、い
耳も…
うず、うずと…
何とか、
して、
ください
…表現不足
今の気持ちを
詩にしてもらおう
何も考えず
即興で、だ
…は…い
…早く
《そこかしこ
嬲る獣と
このわたし
今夜みる夢
余韻、久しく》
…もう、一句
なかなか
良いではないか
…
…早く
《ねこのみみ
これはわたしの
ものじゃない
なのになんでか
うずくもの也》
…良い
良い
良いぞ
耳は上等文句で
まとまった
ご褒美を
取らせたいところだが
…
尻尾で
もう一句
…もう…
御勘弁…
くだ、さい
…駄目、だ
早く
《アタマ蟲、
仮の尻尾に、
爪宿す
彼の手の中、
乙女悲しや》
…良しとしてやろう
ご褒美だ
そのままにしておれ
耳を噛んでやる
軽く、な
本物の耳と
猫耳と
どっちが良いか
感想を述べるのだぞ
…嗚呼!
駄目っ
…
…
…
葉!
…
…
宇!
…
…
嗚呼
…
…よさそうだ
とても、よさそうだ
どちらがいい
人間の耳を舐められ
甘噛みされるのと
はたまた
猫耳の方を
同じく
カプリと
されるのとでは?
…ね、
こ、
で、
す…
…もう一度
どちらが、良い?
…ねこみみ、の
ほうが…
…気持ちいい?か?
…は、い
…どんな感じがするのだ
教えて
くれまいか?
…直撃…
…直撃?
…は、い
快感の中枢が
御座いまして
その中央に蟲さんが
座しております
結跏趺坐を組んで
雄々しく
それの手先として
腹心として
ねこ、みみさんが
派遣されたの
では、ないかと…
…良い表現だ、な
では、今の気持ちは
一句読んで
くれまいか?
…は…い
嗚呼…
《かみかみと
あまく噛まれる
夢心地
だけど憎しや
果ては見えずと》
…良いぞ
良い
良い
お前は、良い
この腰つき
顔から
首すじ
胸鎖乳突筋から
脊柱起立筋の
美しさ
だけでは
ないのかも知れん
な
……
…どんな気分だね
耳を噛まれて?
表現、豊かに
な
…は、い
盗賊団に攫われ
4方を弓兵で囲まれ
選択を迫られ、ます
どちらかを選べ、と
…選択?
…は…い
18人の全てを
満足させるまで
その肉体を捧げるか
大きな弓
伝説の弓
「あめのははや」で貫かれるか
だが
覚悟せよ、と
その弓で貫かれたなら
肉体よりも先に
魂が砕け散る、と
無碍な選択を
させられるの、です…
嗚呼…
…その娘は?
どちらを選んだ?
…は、…い
彼女は
前者を
18人の殿方を
満足させる道を選びました
それは
賢明な選択だったと
思います、が
何とも
何とも
難儀した、ようです
…18人を満足
させきれなかった?
…は、い
オトコの方々の
性欲は旺盛で御座いまして…
一人と睦み会えば
他の方々は直ぐに
蓄えることができるようです
ですので
何人かを
同時にお相手差し上げる
必要が出てきます
自分に休息時間が
ないのですから…
…具体的には?
どのように
したのだ?
…は…い
嗚呼
恥ずかしい…
…何故、お前が
恥ずかしい?
架空の話では
ないのか、ね?
…もう…
どちらがマコトか
わからなく…
宇、宇
耳は
止めて
くだ、さい…
嗚呼
おね、がい…
…続けろ
…は…い
みみを
かまない、で
くだ、さいね…
その娘は生娘で
その行為の中で
処女を失いました
とても
とても
可哀想…
なれど
魂を先に防御したことから
誇り高く、
精錬な
彼女の生き方が顧みれます
が
現実の18人を相手にするのに
彼女は難儀
した、の、で、す
みみが
おね、がい
嗚呼…
…具体的には?
続きを聴かせろ
楽しく
なって
きたぞ
…は…い
もっと、やさ、しく…
おねがい、しま、す…
その娘は
むしろ
使えるものは全部
使ってください
構いません、と
3日目に言いました
具体的には
ええと…
ええと…
恥ず、かしい
…
おしり、と
まえ、と
おくち、と
両手
これで
5人を
何とか
できるのでは
と
考えたの
です…
…同時に?
5人を?
…は…い
しかし
5人では足りず
追いつかず
時間だけが
過ぎていくのです
しかも
その殿方達といったら
見事に
旺盛な方々で
御座いまして
時間の経過とともに
性欲は更に強くなり
大きさも
硬さも
増すのです
嗚呼
恥ず、かしい
何故か?
と申しますと
その娘に
根本原因があったとのことです
彼女は…
時間の経過とともに
もっと
美しく
妖艶に
艷やかに
巧みに
なって
いったのです
なので
殿方の興奮止まず
より一層
責めは苛烈に…
…彼女は何日間
そうしていたのだ?
…は…い
2ヶ月の間
60日の間
入れ替わり
立ち代わり
…
嗚呼
可哀想…
…有無
楽しめたぞ
《輪番の巫女殿
過去への旅路》
といったところ
さて、
どれだけ
お前が
濡れているのか
自分で、
確認、しなさい
……?
…自分で
自分を
確認しなさい
どれだけ
濡れているかを
…嫌
恥ず、かしい…
で、す…
…手錠を片方
外してやるから
ほれ
自分で
触って
確認しろ
…嗚呼…
…手を下に
へそを通過して
そう
ゆっくりと
でいい
着衣の上では
なく
中を
直接だ
そう
そう
そうだ
確認、できたか?
…は、い
…手を戻せ
…は…い
《ガチャリ》
…どうだった?
…とても
ぬれて、おり、ました…
嗚呼…
恥ずか、しい…
…だろうな
シーツを代えなければ、な
この部屋全体が
湿度の高い
湿地帯のような
有様になっておるよ
…
…今の、気持ちは?
…じっけん…
…実験?
…は、…い
実験、動物…のような
気持ちに
なって…
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる