《瞑想小説 狩人》

瞑想

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言葉責めの夜

言葉責め 其の2

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…私は言葉が好きだ
 他の誰よりも
 良い言葉に恵まれ
 愛され
 囲まれ
 暮らすことができれば十分だ
 それが私を
 幸せにしてくれる
 セロトニンも
 オキシトシンも
 ドーパミンも
 全部頂戴できるのだ

………

…故に
 言葉をもっと強く
 言葉をもっと巧みに
 操りたいと願う
 切に、
 切にだ
 学び、
 実践し、
 習慣にする
 キーストーンハビットと
 言う概念だ
 わかるか?

…いい、え

…言葉は面白い
 気分を変え、
 状況を変え、
 雰囲気を一変させる力を持つ
 私は言葉で祈り女を導く
 そんな仕事にやりがいを感じ
 天職
 そう、天職だと感じてもいる
 これは本当に幸せなこと
 没頭し、
 フローに入る

………

…言葉を究めんと欲すれば、
 欲し続ければ
 課外に仕事がやってくる
 向こうからやってくるのだ
 言葉に関わる仕事、全般が
 私を誘いにやってくる

………

…裁判に関わることも
 多く担当してきた
 何故か?
 言葉の真偽を
 直感で理解することができるから
 だ
 よって私に、嘘は通じない
 ここまで
 理解できたか?

…はい…
 なん、とか

…今宵は言葉と戯れよう
 目はじきに慣れる
 暗順応というヤツだ
 目の構造は
 肉体学なる
 幻の書籍が
 教えてくれたよ

………

…時に、祈り女よ

…はい

…お前は今の暮らしに
 何を感じる?
 楽しいことは
 あるか?

…楽しい、こと、
 ですか?

…そう、楽しい、ことだ

…先ず、朝、
 目を覚ませることが
 こうやって、呼吸できることも

…別の角度からの答えだな
 そうか、そのように感じ
 暮らしているわけだ
 危険なオンナだ
 長老のおっしゃるとおり
 違う
 私が言っているのは
 「心躍ること」だよ

…心、踊ること

…そう、心がワクワクし
 ドキドキし
 動かなくても、な
 勝手に心臓が鼓動を早め
 身体が勝手に震えるような
 そんな瞬間の
 ことだ

…今、思いつきましたのは
 学び舎で子どもたちに
 薬草学を教えている、とき
 で、ございます
 教える、というのもおこがましい
 一緒に、遊んでいるだけですが

…成程、他には

…祈りの時間も
 好きです
 目を閉じて
 何も考えない
 すると
 紫の光に包まれます

《…これだから、お前は危険なのだ》
長老は危うく
言葉を発するところだったが
寸前で自重した

…そうか、そうか
 ところでだ
 男性のことを
 考えたり
 見たり
 聞いたりして
 同じ様に胸が高鳴ったり
 ときめいたり 
 そんな
 ことは?

…答えなくては
 なり
 ません、か?

…無論、
 《お前は今晩
  俺のもの
  全てに応える
  義務がある》
 答えな、さい

…思い
 返しましても…
 男性のことは…
 よく
 わかりま、せん

…小柄、どうだ?
…反応なし、マコトだ

…とは言っても
 好き、嫌いは
 あるだろう?

…それは…
 あり、ます

…聞いておこう
 どんなオトコが
 お好みかな

…恥ずかしい、です
 答えなくては
 なり、ませんか…?

…何度も
 言わせるな

…私は
 強くて、
 優しい、
 男性が好きです
 強さと優しさは一緒、
 同居するものだ、と
 感じます故

…他には?
 背格好はどうだ?

…ええと
 あまり…
 考えたことが…
 ありません
 が
 少し高い
 か
 高い
 の
 どちらかと申せましょうか

…身体つきは?
 どのような?
 細身、がっしり
 筋肉質
 様々あろうが

…カラダ…
 カラダ…
 しっかりと筋肉がついていて
 柔らかい身体が好み
 と
 言えます
 只、
 只、
 自然な、
 とても自然な筋肉で
 なくてはならない、とも

…自然な
 カラダとな?

…時に…
 感じることがあるのです
 少し…長く…
 なるかもしれません
 宜しいですか?

捕まえた
捕まえたぞ
月光の巫女よ
今、
ここ
この瞬間に没頭しろ

…良い、良い
 夜は長い
 自然な、カラダとは?

今は筆先ではない
転記作業
2年前の自分の書を書き写す
そのことに集中し
没頭していればいい
  
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