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プロロロローグ

強化人間って憧れるよね

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燃え盛る教会。そこで俺は異形の化け物【未確認生命体・グ○ンギ】と対峙していた。蝙蝠を思わせる大きな耳と、腕から広がる飛膜。狂気と殺意に満ちた凶悪な眼光、ズラリと並んだ鋭利な牙が口から覗くそいつは、尚も俺と刑事さんを殺さんと唸りを溢した。

一条さんは既に化け物にやられていて、戦う力を持っているのは俺だけ。
考える前に、体が彼の前に出ていた。

「戦います、俺!」

「まだそんなことを!!」

彼は職業柄、俺が首を突っ込むのを拒んでいた。当然の反応だ。けど、戦える力を持っているのにそれをしないなんて選択肢は俺にはない。

「こんな奴らのために、これ以上誰かの涙は見たくない!」

コイツ等に平和を脅かされて、涙を流した人達が沢山いる。

「皆に笑顔でいてほしいんです!」

それなら俺が、皆の笑顔を守る。戦うんだ!!

「だから見ててください!俺の!!変し……知らない天井だ」

そこで目が覚めた。あの変態ホモ焼きそば博士が改造人間とかそんな事を言ってきたからか、某リントの戦士の夢を見てしまったようだった。

ヤバすぎwwwクウガはやはり名作ナリwwww

とりあえず自分の状況を確認してみよう。
白で統一された個室のベッドに寝かされていて、窓はない。何ならベッド以外何もない。眠らされてからどのくらい経ったのか判断する材料が全く無い。

ないない尽くしじゃねぇか……何だここ。

そして重大な事実が一つ。

「ほう、俺をこの程度で封印したつもりか」

分厚い革ベルトを金具でガチガチに固定されているのだ。体の自由が利かないでござるwwwこれはいやらしい展開に期待wwwデュクシwwwwwwオウフwwwwwwwww

「フヒヒwwwwwwおっと……とりあえず、暴れてみよう」

身を捩ったり跳ねさせたりすると、ベッド全体が軋みを上げ、ベルトや金具もギチギチと鳴った。
見た目程固くはないのかも。それならば、本気マジでやるしかない。

大きく息を吸い、可能な限り体をベッドへ沈ませた。

「ンスゥーーー……wwwwwwソォイッッwwwwwwwww」

掛け声と共に全身の筋肉を使い、上体起こしの要領で上半身の拘束に抗った。

──バキィイッ!!

けたたましい破壊音を響かせながら、ベルトが吹き飛んでベッドのフレームを大きく歪ませる。
予想外にも程ある結果に、笑いが込み上げてきた。理解が追い付かないとつい笑っちゃうよねわかるわかるwww

「何この力wwwwwwそれともベッドが脆かったのかwwwwww」

これがあの変態マッドサイエンティストホモ焼きそば博士の施した手術によるものだとしたら、俺はこれからどうなってしまうのだろうか。
せっかく手に入れた力だと思って楽しめばいいとは、素直には受け入れられない。

目の当たりにした自分の力を、これから制御出来るのだろうか。

──ガチャ。

「ようやくお目覚めだねカルラくん、調子は良さそうだね」

俺の状況って割ととんでもないんじゃね?等と思っていると、扉が開いて変マホモ焼博士(変態マッドサイエンティストホモ焼きそば博士の最省略形)が入ってきた。
破壊されたベッドを見て心做しか嬉しそうに見える。

「貴様、俺の体に何をしたッ」

「それは今から説明しようまずは、君に投与したモノと施術内容について。
執刀医は私、【唯我崎 竜胆ゆいがさき りんどう】だ。

君に投与したのは私の発見した【レムレス細胞珠さいぼうしゅ】といって、コイツは人間の細胞にのみ癒着して神経を繋ぎ宿主の遺伝子情報を高速で書き換える能力を持っているしかも、適合した個体に対しその性質は極めて受動的つまり、君が意のままに操ることが出来る」

「ちょっと待って早い早いwww興奮しすぎだからwwww意味不明だしwwww」

「君レベルの頭でも理解できるよう説明しているのだが」

「やかましいわ」

話の腰を折ってしまったけど、この先の説明を聞くのが若干怖い。たまたま適合したから制御が出来るということは、しなかったらどうなっていたのだろう。

「まぁいいだろう続きだ、君が適合したのは私の経験上初。手術では多量の造血幹細胞の埋め込みをしたわけだが、レムレス細胞珠にとって宿主の血液は多ければ多い程その能力が活きるそれに伴って、必要となる臓器も私の開発した疑似臓器が埋めてある。サイズは本物の1/10程だから違和感はないだろう?

経過観察も兼ねて一年はここで過ごしてくれたまえ勿論、給与は払おう」

「一年も拘束されるなんて聞いてないwww」

「まぁあくまで目安だ。さて、目が覚めたなら早速やって欲しいこともあるので付いてきてもらおう」

目安ってことは長くなる可能性もあるんだよなぁ、等と不安になりつつ、渋々変マホモ焼博士の後へ続いて部屋を出た。逃げ出したところで、コイツは発信機的なもので追ってきそうだし、脱出するのはもっと計画を練らないといけないと思ったからです、まる。
どうやらここは地下だったらしく、窓のない廊下を進んでいくと、行き止まりの大きな鉄扉が現れた。

「随分厳重な封印をしてるじゃねぇか。コイツを俺の力で破れってことだろ?任せてくれ」

外されてしまっていた自前の包帯とは違う、ちゃんとした腕の包帯を緩めながら口角を吊り上げて指を鳴らして見せた。サイボーグになった今の俺にしか破壊出来ないってわけだ。

「違う。少し大人しくしててくれたまえ」

「アッハイ」

全然違ったンゴwwwwwwwwwwww
数秒、扉の端末を弄っていたかと思うと、腹に響くような重低音を響かせながらゆっくりと鉄扉が開いた。焼きそば博士曰く、カードキー、指紋、網膜、パスワード入力でしか開かないらしい。

中は大小様々な機材と、得体の知れない物質に満たされたビーカーやフラスコ、試験管がいたる所に置かれており、乱雑とした様子だったのだが、何よりも目を引いたのは中央に設置された巨大な円柱形の装置だった。

「何だコイツは……?!」

「彼女はレムレス細胞の元となる遺伝子を先天的に持つ個体。名は【イヴ】だ」

装置の中は青白い液体に満たされており、その中に銀世界のような白髪の色白少女が眠っていた。全裸・・で。

「っていうか裸じゃねぇかwwwwwwフヒヒwwwwww」

少女は髪だけでなく、眉も睫毛も白かった。アルビノっていうんだっけ?あとおっぱいはですねwww多分Bくらいですね知らんけどwwwwww

「彼女を保管していたのは理由がある。彼女の遺伝子を元に開発した細胞珠に適合し、制御が出来る状態であるにも関わらず彼女は眠りから覚めないだがしかし、生命活動は全く問題なく続いているのだ」

「で、俺には何をしろってんですか」

「簡単に言えば血を分けてあげてくれないかと言うことだ」

焼きそばマン曰く、別個体からの血を取り入れる事で現状に変化が現れる可能性が高いのだということだった。
有無を言わさず装置から延びるチューブを引っ張りだしてきたコイツを見るに拒否する権利はないと察したが、そのチューブの先端に取り付けられた無数の針が生え揃ったそれを、無遠慮に腕にぶっ刺された時はぶん殴ってやろうかと思った。

「いってぇwww俺注射マジで嫌いなんだけどwww」

「本当に苦手ならばもっと取り乱すと思うんだが……まぁいい。君の身体についてもう少し説明をしておこうか。
君は改造人間、有機的化学物質を埋め込んだサイボーグであるが、もう一つ別のものを組み込んである」

「レムレスナントカ以外にも何かあるのか……」

さっき聞いただけでも人工人外になってるなぁと痛感したのに、まだ何かあんのかよ。もう驚かないだろうけど。

「脳に幾つかチップを組み込ませてもらったんだ。コレによって君はマルチ検索デバイスを脳内で使用できるというわけだ、素晴らしいだろう?」

「どこの探偵の相棒だよwwww
……はっ?待てよ、ということはわざわざスマホもPCも無しに神絵師のえちちイラストが拝めるということか……?!」

試しにSNSのツッタカターやピックシヴでフォローしているお方を妄想する要領で検索をかけると、画像が鮮明に脳裏に浮かぶ。

やべぇwwwwwwwwwこれはwwwwwwwww何処でも供給されるやつwwwwww

「用途が俗物過ぎるがまぁいいだろう……その機能を使えば、ネット上に存在するあらゆる情報をシームレスに得られるということだつまり、その体を活かした戦闘技術なんかもね」

「戦闘って……俺が何かと戦うと?」

「レムレス細胞珠は元から軍事利用を目的として開発したものだ」

はぇ~何いってんだコイツは。ニートの俺が戦争で活躍出来るとでも思ってんのかよwww働く気は無いぞwww
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