《瞑想小説 狩人》

瞑想

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祈り女と狩人

祭りのアト

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ステージに舞い降りた
黒い蝶が残したもの

異様な雰囲気が
まだ、
周囲に妖しく漂っていた。

その指先
その背骨
その足先
その踊り

その美しさに
オトコ達は
喚起し
屹立し
高潮しており

その舞いをもう一度と
拍手が止む様子もない

…俺はいつの間にか
 時間と空間が
 つなぎ目に気づき、自らを修復し
 元に戻ろうと
 周波数を変えようと
 していることに気づく

…不思議な、感覚だ

今夜の祭りは
一年に一度の祭りは
これで終演を迎えた

…今夜は…
…今夜は…
いつもと違う夜だった

俺は
聞こえるはずのない
彼女の声を

身体を貫通する
刺激とともに
脳の中央、魂の座、
松果体で聞いていた

彼女は言った
確かに

祭りが終われば輪番になる、と
長老の春の間で暮らすのだ、と

彼女は言った

俺は旅に出て
強くなるのだ、とも

一夜にして
一瞬にして

俺は…
生まれ変わったと感じる

その感覚は大げさなものではなく
確固たる確信の元に

旅…

コミュニティーの生活に
不満はなかった
祈り女なる
訳のわからない
存在の価値は不明だったが

旅…
俺は
旅に出る

なぜ?

一人でも生きていける
その強さを身につけるために

いつ?

決行は早い方が良い

もう、このコミュニティーに
いる用事はないのかもしれない

たまたま、そこに生まれついて
たまたま、今まで間借りしていただけ

自分の意志で、
自分の価値観で、
見て
聞いて
学ぶのだ

そして
強くなる
肉体的にも
精神的にも

俺のテントは
綺麗にして去ろう

それを礼儀にしよう
有り難う
そして、さらば

俺の人生の
第一幕はここで終わり
彼女の声を聞くまでが…
第一の生の目的だったのか

なれば

第二の生、人生の第二章は
一体、どんなものになるだろう

会陰がズキズキと、
百会がズキズキと、
一直線に痛む



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