ニートの俺がサイボーグに改造されたと思ったら異世界転移させられたンゴwwwwwwwww

刺狼(しろ)

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デートって要するにエクササイズなんですよ

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俺は今までの人生でモテたことがない。正確には、好意を寄せたり寄せられたりした際のアプローチで失敗しているとアドバイスを頂いた事がある。
全く心当たりがないなぁ(すっとぼけ)

「何処か気になるお店はある?」

「武器とか全然アレなんでとりあえずカノンさんのオススメでwww出来ればイヴちゃんに装備させるならビキニアーマー、カノンさんに装備させるならむっちりピチピチエロタイツがいいんですけどwwww」

「ごめん、後半何言ってんのか全然わかんない。とりあえずカルラに壊された武器と鎧新調したいから、付き合って貰えるかしら」

こっち側の俗称だから伝わらなかったっすねwwww
カノンさん行き付けのお店に行くことになりました。人混みを掻き分けて進むのは少し慣れて来たけど、この通りはあまり道が整備されておらず、店先に投げ売りされてるボロい武器に躓いたりした。体幹鍛えられていいですね。

すれ違う人の背中の得物で額を擦られたりしつつも、ついに目的地へ到着した。無駄に疲れた気がする。

「ごめんください。リヒテンシュタインです」

「これが武器屋さんか……はぇ~……」

訪れたのは石造りの立派な工房で、看板には【デミウルゲイン】と書いてあるらしい。商品を所狭しと置いているだけの飾り気の無い店だ。
店内に目立つように壁に掛けられた物は自信作ってことなのだろうか。話に聞くと、騎士団にも剣や鎧を納品したり、メンテで訪れたりと懇意にしているらしい。

カノンさんが店の奥に声を掛けると、分厚い革エプロンと手袋を装備した大男がぬっと現れた。短く刈り上げられた頭や無精髭からも職人堅気って感じが伝わってくる。

「よぉ、副団長さんじゃねぇか。男連れとは珍しいな。どうした?この前鎧も剣も拵えてやったばっかじゃえねぇか」

「こんにちは、ランバットさん。いやぁ、それが……ですね、こうなっちゃったんですよ……」

カノンさんは物凄く申し訳無さそうに俺にぶち壊された装備の残骸を大きなカウンターに広げた。

「こいつぁ……!!何があった?!」

「ホント、申し訳ないです。コイツに壊されちゃって……」

「はぁ?!このガキが?!」

「ひぇっ」

睨まれたwwwwww超怖いんですけどwwwwww
店主のランバット氏は怒りと、俺がそんなこと出来るはずがないと言いたげな疑いの眼差しを向けてきた。

「オイ、お前がやったってのはマジか?この鎧も剣も厳選した希少鉱石だけで作った特注品なんだぞ」

「そんなこと言われましてもwww殴ったら壊れてしまいましてwwwwww」

「俄に信じられねぇな……。で、コレを直せって?」

露骨に不機嫌になったランバット氏めっちゃ怖いwwwカノンさんも普通にビビってんじゃねぇかwwww

「あー……まぁ、出来れば……はい……。ていうか非常に申し上げにくいんですけど、半年後に暫く旅に出るので、軽装鎧にしてほしいなぁ……なんて」

「ったく、とんでもねぇ客だなアンタ。まぁ、これだけ壊れてりゃ元通りは無理だからそれでいいか……。それから、料金はローンに上乗せにしといてやる」

「ひぃ……っ!ち、ちなみにおいくら程……」

「まぁ、元値が60万ゴールドだから……プラス15ってとこだな。全身鎧と大剣の修理にしたらまだ安い方だと思うぜ」

「合計75万……わ、わかりました……」

がっくりと肩を落とすカノンさん。この世界のゴールドって単位は日本円に換算するとどのくらいなんだろう。
わかんないけど普通に大変な額なのだけはわかった。

「なんかごめんね、借金副団長」

「誰のせいだと思ってんのよ」

「ごめんてwwwwww」

結構強引に戦わされた訳だから大臣ちゃんのせいじゃねwwwwwwとは言えず、俺も平謝りするしか出来なかった。

「暇がねぇのは良いことだが、こんな案件は生まれて初めてだぞ。アンタ何者なんだ?」

「自分、勇者っすwwwカルラって呼んでねwww」

「勇者……って、まさか国王陛下が言ってた勇者召喚が成功したのか」

「はい。彼は召喚魔法でこの世界に来た異世界人です。他にもあと二人居ます」

「3人も呼び出しちまったのか?!宮廷魔道士頑張りすぎだろ」

どうやら、勇者召喚を行う事は全世界に向けて発表していたらしいが、一人じゃない事については大層驚いておられたwww
まぁ、普通一人だと思うよね。

「じゃあカルラ、お前にも何か造らせてくれ。勇者の武器を造った職人となれば、後々箔も付くからな!」

「いいんすか!あ、でもこの世界のお金、そんなに持ってないっすよ」

「まぁそれは……いい。お前が気に入ったら王様に宣伝しといてくれや。それに、俺の渾身の一品を粉々にしやがった奴が使っても壊れねぇモン造るとなっちゃ、腕が鳴るぜ!どんな武器がいい?やっぱ剣か?勇者っつったら剣だよな!」

ランバット氏めっちゃ目キラキラしてるwww
けど、何でも造ってくれるなら俺には要望があった。

「そうだなぁ、剣もいいけど銃……とか、ダメっすかねwwwwww」

「銃……?」

「それってあの、鉄の玉を飛ばすっていう?」

「そうそうソレwwwんで形はリボルバーで銃身はデカいやつが良いwwww」

その後も俺の熱弁は続いた。何なら絵にして説明した。
ランバット氏とカノンさんは終始『なんでそんな物を?』的な態度だったけど、厨二全開で【ぼくのかんがえたさいきょうの武器】をプレゼンしたら最終的には納得してもらえたようだ。

「発想は面白いけど、肝心の弾はどうするのよ?」

「俺も流石に魔道士じゃないから、彫金は出来ても術式刻んだりは得意じゃねぇからな。複雑過ぎる」

「じゃあそういうの出来そうな魔道士さん紹介してもろてwwwwww」

そんなこんなで、次のお店が決まった。
ちなみに、旅の基本的な装備は買わせてもらった。
革製のベルトに、各種道具を収納する小さなポーチと、料理から戦闘まで幅広く使えるナイフや、伸縮性の高い不思議な鎖【蛇峰鞭じゃほうべん】と呼ばれる物。これは武器としてよりも、登山や捕縛に使われる事も多いんだとか。

「ではランバットさん、修理の方よろしくお願いします。また伺いますね」

「ふっ、頼んだぞブラックスミスよ。まだ見ぬ我が相棒達、楽しみにしている」

「おう、しっかりやっとくぜ副団長。ていうかカルラ、何だその口調は」

「すんませんwww」

設計図をランバット氏とで意見交換しながら制作したこともあり、ちょっと砕けた態度も見せるようになった彼に、俺も真の姿の片鱗をお見せしておいた。
ともあれ、次はあらゆる物に魔法を刻む事が出来るという【魔道士】を訪ねることになった。国に仕え、主に複数人で行う大魔法を得意とする宮廷魔道士とは違い、個人で店を構える魔道士は珍しくなく、各々が得意な分野のみを極めた変わり者達が多いらしい。

注文が職人が出来る範囲を超えている際は、紹介状を書くというのもよくある事なんだとか。逆に、魔法的な加工を施した素材を何らかの形にして使う場合は、職人に紹介するというのもあるので、持ちつ持たれつの関係があるらしい。

「これから行く店はどんな人が居るんだ?」

「まぁ、変な人……ね。カルラの希望に添えるのは彼女だけだと思うけど」

「カノジョォ!オンナノヒトォ!タノシミィ!」

「なんで片言なのよ……」

場所は相変わらず舗装の行き届いてない通りを、国の入口側に向かった先で一本奥に入った路地裏。
陰気な印象を受けるそこに、古びた一軒の木造建築物があり、扉には赤黒い魔法陣が刻まれている。

「なんかもうヤバそうwwwww中で人死んだりしてない?」

「してないわよ。この魔法陣は【客選び】といって、悪意を持った人間は弾かれてしまう結界の一種よ。強盗とかそういうのね」

「ほーん、防犯対策って訳か」

魔法陣には弾かれず、二人で中へ足を踏み入れた。薄暗くて薬品臭い。保健室の匂いレベル100って感じです。
そして、そこには見慣れた人物が店主らしき人と何やら話していた。

「だからその原理を説明したまえと言っているんだ」

「だから説明してるじゃないか。魔法だよ」

「魔法、すごい」

「何やってんだお前ら……」

「リンドウにイヴ。来てたのね」

たまたま迷い込んだにしても、偶然って怖い。
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