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おじさんvs合法ロリ
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「民間人の保護とその護衛、頼みましたよ。バビロニア様」
「すまんな秘書っち」
ギルドには今、俺しか居ない。
親国祭の最中に起きた魔族の侵攻に対処させるため、全員駆り出した。受付嬢から秘書に至るまで、戦闘能力も加味して選んでおいて良かった。
「で、おじさんはここを避難所として開放してお留守番ってワケだ」
ギルドの入口前に椅子を置いて、懐から取り出した煙草に火を付ける。立ち昇る紫煙がゆっくりと空に溶けていくのを眺めながら、遠くから走ってくるマダムに声を掛けた。
「こちらへどうぞ。中は安全だから」
「あ、ありがとうございますっ。でも後から魔族が……!」
「蹴散らしとくんで大丈夫。中でコーヒーでもどうぞ」
ドスンドスンと大きな足音を立てながら追いかけてきた巨躯を持つトロールを確認すると、煙草を一気に吸いきって地面に落とす。肺活量半端ないからねおじさんは。
「グゥオォオオオ!!」
「ふん、雑兵が」
無骨な巨木の棍棒を振り上げて威嚇してきたトロールを見据え、片足を引き、敵を十分に引き付ける。
「オ゛オ゛オ゛オオオオオッ!!」
「喰らえ、バビロニア式奥義……【名状しがたい回し蹴りのような何か】」
──ボギャァァァァアアアッ!!!!
踏み込んで撃ち出した正拳突きがクリーンヒットし、元来た道を引き返すかのように遠くに吹き飛ばしてやった。
「あ、さっき、回し蹴りっつったな。間違えたわ」
再び椅子に座り直すと、今度は少女が歩いてきた。纏う雰囲気は明らかに一般人ではない。ましてや冒険者のようなものとも違う。異様な殺気だ。少女の皮を被ったン・ダグバ・ゼバか何かだろう。知らんけど。
「おじ様、お強いんですわね。わたくしと遊んでくださる?」
わざとらしい猫撫で声、ピンクの髪、青い瞳、フリフリロリータ服。そして何と言ってもこのボデェ……ロリコンホイホイだな。
「あと10年経ったら相手にしてやる。ガキは帰れ。逮捕されたくない」
「あら。これでも立派なレディでしてよ」
ロリータが俺の周囲に魔法陣を展開すると、間髪入れずに鋭利な石が射出された。
──ズドドドドドッ!!!
「なんだ、合法ロリだったのか」
「何を言ってるのかわかりませんわ。ですが、アレを避けられるなんて……素敵♡」
恍惚とした表情で俺にトキメキ熱視線を送る合法ロリ。その顔は卑怯だよぉ……股間にクるぅ……。
「ちょっと『おじさまの太くて大きいの、しゅごいのぉ』って言ってみてくんない?」
「おじさまの太くて大きいの♡しゅごいのぉお♡」
「キィェアアアアア!!!!シャベッタァァァアア!!!!」
ギルドは俺が守る。紳士の名に賭けて。
まさかこの合法ロリが素直に言うとは思わなかったが、何にしろ俺のやることは変わらない。
「こんなの聴いて何が楽しいんですの?そんなことより、わたくしと遊んでくださいな」
「あぁ、そのつもりだ。お前はこの街を脅かす害虫……駆除してやらねぇと」
魔装具を右手に出現させると、光が次第に一筋の光へと収束し、その姿を顕にした。
鈍い銀一色の身の丈程の棍棒だ。
銘は武器全体を使って刻んでおり【バビロニアンドラゴンロッド如意棒レンゲルラウザー電光石火メタルシャフト悪鬼滅砕メテオストームパニッシャー】と名付けた。世界一長い武器の名前としてギネス載らねぇかなと思って命名した。反省はしている。後悔はしていない。
ちなみに面倒くさいので呼ぶ時はロッドと呼んでいる。
「へぇ……では、わたくしも」
合法ロリは不敵に微笑むと、その体に黒い痣が広がっていき、感じたことのない醜悪な黒い魔力に包まれていく。
「なんだそいつは……。いや、これが報告にあった魔改造兵ってヤツか」
「そうですの!わたくし、魔改造兵製造No.8……」
変身途中で喋りながら、包んでいた黒い魔力が次第に輪郭を浮かばせていく。
何か硬いものが折れるような音、肉を突き破るような水気を含んだ音、そして、苦しげな声。
「ぅ……あぁ゛、【アベイユ】ですわ」
魔力が衝撃波を伴って弾けると、そこには蜂を思わせる容姿に変貌した合法ロリが居た。
だいぶグロい事になってる。片手に握られた毒々しい造形のレイピアを此方に向けて、ニィッと笑う。
「その姿じゃ興奮もクソもないな。やりやすくなった」
「あら、失礼ですわね」
瞬間、蜂女の姿が視界から消える。
背後に羽音を認識し体を動かす頃には、レイピアの切っ先が俺の頬を掠めていた。
「クソ……ッ」
「あっはははは!!さぁ、もっと味わってくださいな!」
二撃目はロッドで防ぎ、反撃に突きを繰り出した。僅かに脚へ当たったが、当然高速移動での翻弄は終わらない。
「ヒットヒット。良いねぇ」
「はぁ?あんなもの痛くも痒くもないですわよ!」
「悪かったな。次はスゲェのぶち込んでやるからよ」
初撃の不意打ちを除けば、こいつの攻撃を防ぐ事など容易い。長年の経験で培われた直感は嘘を吐かないからだ。片手でロッドを操りながら、煙草に火を付ける。
金属同士が擦れあうような耳障りな音を幾度も奏でながら、蜂女に話しかけた。
「何の目的で襲撃してきやがった?しかも祭をしてるこのタイミングで、だ。気になって8時間しか眠れなさそう」
「教えませんわ!まぁ、わたくしを倒すことが出来たら考えなくもなくってよ」
まずはこの五月蝿い羽をどうにかするとこからだ。ロッドを腰溜めに構えると、迫るレイピアを最小限の動きで躱して背後に回り込む。
ロッドを居合抜きの型で構えて背後に飛び込むと、掴んだ部位から抜き放たれた反りの無い直剣が蜂女の羽を一閃。
羽音を止ませ、飛行能力を失った蜂女も地面に落ちる。
「ただの棒だと思った?残念、仕込み杖でした」
ロッドに備わった能力は【変幻自在】。質量、重量は変えられないが、逆にその範囲内ならどんな形、性質や構造にも変わる。
「くっ……いつ抜いたのか見えませんでしたわ……!」
「質問に答えて貰おうか」
──ドスッ!
「ああぁ゛ッ!!」
蜂女の肩甲骨の辺りを、地面と縫い付けるように突き刺すと蜂女からは悲鳴が上がる。
動きを封じたとは言え、こいつの魔力は全く消費されていない。どんな反撃が来ても対応出来るよう、警戒は怠らないでおこう。
「答える気がないのなら、始末しねぇとな」
「……図に、乗るなぁ゛ッ!」
急激に高まった魔力が蜂女の下に魔法陣を形成し、俺の胴目掛けて火炎弾が放たれた。
咄嗟に距離を取ると、追撃のレイピアで無数の突きを繰り出してくる。
「これはヤバいかもわからんね」
「はぁぁあっ!!」
休む間もない刺突の連続に、次第に体には裂傷が走っていく。
「お気に入りのスーツがお前コレ……また仕立て屋行かなきゃいけなくなるじゃん」
「そんな必要ありませんわ。おじ様はわたくしのレイピアを何度も受けた……もうマトモに動けはしませんもの」
「なるほど……毒、か……」
膝が生まれたての子鹿みたいになってきた。さっさと仕留めないとやられちゃうな。
ロッドを支えに、ありったけの魔力をそこに込めた。あと一撃ですべてが決まるだろう。
「まだ立って居られるのは驚きましたわ。さぁ、心臓か脳天か……貫かれるならどちらがいいかしら?」
「どっちもお断りだ」
「そうですか。では、さようならッ」
ドス黒い魔力を纏ったレイピアを構えて向かってくる蜂女の動きを読んでロッドの端を持つ。込められた魔力を一点に集中し、カウンターを狙っていく。
「バビロニア式奥義……オータニサァァアン!!!!」
──バゴォォォオオンッ!!!!
「がっはぁあっ?!」
刺突を躱してのフルスイングは蜂女の腹を真芯で捉え、近くの定食屋に勢いよく叩き付けられた。
「定食屋さんごめん。お店壊しちゃった」
瓦礫と一緒に地面に転がってる蜂女の元へ行くと、拘束用の枷をなんとか取り付けた。毒の影響か、震えが止まらない。
け、決して合法ロリを拘束して興奮してるわけじゃないんだからね!!
「お、おじ様の魔力……これ、まさか……」
「ん?まぁちょっと珍しくはあるな。ていうかまだ意識あったの……か」
起こして牢に入れておくまで持つと思ったのに、体はもう言うことを聞かなかった。歳は取りたくねぇな。
合法ロリに覆いかぶさるように、俺の体は自由を失った。
「ちょ、ちょっと!なんでこのタイミングで倒れるんですの……!」
「お前が毒盛ったから、だろ……。責任、取ってよね……」
「いやですわ!気持ち悪い!」
「けどまぁ……このまま往来で、体を重ねておくのも、よくねぇな……青姦っぽくて恥ずかしい。さっさと情報を、吐け」
毒は全身に周りつつあるが、毒素を俺の固有魔力で破壊することは可能だ。時間は掛かるが死にはしない。
俺に宿った魔力は、対象を壊す【破壊属性】。その魔力を以て、合法ロリの魔核を半壊させている。拘束が解けようと魔力は暫く使えないし、こいつはもう詰んでる。
その旨を伝えると、観念したのか話し始めた。
「わたくし達は、ヒトの多く集まるこの機会に瘴気の坩堝で人の感情を集めると共に……魔改造兵の実戦投入、も兼ねての襲撃に来ましたわ……他にも、たくさんの魔改造兵が……この街に雪崩込んでいますの」
「へぇ、なかなかヤバそう……よっと。とりあえずお前は捕虜として牢にブチ込む。その後の処遇はロクなもんじゃねぇだろうが、命拾いしたな」
解毒も終わり、ハードボイルドに煙草を咥えながら合法ロリの足を引き摺ってギルドの地下牢へ放り込んでおいた。コトが片付いたら監獄へ送ってあげようと思う。
「民間人の保護とその護衛、頼みましたよ。バビロニア様」
「すまんな秘書っち」
ギルドには今、俺しか居ない。
親国祭の最中に起きた魔族の侵攻に対処させるため、全員駆り出した。受付嬢から秘書に至るまで、戦闘能力も加味して選んでおいて良かった。
「で、おじさんはここを避難所として開放してお留守番ってワケだ」
ギルドの入口前に椅子を置いて、懐から取り出した煙草に火を付ける。立ち昇る紫煙がゆっくりと空に溶けていくのを眺めながら、遠くから走ってくるマダムに声を掛けた。
「こちらへどうぞ。中は安全だから」
「あ、ありがとうございますっ。でも後から魔族が……!」
「蹴散らしとくんで大丈夫。中でコーヒーでもどうぞ」
ドスンドスンと大きな足音を立てながら追いかけてきた巨躯を持つトロールを確認すると、煙草を一気に吸いきって地面に落とす。肺活量半端ないからねおじさんは。
「グゥオォオオオ!!」
「ふん、雑兵が」
無骨な巨木の棍棒を振り上げて威嚇してきたトロールを見据え、片足を引き、敵を十分に引き付ける。
「オ゛オ゛オ゛オオオオオッ!!」
「喰らえ、バビロニア式奥義……【名状しがたい回し蹴りのような何か】」
──ボギャァァァァアアアッ!!!!
踏み込んで撃ち出した正拳突きがクリーンヒットし、元来た道を引き返すかのように遠くに吹き飛ばしてやった。
「あ、さっき、回し蹴りっつったな。間違えたわ」
再び椅子に座り直すと、今度は少女が歩いてきた。纏う雰囲気は明らかに一般人ではない。ましてや冒険者のようなものとも違う。異様な殺気だ。少女の皮を被ったン・ダグバ・ゼバか何かだろう。知らんけど。
「おじ様、お強いんですわね。わたくしと遊んでくださる?」
わざとらしい猫撫で声、ピンクの髪、青い瞳、フリフリロリータ服。そして何と言ってもこのボデェ……ロリコンホイホイだな。
「あと10年経ったら相手にしてやる。ガキは帰れ。逮捕されたくない」
「あら。これでも立派なレディでしてよ」
ロリータが俺の周囲に魔法陣を展開すると、間髪入れずに鋭利な石が射出された。
──ズドドドドドッ!!!
「なんだ、合法ロリだったのか」
「何を言ってるのかわかりませんわ。ですが、アレを避けられるなんて……素敵♡」
恍惚とした表情で俺にトキメキ熱視線を送る合法ロリ。その顔は卑怯だよぉ……股間にクるぅ……。
「ちょっと『おじさまの太くて大きいの、しゅごいのぉ』って言ってみてくんない?」
「おじさまの太くて大きいの♡しゅごいのぉお♡」
「キィェアアアアア!!!!シャベッタァァァアア!!!!」
ギルドは俺が守る。紳士の名に賭けて。
まさかこの合法ロリが素直に言うとは思わなかったが、何にしろ俺のやることは変わらない。
「こんなの聴いて何が楽しいんですの?そんなことより、わたくしと遊んでくださいな」
「あぁ、そのつもりだ。お前はこの街を脅かす害虫……駆除してやらねぇと」
魔装具を右手に出現させると、光が次第に一筋の光へと収束し、その姿を顕にした。
鈍い銀一色の身の丈程の棍棒だ。
銘は武器全体を使って刻んでおり【バビロニアンドラゴンロッド如意棒レンゲルラウザー電光石火メタルシャフト悪鬼滅砕メテオストームパニッシャー】と名付けた。世界一長い武器の名前としてギネス載らねぇかなと思って命名した。反省はしている。後悔はしていない。
ちなみに面倒くさいので呼ぶ時はロッドと呼んでいる。
「へぇ……では、わたくしも」
合法ロリは不敵に微笑むと、その体に黒い痣が広がっていき、感じたことのない醜悪な黒い魔力に包まれていく。
「なんだそいつは……。いや、これが報告にあった魔改造兵ってヤツか」
「そうですの!わたくし、魔改造兵製造No.8……」
変身途中で喋りながら、包んでいた黒い魔力が次第に輪郭を浮かばせていく。
何か硬いものが折れるような音、肉を突き破るような水気を含んだ音、そして、苦しげな声。
「ぅ……あぁ゛、【アベイユ】ですわ」
魔力が衝撃波を伴って弾けると、そこには蜂を思わせる容姿に変貌した合法ロリが居た。
だいぶグロい事になってる。片手に握られた毒々しい造形のレイピアを此方に向けて、ニィッと笑う。
「その姿じゃ興奮もクソもないな。やりやすくなった」
「あら、失礼ですわね」
瞬間、蜂女の姿が視界から消える。
背後に羽音を認識し体を動かす頃には、レイピアの切っ先が俺の頬を掠めていた。
「クソ……ッ」
「あっはははは!!さぁ、もっと味わってくださいな!」
二撃目はロッドで防ぎ、反撃に突きを繰り出した。僅かに脚へ当たったが、当然高速移動での翻弄は終わらない。
「ヒットヒット。良いねぇ」
「はぁ?あんなもの痛くも痒くもないですわよ!」
「悪かったな。次はスゲェのぶち込んでやるからよ」
初撃の不意打ちを除けば、こいつの攻撃を防ぐ事など容易い。長年の経験で培われた直感は嘘を吐かないからだ。片手でロッドを操りながら、煙草に火を付ける。
金属同士が擦れあうような耳障りな音を幾度も奏でながら、蜂女に話しかけた。
「何の目的で襲撃してきやがった?しかも祭をしてるこのタイミングで、だ。気になって8時間しか眠れなさそう」
「教えませんわ!まぁ、わたくしを倒すことが出来たら考えなくもなくってよ」
まずはこの五月蝿い羽をどうにかするとこからだ。ロッドを腰溜めに構えると、迫るレイピアを最小限の動きで躱して背後に回り込む。
ロッドを居合抜きの型で構えて背後に飛び込むと、掴んだ部位から抜き放たれた反りの無い直剣が蜂女の羽を一閃。
羽音を止ませ、飛行能力を失った蜂女も地面に落ちる。
「ただの棒だと思った?残念、仕込み杖でした」
ロッドに備わった能力は【変幻自在】。質量、重量は変えられないが、逆にその範囲内ならどんな形、性質や構造にも変わる。
「くっ……いつ抜いたのか見えませんでしたわ……!」
「質問に答えて貰おうか」
──ドスッ!
「ああぁ゛ッ!!」
蜂女の肩甲骨の辺りを、地面と縫い付けるように突き刺すと蜂女からは悲鳴が上がる。
動きを封じたとは言え、こいつの魔力は全く消費されていない。どんな反撃が来ても対応出来るよう、警戒は怠らないでおこう。
「答える気がないのなら、始末しねぇとな」
「……図に、乗るなぁ゛ッ!」
急激に高まった魔力が蜂女の下に魔法陣を形成し、俺の胴目掛けて火炎弾が放たれた。
咄嗟に距離を取ると、追撃のレイピアで無数の突きを繰り出してくる。
「これはヤバいかもわからんね」
「はぁぁあっ!!」
休む間もない刺突の連続に、次第に体には裂傷が走っていく。
「お気に入りのスーツがお前コレ……また仕立て屋行かなきゃいけなくなるじゃん」
「そんな必要ありませんわ。おじ様はわたくしのレイピアを何度も受けた……もうマトモに動けはしませんもの」
「なるほど……毒、か……」
膝が生まれたての子鹿みたいになってきた。さっさと仕留めないとやられちゃうな。
ロッドを支えに、ありったけの魔力をそこに込めた。あと一撃ですべてが決まるだろう。
「まだ立って居られるのは驚きましたわ。さぁ、心臓か脳天か……貫かれるならどちらがいいかしら?」
「どっちもお断りだ」
「そうですか。では、さようならッ」
ドス黒い魔力を纏ったレイピアを構えて向かってくる蜂女の動きを読んでロッドの端を持つ。込められた魔力を一点に集中し、カウンターを狙っていく。
「バビロニア式奥義……オータニサァァアン!!!!」
──バゴォォォオオンッ!!!!
「がっはぁあっ?!」
刺突を躱してのフルスイングは蜂女の腹を真芯で捉え、近くの定食屋に勢いよく叩き付けられた。
「定食屋さんごめん。お店壊しちゃった」
瓦礫と一緒に地面に転がってる蜂女の元へ行くと、拘束用の枷をなんとか取り付けた。毒の影響か、震えが止まらない。
け、決して合法ロリを拘束して興奮してるわけじゃないんだからね!!
「お、おじ様の魔力……これ、まさか……」
「ん?まぁちょっと珍しくはあるな。ていうかまだ意識あったの……か」
起こして牢に入れておくまで持つと思ったのに、体はもう言うことを聞かなかった。歳は取りたくねぇな。
合法ロリに覆いかぶさるように、俺の体は自由を失った。
「ちょ、ちょっと!なんでこのタイミングで倒れるんですの……!」
「お前が毒盛ったから、だろ……。責任、取ってよね……」
「いやですわ!気持ち悪い!」
「けどまぁ……このまま往来で、体を重ねておくのも、よくねぇな……青姦っぽくて恥ずかしい。さっさと情報を、吐け」
毒は全身に周りつつあるが、毒素を俺の固有魔力で破壊することは可能だ。時間は掛かるが死にはしない。
俺に宿った魔力は、対象を壊す【破壊属性】。その魔力を以て、合法ロリの魔核を半壊させている。拘束が解けようと魔力は暫く使えないし、こいつはもう詰んでる。
その旨を伝えると、観念したのか話し始めた。
「わたくし達は、ヒトの多く集まるこの機会に瘴気の坩堝で人の感情を集めると共に……魔改造兵の実戦投入、も兼ねての襲撃に来ましたわ……他にも、たくさんの魔改造兵が……この街に雪崩込んでいますの」
「へぇ、なかなかヤバそう……よっと。とりあえずお前は捕虜として牢にブチ込む。その後の処遇はロクなもんじゃねぇだろうが、命拾いしたな」
解毒も終わり、ハードボイルドに煙草を咥えながら合法ロリの足を引き摺ってギルドの地下牢へ放り込んでおいた。コトが片付いたら監獄へ送ってあげようと思う。
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