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番外編

    巫子の日常 5※

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「……」

 どこまでも嬉しそうなリベリオを睨んで……ペコラはその差し出された唇に顔を近づけた。

「っ、ん……」
 口付けると、すぐに応じるように舌が絡む。責め立てられて出そうになる声をリベリオが塞いだ。
 深いキスにまだ慣れないペコラの舌を捕まえ、吸い付き唾液を交換する。
「は、っん……っ――――ぅ」

 もちろん雄茎にその間も擦られ長く耐え切れるはずはなく、受け入れたまま達する。絶頂の悲鳴は幸い、外に洩れることはなかった。
「っは……あ、……っ」
 まだびくびくと震えて敏感な身体のまま、口を離した。

 蕩けたペコラの顔を見て、愛おしそうに頬を撫でたリベリオが背中側に手をやると――――カチャ、と小さく音がして扉が開いた。
 思わず目を見開いて固まる。

「……ま、まさか鍵、初めから開いて」
「いえ、閉まっていましたよ」
 リベリオが鍵の上に手をおくと、それが自在に開いたり閉じたり。
「騙しましたね!」
「黙っていただけです」
 けろりと言う。扉が開いたおかげで呼吸困難が近い肺に新鮮な空気が入るのは有難いが。

「……でさ」
「だろ、――……」

 そこで人の声が聞こえてきた。

 廊下をこちらに向かう足音も。まだリベリオと繋がったままのペコラはあわあわと首を振った。

「し、閉めて……っ扉閉めてください!」
「おや。つまりもう一度俺と密着したいと」
「なななんでもいいので……っ」
 そこでスッと人影が通る。
 神殿騎士の二人が、談笑をしながら通り過ぎた。ペコラたちに全く何も気づかないまま。

「……」
「では」
 パタンとリベリオが扉を閉めた。
 いつの間にか邪神の気配で狭い用具入れの中が満たされることを悟って、ペコラは青ざめた。

(く、空間を閉じて……!!)
 気配も声も物音も閉じ込める精霊術の一つである。
 高位なら簡単に解けるし勘づくが……邪神より高位って誰だろう。今はニナでも無理だ。

 そして再びリベリオが動き出す気配を察知してペコラは鳥肌を立てた。

「だ、誰か……っ誰か!」
「いくらでも叫んでいいですよ。抵抗されるのも燃えるので」
「リベリオさん……なんだか怖い、ような」
「ダンゴムシだけでも厄介なので、他の精霊に浮気されないようにしないと」
「誤解……! 待っ、っん……う」

 熱杭が動き出す。
 快楽も司る邪神の気配にあてられてろくな抵抗もできないまま、結局用具入れで三度も貪られて気を失った後。
 いつの間にか戻っていた部屋でさらにリベリオに食べられたペコラだった。
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