《瞑想小説 狩人》

瞑想

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視姦

怠惰の村

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俺はその男と
連れ立ち
無事に村へと到着した

道中

幾つかの
獣の群れに遭遇したが
それらは狼よりは羊に近く
荒々しいというよりは
ほのぼのとした
牧歌的な雰囲気に包まれていた

…不思議なことも
 あるものだ
…こいつらは
 安心しきっているのだな
…襲われることはないと
 心底、そう信じているんだ

そうか、村が近く
彼等は狩りを生業としないと言っていた

だから
だろう

周波数が
シータからアルファへ
アルファからミッドアルファへ
ミッドアルファからベータへ
ゆっくりと
上昇していくのがわかる

不思議なものだな
直感が身を隠そうとしている
不安の領域が減るに従って

何か、
大事なものを
森に置いてきたような
そんな感覚に襲われる

「…来いよ
 こっちだ」

村の入口に
門番もいなければ
塀で囲まれてもいない

無防備だ
俺はそう思い、苦笑した

幾つかのメインストリート
というには大げさな
数本の土手道があり

土から上手に作られた
住居の用に供される建物が
幾つも、幾つも
軒を連ねていた

~今は、集中力を担保しろ
 その後、瞑想で
 集中して回復すればいいだけ~

筆者は思い
再度タイプを続ける
タイピングのリズムに集中すれば
頭の中は空っぽでいい

文字が、文字を連れてくる
その感覚に従えばいい

~~

彼の家は質素であるものの
小綺麗に整えられ
中には66点の妻と
同じく66点だが
可能性を秘めた
2人の息子と赤子がいた

俺の紹介なぞいい
挨拶なぞいらん

くそ
面倒くさいな
正直に俺はそう思った

「…なあ」

「何だ?」

「…正直に
 喋っても、いいか?」

「何なりと」

「…俺は
 …俺は
 よくわからないんだ
 こういった空気が
 …
 淀んでいるとか
 そんなことを言っているんじゃない
 そこは勘違いしないでくれ」

「面白い、ヤツだな
 続けろよ」

「…俺は
 …
 …幸せってのが、な
 いまいち理解に苦しむんだよ
 家族、健康、健やか
 …
 悪くない
 悪くないんだが
 俺の居場所じゃあない
 と
 そう思うんだ」

「不無、
 …面白い」

「…すまんな
 …こんなこと話すのは
 お前が初めてだ
 名も知らぬ村で
 名も知らぬ知人にだから
 話せることも、あるのかも
 しれん」

「…何が、
 気にいらない?」

「ああ…」

「…」

「この村で数人とすれ違った
 が
 何だろうな
 …
 …安定しすぎている
 …固定されすぎている
 …何かに縛られている
 …何かが
 …違うなと、
 矛盾しているなと、そんな気が
 したんだ、重ねてになるが
 すまんな」

「…成程
 お前は
 疲れているんだよ
 …
 今夜はもう安め
 スープを準備させてやるから
 旅ってのはさ
 疲れるもんなんだろう
 《流浪の民、一息の都へ》
 といったところか」

お前の言い方は
好きだぜ

「…わかった」

俺はありがとうの
一言すら口にせず、
与えられた一室に腰を落とす
簡素だが
整った部屋
テーブル以外に何もない

しかし
俺は見たぞ
見てしまったぞ
なんせ
この部屋には
ドアがない

これは重要な話であるぞ
心して聞くといい、
心して見るといい、
心して読むといい。

※俺は見た
※妻と表現されたオンナが
※白い粉をスープに入れたのを

※俺は感じた
※それが精製を繰り返し、
※甘く、甘くなったものであることを

大鍋で煮ているのだから
全員がそれを飲むのだ
よって
毒やその類ではない

しかし
あれは
駄目なもの
口にしてはいけないもの

現実においてもそうだ
イズムの産物

精製された
《白砂糖》



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