彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。

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二度あることは三度ある

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偉い人は言いました。

二度ある事は三度ある、と。

急にどうしたって?

読んで字のごとくである。

まさかの三日連続でのショッピングモール。

そして今回のお相手はと言うと...。

「やっほ。」

そう気安く手を挙げながら歩み寄って来たのは瑞穂だ。

薄水色の半袖ブラウスに、花柄膝丈スカート。

纏う雰囲気と言い服装と言い相変わらず見た目の印象だけで言うなら清楚系その物である。

「さて、悠太。

今日は分かってるよね?」

「勿論!二人きりで楽しくお買い物しながらキャッキャウフ「は?」嘘ですごめんなさい!」

めちゃくちゃ鋭い目で睨まれた、怖い。

「あたしは悠太に辱められました。」

「えっと、実際にアレコレしたのは会長...「は?」ごめんなさい!?」

ひーん怖いよう...。

「実際悠太がやったから会長にあたしの弱点がバレたんじゃん。」

「ごもっともの極み!「は?調子乗ってんの?」滅相もございません!」

「と、言う訳で、今度はあたしが悠太を辱める番だと思うの。」

「よく意味が...。」

「あ、悠太の意見は聞いてないから。」

横暴がすぐるw

「それにあたし言ったよね?

悠太の一日をあたしにちょうだいって。

で、それを悠太は受け入れた。

そうだよね?ね?」

あ、圧が凄い!

「と、言う訳で。

今日はとことんあたしに付き合って貰うから。」

「お、おん。」

なんだろ、悪い予感しかしない。

「ほーら、早く行こっ?」

「あ、おい...。」

そう言って思わず見惚れそうになる笑顔を向けながら、瑞穂はナチュラルに腕を掴んで俺を引っ張ってきた。

やれやれ。

こんなの男ならホイホイついて行くに決まってんだろ!

なんて軽い感じでついて行ったのが運の尽き!

「何やってんの?早く入るよ。」

「この悪魔がぁぁぁぁぁぁぁぁっ! ?」

なんとこの清楚系ビッチ。

数分前にあんな魅力的な笑みを向けておきながら平然と俺をランジェリーショップに連れて来やがったのである!

「え、待って?今日あれでしょ?

買い物に来たんだよね? 」

「うん、下着の買い物に。」

「え、いやいや水着の間違いだよね?」

「水着も下着も対して変わんないじゃん。」

「いやそうだけどそうじゃないと言うか!?」

いや確かにどこぞのアーティストがビキニと下着の違いについて歌ってましたけど!?

「こっちは誰かさんに辱められたせいで大変だったんだけど?主に下半身が。」

「公衆の面前で堂々と爆弾発言かますのやめてもらっていいですかね!?」

ほら!むっちゃ周りの女性客に冷たい視線向けられてんだけど!?

「と、言う訳で、悠太には今から私の下着選びに付き合って貰うから。」

なんてこった...。

これが瑞穂の言う辱め...!

どうしよう私辱められちゃう!←キモイ

昨日の日奈美、美江ペアとの時と状況は全く違う。

と言うかその時に感じたそうならなくて良かったと言う状況が、最悪な形で実現してしまった。

ほんと...どうしてこうなった。

「ねぇ、悠太はどんな下着が好き?」

「こんな場所で何聞いてんですかねあなたは!?」

そんなカップルがどんな水着が好きみたいなノリで聞く!?

「え、だってここランジェリーショップだし。」

「そうだけどそう言う事じゃなくてだな!」

「あ、この赤のスケスケのやつとかどう?

あ、ガーターベルトとかもある!」

なんでちょっと楽しそうなんですかね、この清楚系ビッチさんは...。

こっちはさっきから色んな所から刺さる視線でヒヤヒヤなんだけど!?

と言うかそんなアレな下着をわざわざ声に出して見せ付けるんじゃない!

色々マズイんだから!

「あれ?もしかして照れてる?ねぇ照れてる?」

くそぅ!嬉しそうにしやがって!

「お、おい...いつまでここにいんだよ...?」

「えぇ?悠太が選んでくれるまで、かな?」

何その拷問。

そうしなくてもただでさえ店内には至る所に女性用下着が陳列されており、目のやり場に大変困る状態なのだ。

そんな状態で数ある商品の中からこいつに合うやつを探して選ぶ?俺が?

そんなの健全な男子高校生になった俺からしたら拷問以外の何物でもない...。

「しょうがないなぁ、じゃあ直感で良いからさ。

どれか気になったやつ適当に指さしてみてよ!」

「んな事言ったって!」

それはそれでマズイ気がするんだがw

「しないと終わらないよ?」

ニヤニヤと瑞穂が意地の悪い笑みを浮かべる。

えぇい、ままよ!

目を逸らしながら(目を逸らしても他の下着が目に入るけども!)おずおずと俺は一つの下着を指さす。

「どれどれ?

お、結構可愛いじゃん?

そっかー、こう言う感じが好きなんだ。」

またニヤニヤする瑞穂。

「べ、別に...たまたま適当に指さした先にあったのがそれってだけで...。」

「あれ、これTバックなんだ。」

「ブフッ!?ゲホゲホ!」

「ちょ、悠太、大丈夫!?」

なんて物を選んじまったんだ俺は...。

ほら、店員さんにむっちゃ迷惑そうな目で見られてるんだけど!?

「Tバックかぁ...へぇ~ほぉ~ん...?」

めちゃくちゃニヤニヤしながら顔を近づけて来る。

「違うからな!?」

「分かった分かった。

ま、悠太が選んだやつだし試着してみよっかなぁ。」

「は!?おまっ...!」

「じゃ、その辺で待っててね~」

「ちょ!待っ...」

俺の答えを聞くことなく、瑞穂は試着室に入って行く。

そうなると当然...!

他の客と店員からの冷たい視線で針のむしろっ!

そうこうしてる間に、試着室の中から衣擦れの音がし始める。

「悠太ーいるー?」

「ひゃい!」

え、これ定期的に聞かれるやつ?

逃げられない感じ?

そうこうしてる間に下の隙間から瑞穂が着ていたスカートが床に落ちるのが見えてくる。

こんなの耐えられるかぁぁ...!

と、そこで...。

「わ、新作可愛い。」

「よく分からんな。」

なんと、まさかの知り合い来店。

幸いにもはいね宮戸組はまだ俺に気付いてないようだが。

「み、瑞穂...!ヤバい...知り合いが来てる!(小声)」

「えぇ?そりゃ来るでしょ?

ランジェリーショップだし。」

「いやだからそうだけどそうじゃないと言うか!(小声)」

こんなとこクラスメイトに見られたら普通に事案である。

でも気付かれないように店から出ようにも、二人は入口付近で品物を物色していて出ようとすれば一発でバレて新学期から俺の居場所は無くなるだろう...。

「み、瑞穂、このままじゃマズイって!(小声)」

「ふーん、じゃあさ。」

「え?」

急にカーテンから伸びた手に引っ張られる。

「ちょっ!?」

「こっちに来なよ。」

試着室に連れ込まれてしまった。

「ばっ!おまっ!?」

「しー...。

店員さんにもバレちゃうから。」

口の前に指一本立てて、静かにのポーズ。

でもこの状況不味くないか!?

目の前にはさっき選んだ下着を着ている瑞穂。(下は元々のやつの上から重ね履きしてる)

無理矢理引っ張り込まれた勢いで、背後の壁に反対側の手を付く。

それが傍から見たら下着姿の瑞穂を狭い個室の中で壁ドンしてる構図になっている。

何だこの状況!?こんな構図をもし考えて意図的に作った奴が居るならそいつは相当な変態に違いない。

俺じゃないぞ!本当だぞ!?

そんな状況だから当然ダイレクトに彼女からするフローラルなボディーソープだかシャンプーだかの匂いが鼻孔に伝わって...いや伝わり続けている。

しかも密着しているせいで彼女の柔らかい色んな部分が当たりまくってる。

「ちょ、マズイって瑞穂!」

「ひゃうっ!?ゆ、悠太!その体制であんまり喋らないで!耳に息当たってるから!」

「し、仕方ないだろ!?狭いんだから!」

「そんな事言ったって...っあんっ...!」

「へ、変な声出すなよ! 」

「だ、だって出ちゃ...っうん!?」

いや、本当この状況はマズイ!

早くなんとかしなければ!  

「ちょ、急に動かないで!ってかなんか硬いのが当たってんだけど!?」

しょうがないだろう...!健全な男子高校生なんだからっ!(必死)

なんとか体制を変え、後ろのカーテンの隙間にじっくりと目を向ける。

すると、はいね宮戸組が店を出ていく所が見えた。

「よし、今なら!」

と、同時にカーテンが開かれて...。

「お客様...?

店内の試着室でそう言った行為をなさるのはちょっと...。」

「あ、はい...。」

もの凄く作った笑顔で言われた。

スマイル0円でもこんなスマイルはいらないと思いました、はい。

本当怖かった...。

当然ながらそのランジェリーショップは出禁になりました。

「ぶー、あの店気に入ってたのにー。」

「ならこんな事に使うなよ...。」

「やだなぁ、相手が悠太だからに決まってんじゃん。」

「全然嬉しくないんだよなぁ...。」

結局追い出される前に買わされた下着が入った買い物袋を振りながら、彼女は上機嫌に鼻歌なんか歌いながら俺の前を歩く。

ったく...人の気もしらないで、、

それに俺はゲンナリしながらもついて行くのだった...。
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