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視姦
まといもの
しおりを挟むいつもと同じように
一人の祈り女としての食事をとる
長い長いテーブルの
北東側に君の席がある
「……なのよねぇ」
「……お気に入りなのよ」
幾つかの言葉が君の耳に入るが
気にしない、
気にしない、
反応しない練習
かの
シッタルダのように
反応が心を惑わせる
2の矢を放たないこと
君は学び舎へ向かい
子供達にいくつかのことを伝える
今日は薬草学
薬草学は君が
心ときめく学問のひとつ
例えばサラムという植物は
五臓六腑のうち、腎にとてもよい
そう、とてもよい
冬は腎を大切に
春は肝を大切に
四季折々に合わせ
《旬のものを丸ごと食べる》
これが、とても
身体によいことなのよ
子どもたちの無邪気な笑顔
この笑顔が何時までも続けば
いいのにな
この子たちに昨夜の
私を見られたら
一体
…
どう思うのかな
そんなことが頭をよぎる
太陽は大きく高く上り
若干下り
コミュニティの中央に座した
奇妙な三角形の構造物の影が
ある一点と重なる時間
その時をもって祈り女は
採集の時間を開始する
君は採集を許されている
輪番が君を待っているからだ
~
歩を進め、
春の間へ、
同じ部屋に辿り着くと
仮面の従者がドアを開けてくれた
…部屋には
…昨日と同じ、
ピンクのキャミソールではなく
黄土色のワンピース
肩の部分が特徴的で
片側の肩紐部分が欠落している
これを纏えということなのだろう
この衣類には…
どんな由来があるのだろう
何やら不吉な予感がする
おみくじを引いた場合
何度引いても大凶が出るような
最後の着衣は白が準備されている
今日のまといものは
白の下着と
黄土色のワンピース
まといもので
気分は変わる
これは気に由来するもの
半刻もすると
ドアはノックされた
昨夜と同じように
「お呼びだ…
来い」
「…
…
は、い」
二つ目の夜
君は渦に飲み込まれる
昨夜よりも
もっと深く
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