ニートの俺がサイボーグに改造されたと思ったら異世界転移させられたンゴwwwwwwwww

刺狼(しろ)

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宴会

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ロサードの町で起きた一連の事件は、七刃将の手先のサキュバスによる犯行として各地に注意喚起が回り、依頼も完遂として処理された。

そして後日、この町に来たときに提案した通り、皆で花見をしにきましたwwwwww

「カルラくんが大勝したお陰で好き放題に飲み食いできまぁぁあすwwwwww乾杯wwwwwwwww」

「かんぱい」

「ここで散財したら意味ないんじゃないかしら……」

「まぁそう言うな、カノン。今日くらい良いではないか」

「ギャンブルで勝った金です。どうせあぶく銭です」

「プリムセシアか。いい眺めじゃねェか」

夜の桜並木にテーブルを置き、持参した食事と現地調達の飲食物を並べてワイワイやり始めると、いつの間にか通りすがりの人も巻き込んでの無法地帯と化したwwwwww

「やれやれ、騒がしいね。私が研究を中断してまで来たのに落ち着いて食事も出来ないとは」

「リンドウwwwやれやれ系主人公は今時流行らないからやめとけwwww」

「そんなものに属するつもりはないが……」

「まぁ細かいことは置いといてwwwちょっと聞きたいことあるんでこっちにwwww」

皆が楽しそうにしている中席を外すのはかなり残念だけど、いくつか聞いてみたいことがあった俺はリンドウを連れ、離れた場所へ移動した。

「急にどうしたのかな?私に話とは珍しいね」

「まず、イヴっちのことなんだけど……」

今回の依頼の中で彼女が暴走した件や、本当は家族が居るんじゃないかとか、ヘビーな話を切り出した。

「なるほど。やはりあの薬では過活性状態になってしまうか」

「前に言ってたよな、俺の中に埋めたやつの元になる細胞を持ってるって。
あの子に何が起きてんのか俺にはわからない……だから、それだけでも分かってれば今回だって暴走しなくて済んだんじゃねぇかって思って」

「君にしては記憶がちゃんとしてるじゃないか驚いたよ、そうだね確かに彼女は【レムレス細胞】を先天的に持つ個体として私が造った。故に彼女にとっての産みの親は私ともいえる」

自慢げに話すリンドウは、更に言葉を続ける。

「イヴを造るのはかなり苦労したよ。適正のある人間を見つけるのがまず難関だった」

「どういう意味だ……?」

「君でも理解出来るように話すとなると遠回りになるな……。

レムレス細胞は、ある一人の女性の遺体から発見されたそして、私がそれを採取し培養して調べた結果、ヒトのDNAと酷似した新たな遺伝子配列であることがわかった。
核を持ち、内部で未知のエネルギーを生成出来ておまけに、そのエネルギーを様々な形態に変質させる。そんな夢の生物だった

その細胞には捕食機能があってね。接触した物を取り込むとその性質をコピーして成長するんだ例えば、レムレス細胞にヒトの遺伝子を食べさせる……とかね」

最後の一言に、嫌な予感が過ぎった。日本にそんなモンがあるなんてまず思わないしwwwレムレス細胞怖すぎるwwwwww

「捕食するといっても、レムレス細胞は極端に偏食だったつまり、彼らの好きな【味】を持つ個体の人間が必要だった。

私が採取して培養した細胞群はたった数百ではあるが、それら全てが気に入って食べられる人間を探すしかも、適正のある人間でさえ部位によっては捕食されないという始末……大変だったよ」

「お前、だから人体実験を……?」

「ああ。募集したり、時には死体を仕入れてみたりとあらゆる可能性を試したそして、数年の研究を経てイヴを造り出した。彼女は全く新しい生命体、第二の人類といってもいいだろう

イヴは、細胞に選ばれた部位を持つ3人のヒトの体をレムレス細胞に捕食させて繋ぎ合わせた生物だ」

それなりの覚悟をして聞いたつもりだったのに、予想を遥かに上回る真相を聞いてしまいフリーズしそうになった。改めてリンドウのマッドすぎる研究熱心さに寒気がした。

「じゃあ、記憶がないし両親も居ないのに、そんな事言うのは……」

「恐らく、元の細胞に刻まれた情報が呼び起こされてしまったのだろう。特に脳は複雑に組み合わせて3人分使っているからね」

「マジか……いや、なんていうか……うん、いや、マジか……」

暴走の原因となった薬の話を聞く前に、処理するのに時間のかかる情報をブチ込まれて頭がついていかないおっおっwwwwww

イヴっちは、三体の人間の各部位(レムレス細胞が捕食した箇所)を繋ぎ合わせて作られた個体。全身がレムレス細胞であり、地球上の人間とは違う生き物。

見た目がヒトなのに違う生物とか言われてもあんま実感ないけどwwwwww

「で、今回彼女を暴走させてしまった原因だが、私の開発した【魔核コア活性剤】の濃度が高過ぎた事が原因だろう。レムレス細胞とは、この世界で言う魔核……君やこの世界の人間が一つの臓器として持つそれは彼女にとって細胞一つ一つと言うことだからね」

「全身が魔核、イヴっち自身が魔核とも言い換えれるってことか……」

「そういうことだ。それを鎮静させる薬品もあるにはあるが、まだ試験段階だから安易に使うことは出来ないね」

それを聞いて、あのデタラメな魔力量にも納得がいった。彼女自身が制御出来るようになるのが一番早いが、何度もあんな思いをさせて訓練させるのも可哀想だと思う。

「リンドウ、今後はそれ使わせないでくれ。あの子が戦うことないだろ。兵器としてなら俺が居るんだしwwwwww」

「そうだねまぁ、私もイヴを兵器として運用するために生み出した訳では無いからそうしてくれたまえ」

「……じゃあ、何でイヴっちを造ったんだ?」

俺の問い掛けに、リンドウは答えなかった。あからさまに無視してきやがるwwwwww

「話は以上かな?もう無ければ戻ろうじゃないか」

「まぁ、話せとは言わねぇけどwww無視はしないでねwwwwその攻撃は俺に効くwwwwww」

「ふふ、善処するよ」

桜並木から離れた裏路地から戻る前に、もう一つだけ聞いてみたいことを思い出した俺は質問を投げかけた。

「あ、あともう一個あったwww」

「何かな?」

「魂ってさ、どうやったら崩れないで済むのかなwww」

ベラスルキマの塔で打ち明けられたヴァンの話だ。
この世界を探し回っても見つからなかった、彼の魂の消失を防ぐ手段を、異世界から来た俺達なら別のアプローチで見つけられるかもしれない。
そんな僅かな希望を持ってリンドウに問い掛ける。

「魂……?そんな事を聞かれてもな」

「やっぱり専門外ってやつですかねwww」

「魂というのは概念であり、物質ではない。
私には分からないが要は、その人物の記憶と感情、思考パターンを保存しようということではないのかな?」

「まぁ……そう、なる……のか?わからんけどwwwwwなんかSAOでもそんな話してたなwwwwww」

「出来なくはないが、それは本物に限りなく近い偽物になるだろう。それを一番強く実感してしまうのは、親しい存在であれば尚更だよ。オススメはしないでおく」

要するに不可能ってことなんだろうけど、何とかしてやれないものか。俺には何の知識も技術もないから、悩んでも仕方のない事かもしれないが。

「今の私でさえも成し得ない事は数多くある……どうしようも無いことも沢山、ね」

「おう……まぁ、そうなのかもな」

俺があいつとした約束は、リミットを待たず消える緊急事態になった時の事で、自然に寿命を全う出来るのならその限りではない。

方法が無いのなら、せめてその約束だけは守ろうと改めて誓う。
無意識に握り締めた拳から伝わる体温が、少しだけ鼓動を早めた。

「……カルラくん、戻ろう」

「お、おっすwwwリンドウも騒げよなwwww」

「私がそんなことするとでも?」

「してたら逆に気持ち悪いわwwwすまんwwww」

皆の所へ戻ると、賑やかを通り越して渋谷のハロウィンばりの大騒ぎになっていた。

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