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匂いチェックする主人公

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着物鬼ネキの暴言とチクチクする斬撃を受けながら、俺は気になっていた事を問いかけていく事にした。

「お姉さんwwwこんな所で何してたんすかwwwwオルドラっち元気ィー?www」

「クソ!!黙れッ!!」

──ザクッ!

さっきよりも力が込められた刺突が頸動脈目掛けて突き立てられる。薄皮を僅かに破った刃を掴むと、バレてないと思って未だ透明化を続ける相手の手首も掴んだ。

「おぉ、これが手ですねwwwスベスベwww」

「しま……っ!」

「それにしても、んふぅwwwいい匂いがンハァwwwしますねスゥゥゥンwwwwww」

「まさか嗅覚で私を探知したというのですか?!ていうかな、何をしているのですか!!このっ……!!」

見えないフリして匂いで探知してると思わせ、合法的に嗅覚で欲求を満たし、強そうで美人だけど割と純情そうな彼女が嫌がりそうなアプローチを重ねていく。

「ここで何をしていたか、それはどのような計画の過程なのか、そのくらいの情報を吐いてくれれば見逃してあげますよwwwそれにしてもこの香りはwww何だろうwww汗に混じって血とwwwそれから仄かにバニラのようなwww残念ながら昨日入浴したばかりのようですなwwwwwフヒヒwwwwww」

「や、やめ……っ!!」

「呼吸してるだけなのにどうしたんですかねwwww」

「優れた嗅覚をこんな使い方するなんて……!!こんな人間は初めてですよ」

お姉さんの初めてを頂きました。俺にモテ期が来ているのかもしれない(迫真)

「ちなみにお姉さんの姿、最初からバッチリ見えてましたwwwイェーイwwwwここらへんがおっぱいですwww」

もちろん触ってないです。安心してください。

「やめてください……!私の透過を看破していただなんて……ッ」

「さぁ、どうする?情報を吐くかエンドレスクンカクンカ恥辱プレイを続けるのかwwwwスゥゥウハァァァァwww暴力の中にwww垣間見える華やかさwwwこれがお姉さんのパルファムwwwメーンwwwwww」

「いやぁあっ!ちょ、わかっ……わかりましたから!」

とりあえず両手を後手で掴み、壁際に着物鬼ネキを押し付けて情報を聞き出してみる。

「じゃあ早速質問に答えて貰いましょうかwwww貴女の所属と階級、お名前をどうぞwwww」

「わ、私は……魔王七刃将【憤怒のオルドラ】様に仕える……鬼人族、【ミヅハ】……」

「スリーサイズを」

「は?この質問に何の意味が……?測ったことはありません……」

「こういう経験は初めてですかね?」

「敵に捕縛されたのは、初めてですが」

「どういう時に興奮するんです?」

「こ、興奮……?!さっきから何の話を!!」

盛り上がってまいりましたwwwwww

間違えてAVの冒頭のインタビューみたいになってしまった。まぁいいや。本題に入ろう。

「ここで何をしてたんすか?」

「魔王軍で進めている、【瘴気の坩堝】の設置の下見……です」

「どこでも埋めていいわけじゃないんすねwww」

「詳しくは聞かされていません」

顔をやや俯向けてそう語る彼女へ、釘を刺しておこうと思う。普通に嘘聞かされたら意味ないのでねwww

「ちなみに嘘を吐くとつむじから順番に下へ、全身の体臭の評価を五段階で発表していきますのでwwwwww」

「ひぃ……っ!!ほ、本当に知らされておりません!!」

着物鬼ネキの大層なビビリ具合に、良心が痛んだような気がしたけど違うわ。これは所謂背徳感ってやつですねwwwwww

「じゃあ、瘴気のうんたらの効果を教えてください。これが最後の質問ですwww」

「……瘴気の坩堝は、魔族の能力を飛躍的に向上させる【瘴気】の塊です。各地の魔物の戦力増強と、それによって得られる感情の収集率の向上が狙いかと……」

「なるほどわからんwwwまぁ見つけ次第こっちは破壊してくスタンスで良さそうですねwwwww」

「さぁ、約束通り私を解放してください」

心底不愉快だったらしく、涙目で苦虫を噛み潰したような顔選手権上位に食い込まんばかりの不機嫌フェイスの鬼姉さんを解放しましたwww

「いいですよwwwオルドラくんによろしくwww」

「この借りは……いつか必ず返しますッ」

涙を浮かべられながら嫌悪されるのも悪くないと、そう思いながら俺もWASSHOIに乗って颯爽と別荘へ帰還した。
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