ニートの俺がサイボーグに改造されたと思ったら異世界転移させられたンゴwwwwwwwww

刺狼(しろ)

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襲撃

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カノンさんの話では、王都のような大きな街や一部の町には結界魔法が施されているが、農村や小さな町にはそれがなく、騎士団は自国領地の防衛に駆り出される事も最近では増えてきたとのことだった。

「騎士たちも手練れ揃いだからそう簡単にやられはしないけど、団長は帰還して部隊の再編成してすぐに発つなんてことも多いくらいだし」

「そんなクソ大変な時にクビになった副団長ちゃんがカノンさんというわけですな」

「う、うるさい!クビじゃないもん!」

「カノン、かわいそう」

そんな話をしていると館のベルが鳴る。ターニャさんがいそいそと対応しにいった数秒後、甲冑の男が入ってきた。

男はかなり焦った様子で、片膝を付いてカノンさんに声を荒げる。

「副団長!応援要請です!」

「マーク!何があったの?!」

「お、王都が、魔族に……ッ!襲撃されております!!勇者様方のお力も貸して頂きたく……!!」

「魔族……ついに来たか」

「まぞく?」

マークさんの報告に俺達は息を呑んだ。さっきまでの放課後ティータイムみたいな雰囲気は消え去り、緊張が走る。

「わかったわ、すぐに行く」

「カノンさん、装備は?今修理中なんだろ?」

「大丈夫よ。それよりカルラ、力を貸して!」

「馬を用意しております!お早く!」

一転して慌ただしい雰囲気になったところで、奥から竜胆が頭を掻きながら顔を出した。

「騒がしいね、何があったんだい?」

「はかせ、街が大変」

「私とカルラは応援に行くわ!」

「おっと、そういうことなら私も行かなければ。カルラくんの戦闘データも取るいい機会だし持ち込んだ武器の性能も試しておきたいからね」

「イヴも」

この状況で呑気すぎる返答だが、戦う意志はあるようだ。
しかし、イヴが戦闘に参加するのはどうかと思った。とてもじゃないが戦えるとは思えない。
戦うロリもそれはそれで素敵なんですけどもwwwフヒヒwww

ともあれ、支度を済ませた俺達はマークっちの操る馬車に揺られている。竜胆は収納鞄から取り出した武具をカノンさんに手渡して語り始めた。

「これは私が開発した近接戦闘用の防具だ。本来はこの上に装備を着る為のものだから簡易的なものだが防刃防弾耐火性は保証するよそれから、これが振動刃コンバットナイフ、ショックグローブだ」

細かい振動を発生させ切断力を上げるナイフと、拳に走る衝撃をトリガーに800Vの電流が流れる機能が付いた手甲らしい。丸腰回避は一安心だけど、防具を取り付けると各部にベルトを通す形になるので、白い肌に黒いラインが走ってちょっとエチチチだな等と思った。

「あ、ありがとう。あなた凄いのね」

「いいなそれwww俺にも何か無いの?」

「カルラくんには専用の武装がある。近接戦闘用レガース【スレイプニル】と名付けた。各部位のギミックは既にインストールしてあるから今のうちに予習しておきたまえ」

「はかせ、イヴは?」

「君は私と待機だ」

「んむーっ」

仲間外れにされたと思ったのか頬を膨らませて不貞腐れるイヴたんかぁいいよぉ!!お持ち帰りィー!!(竜宮レナ並感)

準備も間に合わせた頃には、王都から黒煙が上がっているのが見えた。門周辺では騎士や腕に覚えのある者達が武器を手に、異形の魔族達と激しい戦闘を繰り広げている。

カノンさんとの試合の時とは違う、命を賭けた戦いが目の前で。

「行くわよ、カルラ」

「おっ、おっぱい!間違えた、おっけい!」

「バカ!」

軽く頭を叩かれつつ、後ろ蹴りの要領でてつをの如く雄叫びを上げながら、近くの魔族へ一撃を加える。

「ア゛ー゛エ゛ッ゛キ゛ッ゛!!!!」

──バギャァアッ!!

「ぐぁあっ!!」

足裏から伝わる堅いものを砕いたような鈍い音と、敵の悲鳴が木霊した。
このスレイプニルは俺の蹴力を最も理想的な威力に昇華させる為に造られており、反対にこちらに来る反動を分散させるアブソーバーも備わっている。

「威力やべぇ……」

「大砲でも直撃したみたいだったわね……」

足裏には小さなキャタピラのようなパーツが複数組み込まれており、キックの衝撃を感知した瞬間高速回転を始める機能もある。

「勇者様とリヒテンシュタイン副団長だ!」

「これで街は守られたも同然だな!」

自分の武器の性能にカノンさんとドン引きしていると、苦戦を強いられていた兵達が士気を上げてくれたようだった。

「カルラ、すごい」

「やはり私の造ったものは完璧だね」

入口周辺の魔族をあらかた片付けると、待機組もやってきた。
まだ商店街で戦闘音が鳴り響いてるから安全とは言い難いので、二人には大人しくしててほしいな。

「カノンさん、向こうにもまだ居るっぽいwww」

「そうね。二人はまだ安全な場所に居て!」

「そうはいかないよ。魔族もサンプルが欲しかったところだ……この個体はあまり強そうではないがいいだろう、複数確保だ」

カノンさんの心配を他所に、竜胆はイヴの手を引いて露天エリアに歩いていった。

「大丈夫かしら……まぁとにかく、残りも早く片付けましょう」

「独断専行するからには何かあるんでしょwwwそれより先に行きませうwwww」

二人で荒れた商店街を走った。店が壊れてるわ石畳は捲れ上がってるわで世紀末感すごいwwww

「ん、あれは……!」

この襲撃がどんどん奥へ向かって被害を撒き散らしていることから、目的は王城なのではと思っていた矢先、見覚えのある後ろ姿を捉えた。

「レナちゃん!」

「ゆ、勇者様……」

彼女は店と店の間から顔を覗かせて恐る恐る周囲を見回しており、青ざめた顔をしている。その足元にある花を売っていた車も、無惨に壊されていた。

「レナちゃん怪我は?」

「酷い……お花もめちゃくちゃね……」

「怖いお兄さんが来て、眼の前で壊しちゃいました……やめてくださいって、うぅっ、言えなくて、わたし……怖くて、動けなくて……ひっく……」

思わず拳を握り、奥歯が鳴る程噛み締めた。母親のために一人で頑張っていたこの子を悲しませるような、そんな事をする魔族が許せないと思った。

「俺がソイツぶん殴ってやるし、荷車も直すの手伝うから、今は安全な場所に行こう」

「勇者様……ありがとう」

「私が案内するわ」

カノンさんがレナちゃんの手を引いていくのを見送ると、俺は城へ向かって駆け出す。
この体になってから全力疾走するのは初めてだが、ものの数秒後には魔族と交戦中の騎士達の姿を確認し、俺はそこまで跳躍して派手に着地した。
やばwwwドッスンの真似するタイミングこっちだったわwwww

「エ゛エ゛ッウ゛ン゛!!」

土煙が晴れるのを待たず、魔族も騎士達も一斉に此方を警戒している。

「何だ?この人間」

「一人で来るとは命知らずな」

「一人だけかよ。オイ人間、ここは遊びの場所じゃ……」

いかにも悪役って感じの柄の悪い魔族くんが歩み寄ってきて、俺の胸倉を掴む。その手を力一杯握り、睨み付けながら声を上げる。

「イー↓シャン↑リンチー↓チン↑シャオ↓ラー!」

「なっ、はっ?」

俺の威嚇に理解が追い付かなかった魔族くんを、そのまま背負投げしてやったったったったwwwwwww

「チョン↑パァ!」

──バコォオッ!!

勝利宣言と同時に盛大に地面に叩き付けられた名もなき魔族くん、ヤムチャさんみたいに地面にクレーターを作って無事死亡wwwwwww

「聞け魔族共!俺は勇者、カルラ・オオカミ!魔族の責任者の中の責任者、出てこいやwwww」

「勇者様だ!」

「勇者だと?!」

途端にざわつきが広がる王城前。するとそこへ、一人の魔族が蝙蝠のような翼を羽撃かせて舞い降りた。

「へぇ、勇者召喚がされたのってホントだったんだぁ」

上空から降り掛かる声は、思わず恋愛サーキュレーションあたりのアニソンを耳元で歌って欲しくなるような大変可愛らしいお声。そして露出度が大変な事になっている痴女さんだった。
見た目はサキュバスっぽい。
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