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File.5

ハニーミルクティ

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この町に加工屋が居るかどうか等とマドモアゼルと話していると、ダブルロリがやってきた。

「クソ人間、お金は持ってきてるですか?」

「カルラ、これほしい。リリィとおなじやつ」

「何で当たり前のように奢ってもらおうとしてるんですかねwww買いますけどもwwww」

チョーカー型の魔道具をリリィちゃんとイヴっちでお揃いで持ってきて、俺に買うようせがまれた。なにこれ可愛い。
値段が想像の倍くらいしたのでテンションは少し下がったけど。

「お買い上げありがとうございました」

「うす……あざした」

「何をしょげてるですか」

「カルラ、ありがと」

自分で買うと決めた手前、あまり落ち込むのも悪いのは分かっているが、またクエストこなして貯金しなきゃと考えた途端げんなりする。ニート根性が強すぎるwww

「何でもないwwww次は何する?」

「灯台へ行きたいです!なかなか良い景色だと聞いてます!」

「あと、おさかなサンドも食べる」

俺もイヴっちと共に腹拵えしつつ、今度は港側の灯台へ向った。魔匠石の加工が出来る者はこの街に居ないらしいので、帰りに王都へ寄ることにした。

港が近付くにつれ、潮の香りが強くなってくる。商船や町の漁師の舟で賑わうそこを通り、先にある灯台に辿り着いた。
その下は砂浜になっており、確かに景色が良さそうだ。

「海水浴も出来そうっすねwww水着買わなきゃwwww」

「この時期に海遊びする奴なんていないです」

この世界も今は春のような気候で、確かに水着で遊ぶには少し早い気がしなくもない。

脳内資料によると、この世界の季節は地球と同じく太陽等の位置関係に加えて精霊の影響もあるらしく、それぞれの時期に活性化する属性の精霊が重要になってくるらしい。
春は地、夏は火、秋は風、冬は水といった具合に。

と、情報を読み返していると砂浜を眺めていたイヴっちが声をあげる。

「カルラ、リリィ。あそこに人、いるよ。倒れてる」

「た、大変ですっ。行ってみましょう!」

「子供じゃねぇか?なんかヤバそうwwww」

波打ち際でうつ伏せに倒れる人物は、背丈から見ると子供なのがわかった。親らしき人物も見当たらないし、何らかの事故だろう。
灯台をスルーして、そのまま木製の階段を下りると、その子供へ駆け寄る。

「大丈夫ですか?!」

「波が来ないとこで寝かせて呼び掛けたほうがいいな。俺は医者が居ないか探してくる」

「わかった」

俺は港沿いの道に飛び上がって、声を張り上げた。

「メディーーーーーックwwwwwwメディーーーーーックwwwwwww」

野次馬を呼び寄せ、そこから事情を説明してなんとか医者を発見することに成功しましたwww

医者のおじさんの診療所にて、急患用のベッドで横たわる子供の傍らに、俺達は丸椅子に腰掛けていた。
ちなみに、このチャイルドはボーイでした。髪はミルクティーブラウン。年の頃はわからん。子供は皆一緒に見えるわwwww

「あとは点滴で大丈夫だと思います。お大事に」

ドクターおじさんの話によれば、命に別状はなく、時期に目を覚ますだろうとのこと。結構長い間漂流していたように見えるものの、無意識に魔力で身を守ったのではないかとも。

「この子、いつ起きるかな」

「わからないです。ふぁ……少し眠くなってきたです」

「リリィちゃんwwwお兄ちゃんに代わって膝枕してあげますねwwwwげへへwww」

「お前がお兄様の代わりになるわけないです。身の程を弁えろです、クソ人間」

「海だけにwwwwww塩対応wwwwwwヤバいwwwうますぎるwwwやまだくぅううううんwwwwww座布団一枚持ってきてぇえええwwwwwwwww」

この後、病室で騒ぐなって怒られたンゴwwww
そうこうしている内に、ミルクティー少年がうっすらと目を開けた。

「……ここは」

「あ、起きた」

「やっと目が覚めたですか」

「いいですか、落ち着いて聞いてくださいwwwあなたが意識を失っている間に、デフィシの浜辺に打ち上げられていたのですwwww」

開かれた目は蜂蜜みたいな綺麗な色をしておりました。こいつはとんだハニーミルクティ少年だぜwwwwww

「僕は……そっか、逃げられたんだ……」

「何があったですか?お家はどこです?」

「カルラ、この子ワケアリっぽい?」

「みたいだな。良かったら話してみwww」

ハニーミルクティ少年は、俺の顔をじっと見詰めてきた。やめてぇwww見ないでェwww

「怪しい人と仲良くしちゃいけないって、お母さんに言われてるから……」

「このガキwwwwww」

「こいつはともかく、リリィ達は君の味方です」

「おねーちゃんに、話してみて。おなまえは?」

ダブルロリの優しい言葉に、少年はやっと口を開き、深刻な面持ちで話し始めた。
何だこの態度の違いはwwwふざけんな色ボケクソガキハニーミルクwwwwwwがっぺムカつくっちゃけどwwwwww
と思ったけど顔に出すだけに留める事に成功した。俺は大人。最年長。

「僕は、【ルキ・エルネスト】です……。えっと、【ゴルズべック】という町で暮らしてました……それから、えと……」

ハニーボーイの説明を要約すると、ゴルなんとかって町で暮してて、両親と共に西大陸をぐるっと周る豪華客船ツアーで遊びに来たら海賊に襲われ、両親と離れ離れに。

その海賊船に乗ってた魔導師に、よく分かんないけど何かされ、怖いので隙を見て海に飛び込んだ、とのことだった。

「辛かったですね。リリィ達がお父さんとお母さんの元へ返してあげるですよ」

「ルキ、一人でよく頑張った。えらい」

「子供にしては根性あるじゃんwwwお兄ちゃんに任せろくださいwwww」

こんな小さな体で、右も左もわからない状況ながら、なんとか危機を脱したその気力は健気さを感じた。よく見たら可愛げもある。

「お姉さん達……ありがとうございます」

いや、俺は?wwwwwwやっぱあんま可愛くないかなwwwwww

元気を取り戻したミルクボーイを連れ、俺達は王都へ向かうことになった。コイツが遭遇した海賊の情報をギルドにも共有し、俺達は調査と親探しに乗り出す予定だ。

「イヴっちとリリィちゃんはそこの少年を連れて馬車で王都に向かってくれ。WASSHOIは定員オーバーなんでwww」

「仕方ないです。行きましょう、ルキ」

「またあとでね、カルラ」

「ばいばい!変なお兄ちゃん!」

「お前マジ生意気www調子乗りやがってwwww」

二人に手を引かれて町の外で王都行きの馬車に乗ったミルク少年は、無邪気な笑みを浮かべて手を振る。
マジで何にも可愛くねぇ!発言のせいで!憎たらしさしか残らない!

「お先ィーwwwwww」

リリィちゃん用の座席を収納鞄にしまうと、俺は馬車を追い抜いてギルドに駆け込んだ。
バビさんを訪ねてギルマス部屋へ入ると、茹で卵を愛する帝、スッキーがいらっしゃった。

「ちゃすwwwあ、お取り込み中な感じですかwwww」

「ククク、おやこれは。勇者様ではありませんか」

「まぁ仕事の話ではあるが、タイミング良く終わったとこだ」

バビさんが短くなった煙草を灰皿に押し付けると、俺は先程の出来事を話した。あわよくば帝に協力させてやろうという魂胆であるwwwスッキーは退室させないぜwwww

「旅行船の襲撃、確かひと月前にも報告がありましたねぇ。ククク……」

「前は南西の海域だったか。今回もそうだとしたら、同じ奴等の犯行か」

「逃げ延びた少年の親探しがてら、そいつら潰しに行きたいんよねwwwスッキーもどう?」

軽いノリで誘ってみると、ゆで卵大好きマンは顎に手を当てて暫く思案したあと、顔をゆっくりと上げる。

「クックックッ、良いでしょう。王へは僕の方から連絡しておきます。保護した少年については、お任せします。
船の手配も考えると、動けるのは最速で明日の朝になりますが」

「おけおけwwwwwwよろしくスッキーwww」

「その呼び方はやめてくださいね。では僕はこれで」

ゆで卵ニキは俺を軽く睨むと、踵を返して出ていった。
バビさんは新しく煙草に火を着けると、椅子にもたれかかって口を開いた。

「妙に協力的だなあいつ。好感度イベントでもあったの?」

「あっても上げ方がわかりませんがwwwwww」

「だよな。まぁ、それは置いといてだ。今朝寝坊したお前は参加しなかった任務から、タカトとカノンがもうすぐ帰ってくる。リユニオンの保有する研究施設の制圧だったんだが」

俺の寝てる間に重要っぽい展開来ててワロタwwwww
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