《瞑想小説 狩人》

瞑想

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《才児》《クリップ責め》《蝋燭責め》

交差する一瞬

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「彼は…」

「…」

「すごく格好よかった
 シンプルよね
 すごく、
 格好よかったの、
 100点のオトコがいるとしたら
 きっと彼のことなんだと
 思うわ」

「…それ、で?」

「私は、
 声をかけたの
 ルールとは違うわよね
 でも、瞬間に思ってしまったのよ
 嗚呼、彼に抱かれたい
 そのたくましいカラダで、腕で
 私を滅茶苦茶にして欲しい
 って」

「……」

「緊張…していたんだと
 思う…
 今、思い返すとね
 …
 今でもはっきり
 覚えてる、わ
 …
 私、
 震えた声で、
 勇気を出して、
 …
 《こんばんは》って
 そしたら、ね
 …
 彼は答えたわ」

胸が高鳴る
あの人の声が聞ける
そんな、気がする

「《間違うな、今は早朝だ》って、
 わかる?
 わたしには、今もわからない
 強く、はっきりとした
 口調だったわ
 格好よかった」

早く
早く
続きを
聞かせてほしい

「…続けるわね
 …
 …
 
《…間違うな、今は早朝だ
 お前には深夜であっても
 …
 闇はその時
 その意識で
 性質を変えるもの
 夜と思えば怠惰に至り
 朝と思えば希望に満ちる》

 …
 確か
 こんなことを
 言った
 …
 私、もう
 たまらなくなったわ
 …
 早く、
 早く、
 彼に抱かれたい
 そう思った」

続きを
おね、がい
はや、く

「でもね」
 
「…」

「その後の台詞が
 私を砕いたの
 《…お前は邪魔だ、去れ!》」

狩人、様… 

「こんなことって、
 ないじゃない
 こんなの、
 おかしいと思わない?
 でも、それから何日も
 彼のことが
 忘れられなかったわ
 …
 もしかして
 今も、そうかもしれない」

君は
微笑んだ

微笑んだのは
いつぶりか

甲月の間
疲弊しきったカラダに

決定的に欠けたものが
満たされていく

そんな気がして
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