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蟲責め
這い回る蟲
しおりを挟む交渉は失敗に終わった
隣村の長は
《薬草学》を手に入れられず
コミュニティは
《自発動》を失った
互いの長が
威信を賭けて臨んだ
交渉ではあったが
結果は…
無為なものだった
2日間と半日
君は隣村の長と
過ごし
その叡智に
感銘を受け
暖かい2晩を過ごした
そういえば
輪番で疲弊した身体も
随分と癒えている
ような、
気がしていた、
のに、
…夜は来る
……………
《懲罰房》
か細く
可憐なオンナには似合わない
鉄で出来た部屋がある
彼女は
ベッドの上に放り投げられ
四肢を拘束される
権威、権力を主張する
鉄の音が鳴り響く
その回数は5回だった
右手首
左手首
右足
左足
手枷、足枷が装着される
慣れた手つきだ
「ガチャリ」
首には首輪が
「…最近は
猫化が進んでいるようだからな
それらしく
首輪をつけてやろう」
「ガチャリ」
…
…嗚呼
…………
…わたし、
どうされる、の?
おねが、い
いたいこと、しないで…
…不、不、
交渉など
どうでも良かったと言ったら
お前は信じるかな?
全ては私の掌の上
…菩提樹での悟りなど
手に入れられぬよう
お前の力、
この手で削ぎ落としてやる
「…惨めな姿だな」
「…嗚呼
嫌…
はず、かしい」
「2日振りか、
お前の身体に
お仕置き、
するのも」
「…い、や…」
祈り女は
四肢を拘束され、
首輪で繋がれ、
キャミソールを破り捨てられ、
上半身は一糸纏わず
最後の着衣、のみの姿
強引に引き剥かれ
美しく
伸びやかな
素肌を
存分に晒している
「躾けだ
躾けが
なって、
おらん、
お仕置き、だ」
…?
なに
これ、
一体…??
長老は小瓶から
何かを慎重に取り出した
ビク、ビク
目を凝らさなければ
見えないような
小さな、小さな生物が
そこに居る
嫌な予感がする、
嫌な予感しかしない
ベッドに拘束された
祈り女は、
両耳に、
その蛔虫をあてがわれる
「!…!」
「…動くな」
「…なんで、す
こ、れ…
お願い!やめ、て…」
「おとなしく
しておれ…
動くな、よ」
それは
ビクン
ビクンと数回、跳ねたのち
長老の手を離れ
安定した場所を求め
這い回る
「…嗚呼!
お願い!
止め、て……」
元々、
湿度の高い場所にしか
生息しない生物なのだろう
耳元に置かれた蟲は
這い周り、
耳たぶを経由し、
産毛を攫い、
両耳内への
侵入を果たす
「……!!!」
君は必死に
首を振る、
蛔虫を振りほどこうとして
極小サイズの蛔虫も
必死なのだろう、
外耳から中耳の
中間あたりにへばりつき
そこから落ちることはない
彼等は
さらに内耳へ
鼓膜へと
歩を進める
「嗚呼!
嗚呼!
駄目!
おね、が、い…」
耳の中で
変な音がする
耳の奥で
ぬめぬめが触れてくる
…恐怖が…
夏の熱さよりも熱く
全身を灼いてくる
「胸が…
お留守だな!」
ピン! ピン!
胸の両突起に
件のクリップを
装着される
「嗚!呼!」
振動するクリップは
「強」に設定されているようで
かつてない震度で
突起に刺激を与えてくる
「嗚!呼!
駄目!
おね、がい…」
しかし
今は
それどころではない
蛔虫は奥へ
奥へと入り込む
鼓膜には隙間があるのだろうか
もっと奥、
もっと奥へと、
入ってくる
感覚がある
「…コヤツラは
腹を空かしているぞ?」
長老の言葉が
さらなる恐怖を誘う
消気してしまえばいい、
呼吸を限界まで止めて、
呼吸を限界まで吸って、
継ぎ足し呼吸をして、
あえて
失神してしまえばいい
教えたはずだ、
その呼吸法を
しかし、
今はそれどころでは
ないのだな
「…嗚呼!
たす、けて…
おね、がい…」
…脳の中?
にも快楽の中枢があるようだ
彼等はそこを目指している
何せ長老の子飼いの犬
ならぬ
子飼いのミミズ達
禄なことには
使われまい
「バグ
というのを
知っているかな
その虫たちは
お前の脳に
バグを発生させる」
「……駄目!
おかし、く…なる…
嫌……」
…脳の中に
電気の卵がある
割れちゃ駄目、
割っちゃ駄目、
…右脳と左脳が
繋がって溶けてしまう
感じがする
…身体の感覚が
鋭敏に…なる
…両突起が
痛いほどに…
…嗚呼…
駄目…
溢れ出てしまう、
シーツを、
代えなくちゃ
耳の中、
脳の中、
快楽物質を強制的に
開放させてやる
苦、苦
耐えられるか、な?
…たすけ、て
だれ、か
過去に実施されたことのある
実際の手口だ
交渉は失敗だった
おそらく
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