《瞑想小説 狩人》

瞑想

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祈り女と狩人

旅立ち

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俺はその夜、
宴の終わりとともに
直ぐに旅支度を整えた

簡素で構わない
シンプルで構わない

服はいつものもの
弓矢も、
短剣もいつものもの

しかし水はどうする?
食料はどうする?
寝床はどうする?

まあ良い
何とかなるさ

旅の先々で
学べば良いことだ

多分、脱出の機会は今日しかない
今は、タイミングが重要な時だ

この村に張り巡らされた
センサーのような
周波数のような
怪しげな術を破れるのは
今日しかない。

何となく、
そんな気がする。

周囲の結界が
緩み切っているのを感じるし

長老は祭りの事後談と
最後の祈り女のダンスに恍惚の笑み

チャンスだ
好機だ

この機を逃してなるものか

俺はきっと
この日を堺に生まれ変わる

きっかけは何だっただろうか
彼女の指先の美しさ
彼女の声、ならざる声

それらが
俺に行動を促していた

「タイミングが重要だ」

俺はそう感じ
テントの端で瞑想に入る

こういうときは瞑想が一番だ
タイミングは
自然体でいれば
周囲が教えてくれるもの

「さようなら」
「ありがとう」
「またな」

感傷に浸るような言葉が次々と
脳裏に浮かぶ

しかし、
同時に、

「輪番」の存在
その巫女として選ばれた彼女

このことに俺は憤慨していた

彼女は言っていた

甲月の間、春の間で、
長老のものになると

それが何を意味するのか
オトナのオトコならば
考えるに易し

殺意
明確な殺意をもって旅に出よう

甲月と乙月
2ヶ月を周期に変遷するもの
1ヶ月が30
ならば
60の夜

彼女は一体…

俺は腸が
臓腑が煮えたぎるような思いで

ルートチャクラと丹田のチャクラに
怒りを吸収し
太陽神経嚢に収功した

《朝は、感謝と共に目覚めなさい。身体の声を聞き、生を実感するよう努めること。》

《昼は勤勉を常としなさい。狩人は狩をし、祈り女は祈り、生業を全うするよう努めること。》

《夜は自分を労りなさい。今日、成したことを誇りとし、自身を慰めること。》

夜は欲望の時間と
いうことか

イノリメ、
長老、
評議会、

そして、
輪番、
甲月と乙月

反吐がでそうだ
俺は旅に出る
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