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File.11

シスコン

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店内は華美な装飾と、薄明るい照明、ゆったりとした音楽が、時間を忘れさせるような空間を演出している。
ボックス席に通されるまで他のテーブルをチラ見してみたけど、派手に騒ぐアホ貴族と押し切られて連れ込まれてしまったと見える内気そうな男が確認出来た。

「ヴァンさんやwwwwついに来てしまったなwwwww」

「呑気な事言いやがって……会計、どうすんだ?」

「まぁ何とかなるでしょwwww気にしない気にしないwwwww」

そうこうしていると四人の女性が現れ、俺とヴァンにぃにをサンドする形で席に着いた。ビックマックかよwwwwwwww

お姉さん達の中には、客引きネキとリリィちゃんに似たあの子も含まれております。女性との距離近すぎて緊張してきたでござるwwwwwそもそもこういう店の楽しみ方知らないのんwwwwwwww

「飲み物はどうしますー?」

「赤ワインで」

「アッアッ、じゃあwwwwwお姉さんのミルクをwwwwオゥフwwwデュクシwwww」

「やだぁ、も~!じゃあ私達のオススメにしときますね~」

オーダーして間もなく用意された飲み物で、乾杯をする運びになりました。
ちなみに俺の元に来たのはミルクセーキっぽい何かですwwwwこれアルコール入ってるやつじゃねwwww器官を通るパルファムがそう物語っておられるwwwwwwwwメーンwwww

「じゃあとりあえず乾杯wwwwファーッwwwww」

「乾杯」

「いえーい!」

「かんぱーい♪」

意を決して一口飲むと、案の定独特の香りがwwwwしかもこれめちゃくちゃ濃いんだがwwwwwwww喉やられるwwwwwwww

「かはぁ゛wwww」

「あらら~、お兄さん大丈夫?」

「次は酒抜きでお願いしていいっすかwwww」

「え?!だめだめ~♡せっかくだし飲まないと!」

「ダメなの?!俺の分までアニキが飲んでくれるらしいんでどうかwwwwwwww」

「おい、勝手な事言うな。俺だってそんなに強くは……」

渋ったヴァンにぃにだったが、横に座るリリィちゃん似の女の子が寄りかかってそれを引き止めた。名前は確かメルちゃんとか言ってた気がするけどアルコールが速攻で回ってきてわからんwwwwwwww

「え~?沢山飲める人が好きだなぁ、お兄ちゃん」

「くっ……!」

「ダメかなぁ?おにいさま・・・・・♡」

「卑怯すぎるだろ……ッ」

そして三十分後。

「まだ足りねェぞ!!アホほど持って来いや!」

「キャー!カッコいい~♪」

「おにいさま~♡」

「ヴァンにぃに……おいたわしやwwwwwwww」

まんまと乗せられて瓶ごと一気する変わり果てたヴァンの姿がそこにはあった。

完全に出来上がったヴァンはメルちゃんとその隣の童顔の子に寄り掛かられて、とても満足そう。ちなみにメルちゃんとリリィちゃんの違いはおっぱいですwwwwwwww

「はっちゃけ遊ばしておられるwwwww」

「カルラくんは飲まないんだね。お酒だめなんだ?」

「もう俺くらいになると雰囲気だけで泥酔しちゃいますからwwwww弱すぎてwwwwwwwwまぁヴァンが楽しそうにしてるからいいんじゃないすかねwwww」

「そっか~。この島には観光で来たんだよね?」

ひとまず飲酒を回避した俺は両サイドのお姉さんの甘ったるくてなんかセクシーな香水の香りに動揺しまくっておる。
これはなんかもうwwwおっぱいとか言ってる場合じゃない気がしてきたおwwww横目でwww谷間をwwwwフヒッwwwwガン見するしかねぇwwwwwwww

「観光っすねぇ、はい。今日は海で遊んで来たけど他に楽しめる場所ってあります?」

「この時期だとアレじゃない?花火とか、あとは夜の海に出る……」

「あ~有名だよね、幽霊船!」

「幽霊船出るのかwwww気になるwwww夏といえば肝試しwwwwwwww」

夜中の海に突然霧が立ち込めると現れるというソレの話を聴いていると、隣のハイテンションヴァンにぃにがグラスを持って赤ら顔で俺の方へ声をかけてくる。

「おい何だこの店ェ!妹が……!妹が沢山居るぞ!」

「何言ってんだコイツwwwwwwww」

「おにいさま~♡もっと飲んで♡」

「おにいちゃーん♡ミーナのお酒もぉ♡」

「兄である俺に、任せろ……」

もうダメだ、コイツは完全にwwww格好の付け方おかしいだろwwwwwどこでイケボ使ってんだコイツwwwwwwww

「キャー!素敵~♡」

「お酒も戦いも強いなんて素敵~♡」

「吐かないようにだけ気を付けてwwww」

チョロ客と化したヴァンは浴びるようにワインをかっ喰らい、既に焦点の定まらない目でふらふらと俺の肩に腕を回して笑う。今きっとすげぇ楽しいんだろうなwwww

「はっはっ!!俺は強ェからな。妹さえいればいくらでも飲めんぞ」

「わかったから落ち着いてもろてwwww」

こいつにとっての妹ってなんなんですかねwwwwシャブかなんかなのwwww
変わり果てたヴァンの姿を見てそんな事を思ってると、唐突に首根っこを掴まれた。

「俺とカルラ、どっちが強いか賭けろ。腕相撲で決着付けんぞ!」

「悪酔いが過ぎるwww脈絡ないってレベルじゃねぇぞwwwww」

「ガタガタ言うんじゃねェ!イチ、オラァッ!!」

「2と3は?!wwwwwwww」

──バゴォッ!!

無理矢理手を握られると、1で終わるカウントダウンで強引に決着wwwwwwww意味分からんwwww

「っしゃオラァ!男は1だけ覚えてりゃ生きていけんだよ」

「もうこれ以上飲ませたらやばいかもしれんねwwwwwwww」

その後もこんな調子で酒に呑まれたヴァンが騒ぎ、夜は深まっていくのであった。

結局俺もアルコールを摂取するハメになったりお会計がヤベェことになってたけど何とか乗り切ってお店を出た直後、聞き覚えのある声が俺達に向けられた。

「あっ!こんなトコに居たですか、お兄様!」

「このお店……アンタ達、随分ハメ外したみたいね」

「おーリリィ。やっぱ俺の妹が一番可愛いな」

「ふ、二人共お揃いでwwww」

カノンたんのジト目が痛い程突き刺さる中、まともな思考回路がお亡くなりになっているヴァンがよろよろとリリィちゃんに歩み寄り、頭を撫でた。

「お、お兄様!往来でこういうのは恥ずかしいです!それにしても酒臭いです……」

「ん、悪ィ……帰るかァ。カルラ、ありがとな。楽しかった」

楽しそうに笑ってたさっきまでの表情とはまた違う、安堵のような笑みを浮かべたヴァンはリリィちゃんの肩を借りて歩いていく。

「ほら。アンタも帰るわよ」

「待ってカノンたんwwwwお店のお姉さんから聞いたんだけど、この島の海域で幽霊船出るんですってwwww後で行かない?」

「お姉さん……ふーん……。
で、なんでよりによって幽霊船なのよ。まぁ、行ってあげても良いけど」

なんかムッとした表情なのは気の所為ですかねwwww幸い、酒の量も最小限に抑えたから酔いも覚めてきたし、肝試しデートに誘ってみることにしたwwww

「やったぜwwwwでも霧が出ないと現れないみたいなんだよねwwwww」

「そうなの?じ、じゃあ、とりあえず海の様子を見に行きましょ」

「夜の海とかロマンチックっすねwwwwぐへへwwww」

「カルラが言うと全然そんな風に聴こえないんだけど……」

歓楽街を抜けて午前中遊びに使った砂浜まで辿り着くと、思ったより人が多かった。リア充の群れだwwww絨毯爆撃カーペットボミングしないとwwwwwwww

「っうぇwwwwこれ全員カップルじゃねwwwwwなんの前触れもなく発生した津波に呑まれればいいのにwwwwwwww」

「なんでそう卑屈なのよ……。とりあえず、今のところ霧は出てないわね」

「今日はダメっすかねwwww帰る?それともカップルを片っ端から海の藻屑にする?」

「す、少しだけ……待ってみない?」

月明かりに照らされたカノンたんの恥ずかしそうにする顔がとても綺麗で可愛かったので、その辺にあったいい感じの流木に二人で腰掛けて幽霊船を待つことにしました。

「はぇー。星座とか全然知らんけど星が沢山あるwwww」

「アンタには似合わない景色よね」

「何言ってんだよwwww今まで星の王子さまカレーをそこそこ食べてきたので大丈夫wwww実質俺は星の王子さまwwwwwwww」

「あはは!どういう理屈なの?ていうか星の王子さまカレーって何?」

他愛もない話をしながら眺める星空は、そんな悪いものでもないなと思いますね。今までこんなに夜空を見上げたことなかったのもあるけどwwww
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