《瞑想小説 狩人》

瞑想

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輪番の始まり

初夜の終演

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春の間の一室は
異常な熱気を帯び
湿度が急激に上昇していた

雰囲気や妖しく
漆黒の闇は部屋の片隅からの
オレンジの光に照らされている

「…!」

オンナはベッドに四つん這いになり
声にならない嬌声を上げていた

オトコは初老よりもう少し上の年齢
ロマンスグレーというには
いで立ちが歪すぎる
笑顔が不敵すぎる

彼は「後ろ」を舐めあげていた

その舌先は器用に
柔軟な動きで後ろ蕾の周囲を
内部を
粘膜を徘徊し
本来用途以外の刺激を
彼女に与えていた

輪番の祈り女は
顔を赤らめ
紅色よりももっと赤らめ

必死にシーツにしがみついていた
可愛い仕草だ
可憐な仕草だ
こういう一つひとつが
オコトを魅了する

「力を、
 抜きなさい」

「……
 は…い…
 …嗚呼っっ!」

胸の両突起で幾度か
足の付け根でも幾度か
到達した彼女は

何度も、何度も、懇願する
「嫌」「駄目」「もう」
今夜の流行語はそれらだ

舌先が上方へ
下方へ
旋回し、
徘徊し、
後ろ蕾を舐め回す

蕾は無垢であり
清楚そのもの

そこを初めての刺激が通り抜ける
脳にエラー表示が出る
404 NOT FOUND
消された感情の起伏

君は今夜
何度か峠を越していく最中

背骨に快楽の中枢があり
幾つかの突起がそこに
連結していることをまざまざと
知る

身体は火照り、
強い熱が仙骨に宿っているのが
わかる
それは現代までは伝わらなかっった
仙道の感覚と一緒

温養し、育て
小周天、大周天の種となる熱さ

手のひらには永久機関を宿した
黒い物体が奇妙に振動している

…わ、た、し
 もう…

「…嗚呼…宇宇っ…!」

これ以上、何も考えられない
言葉にもできそうにない

長老は永久機関のスイッチを入れ
三連符の大柄、中柄、小柄のうち
小柄に教わったことそのままに

君の
下腹部の突起、
にあてがった
勿論、舌先は後ろを捉えたままだ

「嗚呼…嗚呼!嗚呼っっ!!」

君はすぐさまに絶頂に至る
峠は高く、険しく
立つこともままならぬ崖の上

単突起の刺激は強烈なもので
胸のそれとは違う
凶悪な性格
先端の尖ったエッジの効いた効用

その効用は高揚をもたらし
初夜を大いに盛大なものとした

失気した君は
支える足を失った

ダブルクイーンサイズのベッドに
身体が横たわったところで
初夜は唐突に終わりを告げる

ベッドサイドには用済みとなった
キャミソールの残骸がおり
クローゼットには
明日の朝に纏う衣が
丁寧に折りたたまれていた

…こんなものだろう
 焦ることはない
 ここが、最良の引き時

グレーなオトコが
もう少し深いグレーの笑みを浮かべ
従者に入室を促した。

初夜は終わりを告げる
ベッドサイドのキャミソール
その亡骸を誰が片付けるのか
それは筆者も
知らん

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