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視姦
距離
しおりを挟む君はソファに座る老人の
眼前に立ち
自ら裾を持ち上げ
生足を晒している
…恥ず、か、しい
「不、不、不
…賢明なオンナならば
このような状況は
理解に苦しむだろうな
…
しかし
しかしだ
知識の蓄積を知恵とし
知恵を実際の習慣とし
その力とともに歩む
聡明なオンナならば
理解ができるかも
しれん」
…また、一体、何を
君は長老の発言の
一部、又は全部を
終始無言で聴いている
ワンピースの裾は持ち上げられ
その手は膝の少し上までに
…手は、疲れないかな?
「…もう少し、たくし上げろ
見たいのだ
お前の美しい足を
その足は…
14で悪魔に売り飛ばされ
機能を失い
最小限であるが故
無限の力を持ち
オトコを魅了する魔力を秘めた」
「…」
「もう少し、たくし上げろ
2度言わせるな」
「…は、い…」
「もっと」
君は大腿四頭筋の中間といえる
位置までスカート部分を
まくりあげる
一切、手を触れられていない
にも関わらず
上気し、顔が火照ってくるのが
わかる
吐息は浅くなり
外壁の向こうでは春雷の音がする
「…魂に、ついて
人は生まれ落ちるとき
半身との別れを経験する
もともと一つであったのに
もともと完全であったのに
わざわざと、
不完全な状態に身を置くわけだ
その理由は?
わかるか?」
「…いえ…
…嗚呼…」
面白いオンナだ
よく聴いておる
よく聞いておる
傾聴、
拝聴の類
そうだ、顔を赤くしておれ
ロウソクの明かりよりも
「…成長だ
これが答えだ
Sはさらに強大な陽へと
Nはさらに粛々たる陰へと
変化し、強くなり
また引き付けあうため
そのためにこの世に
生を受ける
時間と場所は彼等が決める」
「…」
君はその物語を知っている
君はその物語の最中にいる
そんな気がする
素敵なお話…
でも、
なぜ…
ベージュのワンピースの裾を
持ち上げねばならないの
「…少し、
寄れ」
「…は、い」
既に距離は30センチメートル
定規を想像すれば距離感も掴めるか
大きく吸い込めば
その距離で香りを嗅ぐこともできる
そんな距離
彼の目線と
君の最後の着衣
本日は白だったな
それは同じ高さに仕組まれている
「続きを
聞きたいか?」
「…はい」
「…2つに割れたものは決して他では
埋まらない
割れたせんべい
ボルトとナット
凹と凸
数ある似たものはあれど
その差は歴然で
形はひとそれぞれ
…先の話にも繋がるが
喜びの形がそれぞれであるように」
「…」
「…触れることと
触れられることは一緒
双児の魂は一つが回転すれば
もう一つは逆に回る
《量子力学》の文言より引用だ
これはコミュニティには伝えない
私が、
独占すべき情報、
情報には価値がある
これ、これ
手を下げるな、
もう少し、上へ」
「…嗚呼…」
「恥ずかしいか?」
「は、はい」
「何故、恥ずかしい?」
「見られて、いるから…」
「そう、
そうだ
見られているから
先の話の帰着はこうだ
物事は人間の見られている場所
観測の力によって
周波数を変え
波動を変える」
「…」
君はスカートを膝よりも
付け根に近い部分まで持ち上げ
持ち上げさせられ
オトコに存分、視姦される
最小限の動きで
最大限の羞恥を
…量子
最小単位
それがこの世を開く鍵
この羞恥の状況の中
君はある悟りを得るものの
今夜中にメモにしておくべきだった
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