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言葉責めの夜
言葉責め
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「…待たせたな
調子は、
カラダの調子は、どうかな?」
ドアが再び開くと
1人の老人が入ってくる
彼は評議長のローブをまとい
幾つかの洒落たネックレスを
つけていた
「…昨夜の、
余韻、が…
ござい、ます」
「…」
長老は喋らず
部屋の北東角にある椅子に
腰を下ろす
君の椅子とは何とも違う
柔らかく、温かい心地の椅子
君の座した
鉄製のものは冷たすぎる
「…紹介しておこう
彼等について」
長老は髭を軽く整えながら
4秒かけて吐き
4秒止め
4秒で吸った
「…1人は、大柄
体躯たくましく
過去、力勝負での敗北は
只の一度しかない
また
彼はチャクラのコントロールが
達者なうえ
射精までも自在にコントロールできる
…気をつけるがいい
彼の力にかかっては
お前の腕など
一握り
チャクラはルート
色は赤」
大柄が足を揃え
ペコリと
お辞儀する
礼儀正しい
ヤツだ
「…1人は小柄
頭冴え
小回りが利くうえ
即興で作り
即興で遊ぶ
永久機関を顕在化したのも
彼だ
お前が存分に味わった
狂った球体の作者でもあるぞ
…過去に理知の勝負で
敗北したのは
只の一回
気をつけるがいい
彼は1の力を66にし
お前の隅々を
攻撃するかも
しれん
チャクラは藍色
知性のサードアイ」
小柄も喋らず
指先で蛇を造って
ご挨拶
「…最後に中柄
お前の今夜のお相手だ
チャクラは薄い青
表現
言葉
コトノハの支配者
彼と口喧嘩をし
勝ったのは唯一、1人
…気をつけるがいい
言葉巧みなこのオトコ、
嘘を見破る力持ち、
そのコトノハに、
虚実を混ぜるな」
長老は喋り終えると
さらに4秒の呼吸を続け
舞台は中柄のものとなる
中肉中背のオトコは
理知的な顔だちをしており
左頬に☓印のような
傷を抱えていた
何かのマークのようにも
見える
狩場の傷にしては
整い過ぎているのが
不自然
だ
彼は
2メートルの距離をとり
面接官のように
君の眼前に座る
同じ
鉄製の椅子
大柄は長老と対角線に座り
燭台の火を一つ消す
小柄が用途不明な
サッカーボール大の
球体を取り出し
部屋の中央に吊るしたとき
開始の準備が整った
「…先の発言
《昨日の余韻が…》
ここは、良かった」
中柄が言う
「…ここからは
この私が
お相手奉る
長老様
アトは私に
お任せで
よろしいですかな
…かの娘
輪番の巫女
彼女は
今晩
私の
もの」
長老が頷く
……………
…立ち上がりなさい
…は、い
…お辞儀を
…は、い…
…先ずはご安心されよ
輪番の巫女よ
月光の巫女よ
我々はコミュニティのオトコでありながら
長老の側近
最も近くで暗躍するもの
全てとは言わないが
9割のものを知ることを
許された
そんな我々が口を漏らし
滑らし
今夜のことを
他言することは
ない
絶対、に、だ
…は、い
…我々は
知っている
君のことを
輪番のことを
成程
聞いていたとおり
美とはこのようなものなのだな
君は
今、
得体の知れないオトコ
つまり対面している私に
怖れを、
感じている
……
…違うか
…は、い
…良い答えだ
今夜の問答が
美しく
長く
永いものになるよう
私は願うよ
切に
切にな
中柄が目配せをすると
大柄は
最後のロウソクを吹き消した
部屋は真の暗闇となり
その目が慣れるまで
少し時間が必要だ
調子は、
カラダの調子は、どうかな?」
ドアが再び開くと
1人の老人が入ってくる
彼は評議長のローブをまとい
幾つかの洒落たネックレスを
つけていた
「…昨夜の、
余韻、が…
ござい、ます」
「…」
長老は喋らず
部屋の北東角にある椅子に
腰を下ろす
君の椅子とは何とも違う
柔らかく、温かい心地の椅子
君の座した
鉄製のものは冷たすぎる
「…紹介しておこう
彼等について」
長老は髭を軽く整えながら
4秒かけて吐き
4秒止め
4秒で吸った
「…1人は、大柄
体躯たくましく
過去、力勝負での敗北は
只の一度しかない
また
彼はチャクラのコントロールが
達者なうえ
射精までも自在にコントロールできる
…気をつけるがいい
彼の力にかかっては
お前の腕など
一握り
チャクラはルート
色は赤」
大柄が足を揃え
ペコリと
お辞儀する
礼儀正しい
ヤツだ
「…1人は小柄
頭冴え
小回りが利くうえ
即興で作り
即興で遊ぶ
永久機関を顕在化したのも
彼だ
お前が存分に味わった
狂った球体の作者でもあるぞ
…過去に理知の勝負で
敗北したのは
只の一回
気をつけるがいい
彼は1の力を66にし
お前の隅々を
攻撃するかも
しれん
チャクラは藍色
知性のサードアイ」
小柄も喋らず
指先で蛇を造って
ご挨拶
「…最後に中柄
お前の今夜のお相手だ
チャクラは薄い青
表現
言葉
コトノハの支配者
彼と口喧嘩をし
勝ったのは唯一、1人
…気をつけるがいい
言葉巧みなこのオトコ、
嘘を見破る力持ち、
そのコトノハに、
虚実を混ぜるな」
長老は喋り終えると
さらに4秒の呼吸を続け
舞台は中柄のものとなる
中肉中背のオトコは
理知的な顔だちをしており
左頬に☓印のような
傷を抱えていた
何かのマークのようにも
見える
狩場の傷にしては
整い過ぎているのが
不自然
だ
彼は
2メートルの距離をとり
面接官のように
君の眼前に座る
同じ
鉄製の椅子
大柄は長老と対角線に座り
燭台の火を一つ消す
小柄が用途不明な
サッカーボール大の
球体を取り出し
部屋の中央に吊るしたとき
開始の準備が整った
「…先の発言
《昨日の余韻が…》
ここは、良かった」
中柄が言う
「…ここからは
この私が
お相手奉る
長老様
アトは私に
お任せで
よろしいですかな
…かの娘
輪番の巫女
彼女は
今晩
私の
もの」
長老が頷く
……………
…立ち上がりなさい
…は、い
…お辞儀を
…は、い…
…先ずはご安心されよ
輪番の巫女よ
月光の巫女よ
我々はコミュニティのオトコでありながら
長老の側近
最も近くで暗躍するもの
全てとは言わないが
9割のものを知ることを
許された
そんな我々が口を漏らし
滑らし
今夜のことを
他言することは
ない
絶対、に、だ
…は、い
…我々は
知っている
君のことを
輪番のことを
成程
聞いていたとおり
美とはこのようなものなのだな
君は
今、
得体の知れないオトコ
つまり対面している私に
怖れを、
感じている
……
…違うか
…は、い
…良い答えだ
今夜の問答が
美しく
長く
永いものになるよう
私は願うよ
切に
切にな
中柄が目配せをすると
大柄は
最後のロウソクを吹き消した
部屋は真の暗闇となり
その目が慣れるまで
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