《瞑想小説 狩人》

瞑想

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交渉

Not To Do

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よく働き、
よく動き、
よく寝る、
シンプルに暮らしたい

世は黄金週間の真っ只中、
最大で10連休だという

夢のような世界だな

堕落するにも十分な時間だし、
向上するにも十分な時間だと思う
人は習慣で出来ている
筆者も漏れなく、だ

どんな時にも
最低ラインを下回らぬよう
心がけ、
暮らしたい
…可能な限り

《To Doをよりシンプルに》
《Not To Doをより緻密に》
そんな事を書きたくなった

Not To Do…
オトナの発想だ

「○○をする」ではなく、
「○○をしない」ことを大事にする

…この発想は、
 この視座は、
 世界観を変える

 一日の満足度を
 底なしに上げてくれる

 学んだ本は…
 何だったかな

 忘れてしまった

 執筆に向かう場合においても
 何を書くか
 よりも
 何を書かないか
 の方が
 重要だったりするんだろう

 駆け出しの私には
 まだまだ、理解が追いつかぬ

 ヨーガの八支則
 《ヤマ》
 についても触れておく
 関連が深いと判断したので

アヒムサ《非暴力》
…暴力に訴えず、
 自分も他人も傷つけない
 肉体的にはもちろん
 精神的にも

サティア《正直》
…正直に、嘘はいけない、
 特に自分の心に対して
 深く、深く観察する

アステーヤ《不盗》
…盗まない

ブラフマ・チャリア《禁欲》
…極端な欲は
 エネルギーロスになる
 こだわりすぎない
 適正な欲を持つこと

アパリグラハ《不貪》
…貪らず、これで良しとする
 足るを知る
 ということだな

 To Doよりも
 Not To Doを意識し
 暮らしたい
 …可能な限り

 オトナのオトコとして

……………………

「…疲れては
 いないか?」

「…いいえ…
 もう少し、
 聞かせて…」

「不無、
 安心しなさい
 頭のスイッチを閉じて、
 身体はリラックスを」

「は…い」

ベッドの中
2人は会話で睦み合う

会話といっても
1人が話し
1人は聞いているだけ

ベッドの中で
オトコとオンナが2人きり
なのに
《肉体的な交渉》は実施されず
交わされるのは言葉のみ

この世界線では
異様な光景だと言える

君は、彼の言うとおり

頭のスイッチ、
電灯のようなものを
「かちり」
と落とし
身体はゆったりと
力を抜くように心がける

せっかくの夜だ、
この知恵のある
老人の話に没頭していたい

余計な力を抜いて、
先ずはリラックス…

「…聞いても…
 いいですか?」

「…嗚呼
 何なりと
 美しいお嬢さん」

「…あな、たに
 奥様は…?」

「…
 …
 《居た》が、
 正しい答えかな?
 …
 …病でな…」

「…!」

「……」

「…しつ、れい
 …いたし…ました…」

「…良い、良い
 何年前になるのか、
 …流行り病で、去っていったよ
 …割と、あっけなく」

「…」

「…
 あの娘は
 良く尽くしてくれた
 …
 こんな、私に
 …
 よくついて
 来たと、思う
 何年も
 何十年も、か
 …
 そう、それがきっかけで、な」

「…」

「…薬草学を学びたいと
 思ったわけだよ
 そこには
 万病に効く
 草花の調合が、
 煎じて飲む
 茶の効能の全てが、
 書かれているらしい」

「…」

「そこいらに生えている
 一本の草花を使って
 ふさぎ込む人間に
 活力を与える
 そんなことも出来るという
 …
 私にとっては…
 最も価値の有る
 情報だ」

「じょう、ほう…」

「…そう、
 情報は貴重だ
 何よりも貴重だ
 過去
 一冊の書物を賭けて
 2つの大国が争ったこともある」

「…」
 
「…3割の者が死に、
 6割の者が感染症に侵されても
 その争いは収まらなかった
 …その情報とは
 一体、何だったのかな?」

「…」

「書物、情報…
 これらは
 本当に力があるものなのだよ
 おそらく、
 君が思っている以上に、な」

「……」

「…もう少し、
 話してあげよう
 …楽しめる、話を、な
 今度は、どんな話が
 いいかな?」

もぞ、
もぞ、
わく、
わく、

君は見えない尻尾を振り
老人の次の言葉を待つ

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