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File.11
タカトとリアナ
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罰ゲームと称して買い物を頼まれたリアナの付き添いで、長蛇の列を為す海の家に並んでいる。
容赦なく照り付ける太陽と人口密度で倍増した暑さは、体力をどんどん削っていくが、俺の隣の少女はそんなこと微塵も感じさせないような元気さだった。
「すごい人ですね~!売り切れないといいですけどっ」
「そうなったら洒落にならんな……まぁ、アホほど在庫あることを願うしかねぇか」
店員が持ってきた簡易的なメニューを眺めながら、ゆっくりと進む列に続く。人気のドリンクは【シュワシュワ・フレッサ】という炭酸飲料らしい。
この世界にも炭酸飲料があるのは、この島のおかげだったのか。
「どれも美味しそうですねっ。シュワシュワはこの島の名産らしいですから」
「ふーん。確かに北帝国や王都じゃあんまり見なかったが」
「なんか、シュワシュワになる成分を分泌する木の葉っぱを生やすのはこの島にしかないって話ですよ」
「じゃあ草の味がすんのか……?不味そうだな」
ドンペリが木の皮を絞った汁のような味と揶揄されるのに高いのと何か近いものを感じた。まぁドンペリ飲んだことねぇけど。
それでも、暑い日に飲む炭酸の爽快感や喉越しはクセになるものだというのは知っている。それ故の長蛇の列だろう。
俺が微妙な反応をすると、リアナはメニューを指さして更に補足してくれた。
「いやいや!シュワシュワにもたくさんフレーバーありますから!ほら、ここから下が……」
「へぇ、ホントだ。リアナは何味がいいんだ?」
「そうですねぇ、リアナはやっぱりストロベリーですかね」
「あー好きそう」
お子様に人気!という謳い文句に吊られてついそんな事を口走ると、怒ったような顔をして抗議される。
「リアナが子供っぽいってことですか?!」
「あ、いや、まぁ……子供だしな?」
「違いますぅ!訂正してください!」
肩を持ってガタガタ揺らしてくるこの行為が既に子供っぽいんだけど、それを言ったらいよいよマジギレかもしれない。
「わかったから、揺らすな。悪かったよ。お前は大人だもんな」
「ホントにそう思ってます?」
「思ってる思ってる。その、なんだ、腰のそれとかすげぇ大人っぽい感じだろ」
「腰の……?あぁ、パレオですか。ていうかタカトさん、パレオも知らないなんて……ふふっ」
知らなきゃ変なのか、パレオ。
よくわからんが機嫌は持ち直したっぽいので良しとする。
「女の衣服の名前とか知る機会ないし、俺はおかしくないぞ」
「無頓着すぎません?まぁ、リアナ的には安心ですけどね」
「何で安心してんだよ」
リアナがまた笑うと、思わず目を逸らす。水着というのは普段と全く違う。カルラみたいにはしゃぐ事は無いが、やはり刺激が強い。目に毒と言うと失礼だが、何となく直視できない。
「何でも無いです。それより、どうなんですか?リアナの水着は!何回聞いても感想言ってくれないじゃないですか!」
「あー、すごいすごい。似合ってるぞ」
「テキトー過ぎです!」
俺はロリコンじゃないが、素直にリアナの水着姿は魅力的であると思う。いや、ロリコンじゃないけどそう思う。口が裂けても言わないが。何故ならロリコンじゃないから。
罰ゲームと称して買い物を頼まれたリアナの付き添いで、長蛇の列を為す海の家に並んでいる。
容赦なく照り付ける太陽と人口密度で倍増した暑さは、体力をどんどん削っていくが、俺の隣の少女はそんなこと微塵も感じさせないような元気さだった。
「すごい人ですね~!売り切れないといいですけどっ」
「そうなったら洒落にならんな……まぁ、アホほど在庫あることを願うしかねぇか」
店員が持ってきた簡易的なメニューを眺めながら、ゆっくりと進む列に続く。人気のドリンクは【シュワシュワ・フレッサ】という炭酸飲料らしい。
この世界にも炭酸飲料があるのは、この島のおかげだったのか。
「どれも美味しそうですねっ。シュワシュワはこの島の名産らしいですから」
「ふーん。確かに北帝国や王都じゃあんまり見なかったが」
「なんか、シュワシュワになる成分を分泌する木の葉っぱを生やすのはこの島にしかないって話ですよ」
「じゃあ草の味がすんのか……?不味そうだな」
ドンペリが木の皮を絞った汁のような味と揶揄されるのに高いのと何か近いものを感じた。まぁドンペリ飲んだことねぇけど。
それでも、暑い日に飲む炭酸の爽快感や喉越しはクセになるものだというのは知っている。それ故の長蛇の列だろう。
俺が微妙な反応をすると、リアナはメニューを指さして更に補足してくれた。
「いやいや!シュワシュワにもたくさんフレーバーありますから!ほら、ここから下が……」
「へぇ、ホントだ。リアナは何味がいいんだ?」
「そうですねぇ、リアナはやっぱりストロベリーですかね」
「あー好きそう」
お子様に人気!という謳い文句に吊られてついそんな事を口走ると、怒ったような顔をして抗議される。
「リアナが子供っぽいってことですか?!」
「あ、いや、まぁ……子供だしな?」
「違いますぅ!訂正してください!」
肩を持ってガタガタ揺らしてくるこの行為が既に子供っぽいんだけど、それを言ったらいよいよマジギレかもしれない。
「わかったから、揺らすな。悪かったよ。お前は大人だもんな」
「ホントにそう思ってます?」
「思ってる思ってる。その、なんだ、腰のそれとかすげぇ大人っぽい感じだろ」
「腰の……?あぁ、パレオですか。ていうかタカトさん、パレオも知らないなんて……ふふっ」
知らなきゃ変なのか、パレオ。
よくわからんが機嫌は持ち直したっぽいので良しとする。
「女の衣服の名前とか知る機会ないし、俺はおかしくないぞ」
「無頓着すぎません?まぁ、リアナ的には安心ですけどね」
「何で安心してんだよ」
リアナがまた笑うと、思わず目を逸らす。水着というのは普段と全く違う。カルラみたいにはしゃぐ事は無いが、やはり刺激が強い。目に毒と言うと失礼だが、何となく直視できない。
「何でも無いです。それより、どうなんですか?リアナの水着は!何回聞いても感想言ってくれないじゃないですか!」
「あー、すごいすごい。似合ってるぞ」
「テキトー過ぎです!」
俺はロリコンじゃないが、素直にリアナの水着姿は魅力的であると思う。いや、ロリコンじゃないけどそう思う。口が裂けても言わないが。何故ならロリコンじゃないから。
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