《瞑想小説 狩人》

瞑想

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後ろ蕾

狂った球体

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長老は君がお気に召したようだ
過去の言葉で言えば
「ご寵愛」という
表現が何ともしっくりくる

ご寵愛が過ぎる故
身体を
精神を
安定させ保つための
回復
これには従者達が気を配った

三連符は暗躍する

特に小柄の手腕は見事だったと
いう他にない

永久機関を作成したのも彼だった

分厚い書物に書かれた
1頁の図形を学び
理解し、顕在化させたわけだ

《回復》の担当者として
選抜されたのも彼だった
彼はそのことを
大いなる誇りとしてもいた

…幾つかの夜が繰り返される



君は四つん這いになり
喘ぎ、悶え、意識を保つのに
精一杯な様子

右手は右足に
左手は左足に
結び付けられ
後ろ蕾は舌先で弄ばれていた

手枷と足枷がセットアップになったもの
その拘束具は君の
自由を奪う

炎のゆらめきは
はっきりとした陰影を造り
君がピンク色の
キャミソールを
纏っていることを教えてくれる

裾部分が
まくりあげられており
足から付け根、
蕾までもを露わにしている

ここまでは
いつものこと、
表現するに困らない

…長老が指先を鳴らす
 サインだ
 仮面の従者が動き出す

長老は幾つかの夜
仮面の従者に同行を命じた
君は見物される

そのカラダを、
峠を越える様を、
そして「後ろ」をひたすらに
責められる姿を

仮面の従者は従順で
《成すべきことをなす、
 それが紳士だ》と
骨の髄まで教え込まれている

逆らうことは許さぬと
権威は絶対のものであると
そのための存在として
そのためだけにそこに在る
…それは、無我

彼は奇妙な6角形の箱を開け
仕切りの最も北側にある
スティック状の物体を
取り出した

君は顔を赤らめながら、
絶え絶えの意識を留め、
長老の狡猾な舌先に遊ばれている
《後ろ》を

「…嗚呼っ」

鳴け、もっとだ
今夜の趣向は、面白いぞ
果てるな、よ
もっと
もっとだ、
楽しませろ

後ろ蕾が熱い
熱を帯びている
無垢な蕾は広げられ
舌先で蹂躙される

…そのスティックは
 球体の連なり
 表現が難しい
 先端が細く、
 根本に向かい、
 少しづつ太くなる
 長さは…
 そうだな、
 割り箸を二本
 繋げた程度とでも

 根本には返しのような
 ヒダがついており
 12の球体は
 細いシナプスで
 しっかりと結合され
 球体がそれぞれに
 連絡できるようになっていた

長老はそれを受け取り
持ち直し
運び
君の眼前に示す

君はそれを見る
用途不明な物体であることが
恐怖を誘う

…彼が準備したものだ
 全うな使われ方はしまい

そんなことだけが
霞のかかった脳内をよぎる

拘束され
緊縛され
舐められ
侵入された君は
腰をもじもじと動かし
快楽物質を追い出そうと
必死にもがいていた

長老が君の眼前で
球体のスイッチを入れると
それは
縦横無尽に動き出す

それぞれが
それぞれの意思で
くるくると
ねじねじと
ぐるり、ぐるりと
12の球体は
さらに12の手を伸ばし
誇らしげに笑ってみせた

「…い、嫌…」

用途不明なのはここまででだ
長老はすかさずそれを持ち上げ
後ろに近く構え
弓引く狩人のポーズをとる

「動くなよ、おとなしく
 しておれ」

「駄目…駄目…
 嗚呼っ!!」

宵越しの嬌声が室内に響き渡る
仮面の従者もそれを聴いた
麻の香りがする
暖炉の燃焼から、それはやってくる

一番小さい球体が
君の後ろを捉え
ご挨拶をし
なめらかな蜜を出しながら
後ろ蕾に侵入を試みる

「嫌…
 嫌…
 嗚呼…
 嗚呼…っ」

…狂った球体


《その行方、
 後ろの蕾、
 君の中、
 意識ともども、
 欠けるやよろし》
《かごめやかごめ、
 カタカムナ、
 夜の供物は
 君の声》

5、7、5、7、7
7、5、7、5
に整えられた
奇妙な歌を誰かが歌った


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