ニートの俺がサイボーグに改造されたと思ったら異世界転移させられたンゴwwwwwwwww

刺狼(しろ)

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人類の危機だろうと悪いやつは悪いやつのまま

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ギルマスのバビロニアのおっさんこと、バビさんから持ち込まれた特別な任務を受けてしまった俺達は、別荘に帰還してその内容を再確認している最中です。

なんか面倒くさい事になりそうな悪寒がしますねwwww
タカトと俺は渋い顔をしながら任務の内容が書かれた紙を覗き込んでいる。

「【奴隷オークション現場の摘発】……ねぇ」

「こういうのって騎士団がやるんじゃないんすか、カノンさんや」

この世界には警察組織はなく、国で起きた犯罪等の対応はその国の騎士団が務めることになっている、という話を以前聞いていた俺は、カノンさんにそう訊ねる。

「そうね、主に騎士団の仕事で回ってくる事はあるけど、どちらかといえば【帝《みかど》】の仕事ね」

「みかど?」

オウム返しに聞き返すイヴの頭を優しく撫でると、カノンさんは話を続ける。

「帝というのは、騎士団とは別の特別な役職。軍へ属さず、一人一人が実力者で、元は冒険者だとか魔道士の秀でた才能を持つものに与えられるの

少数精鋭が向いている任務とか、軍を動かせない状況であったりとか、緊急時の迅速な対応も求められるわね」

「なるほどつまり、選ばれしエリート集団という訳だね」

「そうね。彼等は得意とする属性や技能があって、それになぞらえた称号を持っているわ。例えば、火属性魔法なら【炎帝】とかね」

リンドウのざっくりした解釈とカノンさんの追加説明を聞きながら、要するに昨今の異世界転生系のテンプレ役職であると解釈すると、俺は口を開いた。

「タカト、エンテイだってよwww唯一神じゃんwwww劇場版でサトシママを誘拐し幼女と一緒に監禁した伝ポケやぞwww」

「マジかよ、それちょっと見たいわ。
それはそうとエンテイがいるなら、スイクン、ライコウも居るんだろうな多分」

「ご主人様、また訳分かんないこと言ってふざけてる~。めっ♡」

「おぼふwwwwwwwww」

思わずポケモンの3犬を思い出してタカトとふざけてたらシャルからお叱りのおっぱいプレスを受けましたwwwwなんだこのマシュマロバストwwwwww溺れちゃうwwwwww

「サキュバス、不愉快です。やめろです」

「カルラ、使い魔の躾くらいちゃんとしろ。俺の妹に何見せてんだ羨ましい」

「お兄様本音漏れてますwwwwww」

「だだもれ」

「お兄様のあほぉ!!」

リリィちゃんにポコポコ殴られてるヴァンを眺めつつ、シャルを引き剥がして本題に戻った。

「っぷはwww要はオークション潰して参加者捕まえろって事でいいんすよねwww」

「そうね。参加者は捕縛、商品として拉致されてきた人達を保護することも含まれてるわ」

「だいたい分かったwww」

その後、決行時の細かい内容を決めながら、俺達は夕食を済ませて就寝した。


ベッドの中で睡魔に抗いもせず、微睡から深い眠りへ落ちていく心地よい感覚を味わっていた時。

「しー……」

「な……で、リ……」

微かな声が鼓膜を僅かに揺らす。多分二人いるなこれ。

俺はゆっくりと目を開けると、何やら観察するかのように、俺と目線を合わせてベッドの横で座って真横から見つめて来るイヴっちとリリィちゃんが視界一杯に広がった。

「え、どういう状況……?!」

「カルラ、起きちゃった」

「なっ、ななな何でもないですっ」

何でもなくは無いですよね、と思いつつ体を起こすとリリィちゃんだけが大袈裟に飛び退いた。

「い、イヴが血を飲ませてくれると言ってたので着いてきたらお前の部屋だっただけです!別に美味しかったとかないですから!あほ!血を吹き散らかして永遠に眠れです!」

「寝起きに死を願われるとは思わなんだwwww朝一美少女wwwww」

「血、なくなった。ほしい」

リンドウにパックして渡しておいたものがもう無くなったらしい。イヴっちの食欲増加に重なって吸血鬼の分もとなると、流石に干乾びてしまうのではwwwwww

そんな事を考えてる隙に、イヴの口が俺の指へ噛み付こうとしていた。

「へいお嬢さんwwwどないしたんやwwwwテイクイットイージーやでwwww」

「意味わかんない」

「ごちゃごちゃ言わずに飲ませろです!」

このあとめちゃくちゃ吸血された。

そんなハプニングもありつつ、二度寝からの起床で全員で朝食なうです。

「血肉になるものをwwwしこたま食わせてくださいwww」

「朝から元気だなお前。顔色悪いくせに」

「恐らくイヴと……リリィくんがカルラくんから血を貰ったのだろう、違うかな?」

リンドウの推理は図星だったので、リリィちゃんは当然の如く取り乱しててほんと面白かったです。

「もっ、貰ってなんか!」

「おいしかった」

「貰ったのね……」

「リリィ、夜這いとかはしたないマネするなよ。兄さんは悲しいぞ」

「夜這いするならシャルも呼んでほしかったー!」

「だから違うんですぅ!イヴに付き添っただけなんですぅ!」

「小学生かよwwwwwwwww」

雑談はさておき、今日は例の任務の当日。
出撃メンバーは俺とカノンさんとタカトだけ。
リンドウはシャル以外を一度検査しておきたいとのことで、参加はしないらしい。

「じゃ行ってくるwwwシャルは何かあったら呼ぶべwww」

「はーい♡」

出発する寸前までシャルがおっぱいを背中に押し付けてきていたので引き剥がした。

「ドンタッチミィィイwwwwww」

特に理由のない性欲がカルラを襲う!

そんなわけで、一度王都のギルマスの元へ顔を出した。
帝の一人と共同で遂行するらしい。髪の長い美少女がいいなwwwww

「おはようお前ら。まだ帝のやつ来てねぇから、適当に座っててくれ」

気の抜けたバビさんの挨拶を聞きながら、俺達は無駄にデカい応接用と思われるソファに腰掛けた。

「タカトくんや、帝って会ったことある?」

「いや、ねぇな。個人としては国の最高戦力だし、そう簡単には会えないんじゃないか」

「あぁでも、私は遠目からだけど見たことあるわよ。建国祭のパレードで」

この国祭りとかやるんだなwww等と思いながら雑談をしていると、扉がノックされた後、ローブを纏った人物が入ってきた。


「来たか、【闇帝あんてい】くんよ」

「クックックッ、お久しぶりです。ギルドマスター、バビロニア・フォルクスワーゲン殿」

バビさんがローブマンに声をかけると、そいつは喉を鳴らすように、ニヒルな笑みを浮かべた。声と背丈からして男確定。残念でした。

それにしても何だコイツwwww厨二臭い笑い方してwwwwww同じ臭いがしやがるwwwwww

「相変わらずだな。今回の任務は、先日召喚された勇者とその一行も手を貸すことになってる、指揮は頼んだぞ」

「おや、応援が居るとは訊いてましたが、まさか勇者様だったとは……クックッ、なるほど」

なるほどwwwwww何がわかったんだwwwwww

「カ、カノン・リヒテンシュタインです」

「タカト・サカキだ」

カノンさんとタカトは帝の立場がどれ程凄いか理解しているからか緊張気味に名乗っていたが、この世界で天然ものの厨二病患者を見られてテンションが上がった俺は、自然と口角が吊り上がり吹き出しそうになるのを必死で抑えた。

「ぐぶ……っ、わ、我こそは勇者、カルラ・オオカミだ。天地開闢の使者にして破壊と創造の権化、終焉を望みし深淵と言われている」

「すみません、よくわかりませんが、凄まじい力をお持ちなのですね。よろしくお願いします」

Siriかお前はwwwwwwノッてこいよwwwwww
よく見たらタカトとついでにバビさんも僅かに肩を震わせながら笑いを押し殺しているようだった。

「お、おま……っ、お前やめろよ初対面で……っ」

「つまるところお前はなんなんだっていう……クッソこんなんで……ぶふぉっ」

「おい、何笑っとんや。おう、コラ、やるならやってやんぞ」

ちょっとバカにされて恥ずかしくなったので、ブレイキングダウンに出てくるヤンチャなお兄さんの真似をしながらその場を凌いだ。
致命傷で済んだぜ。

気を取り直し、作戦会議に入った。厨二病クククニキはそこで初めてローブを脱ぎ、その全貌が明らかになった。

鮮やかな紫の長髪に、鋭い眼つきの金色の瞳。どこか影のある美形といった印象だった。全く腹立たしいです。顔のいい男は死ね。

「遅れましたが、自己紹介させて頂きます。僕は【スキア・フォボス】、エルダー王国に遣える帝……闇帝をしています」

暗黒厨二マンことスキアは、簡単に自己紹介を終わらせると、さっさと本題に入った。

「僕が独自に調べた結果、オークションは隣の街の貴族が保有する館の地下で開催されていることが判明しています。

今回はその現場を抑え、主催者である【ドミネウス子爵】を始めとする関係者の確保、及び被害者の保護を目的としています」

「ドミグラスソース子爵ね、把握。館ごと押さえないといけないって事になるな」

「そうだな、抜け道とかもあるかも知れねぇし」

「配置はどうするんですか?スキアさん」

カノンさんがそう訪ねると、スキアは口角を僅かに吊り上げてほくそ笑んだ。そういうのいいから早く言えよwww
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