彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。

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望まぬ再会

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さて、イケメンクソ野郎と望まぬ再会をした訳だが。

「覚悟は出来てんだろうな。

こっちはお前に邪魔された上に生徒指導室に連行されて停学まで食らったんだ。」

「なるほど、それで仲間連れてナンパって訳か……。」

「あ、あなたが彼女が言ってた……!

別に悠太さんは悪くないでしょう!」

リオが怒りをあらわにする。

「うるせぇ!俺の思い通りにならない事が気に入らねぇんだよ!」

うわぁ……マジかよ、リアルにこんな勘違い野郎がいるのかよ。

流石にちょっとドン引きなんだが……。

リオもリオで軽蔑の視線を向けている。

そしてナンパされてた彼女は……。

え、むっちゃ可愛いくない?

普通にタイプなんだが。

年は多分今の俺と同じ位。

髪型は黒髪で緩くパーマのかかったミディアムヘア。

服装は薄いクリームのブラウスに花柄の膝丈スカートと言う清楚な出で立ち。

と、そこでふと目が合う。

え、むっちゃ見てくる。

あれ、俺もさっきまで同じくらい見てた?だとしたら相当ヤバいのでは……。

お巡りさん僕です!

「俺を無視するんじゃねぇ! 」

痺れを切らしたイケメンが殴りかかってくる。

同じように隙をつこうとすると、背後から仲間に腕を掴まれた。

「しまっ!?」

「ちょ!そんなの卑怯です!」

リオが止めに入ろうとするも、距離的に間に合わない。

俺は殴られる事を覚悟して目を瞑る!

……瞑ったのだが、痛みはいつまでもやってこなかった。

うっすら目を開くと、ナンパされていた筈の彼女が綺麗な回し蹴りをイケメンの顔面に叩き込んでいた。

「へぶっ……!?」

ちなみにその間に黒いレースの何かがチラリと見えた気がするが、気のせいと言う事にしておこう。

嘘です、バッチリ目に焼き付けておきました。(キリッ)

「あたし、しつこい男は嫌いだから。」

「おい池田!大丈夫かよ!?」

あ、あいつ池田って言うんだ……。

そんなどうでも良い新事実は聞かなかった事にする。

そしてそのままさっさと行こうとする彼女に俺は声をかける。

「悪い、逆にこっちが助けて貰う感じになって。」

「え?」

うわ、また見られてる。

え、何俺実はイケメンだったりするのか!?

「いや、それは無いですよ?」

リオに真顔で拒否られた。

ぴえん……。

「あぁ、なんか見覚えがあるなと思ったら悠太じゃん。

さっきそこの女の子も悠太さんって言ってたしもしかしてと思ったけど。」

あれ?まさかの知り合い?

「え、悠太さん知り合いなんですか?」

「いや……こんな可愛い子一度見たら忘れる訳が……。」

「悠太さんも意外とチョロいじゃないですか……。」

露骨に顔を顰められた。

「いやお前、男が可愛い女の子が好きなのはもはや本能というかだな……。」

「え、悠太あたしの事全然覚えてない感じ?

まぁでもそりゃそっか。

結局あたし達が会ったのって最初の一度だけだもんね。」

「い、いち……度だけ……?」

どうしよう、それ言われて思い当たる節がむちゃくちゃある……!

「久しぶり、三澄悠太。」

ニカッと言う擬音が聞こえて来そうな笑みを浮かべ、彼女は俺の名前をわざとらしくフルネームで口にする。

「み、みーちゃん……だよな?」

「そうだよ?なんだ覚えてるじゃん!」

嬉しそうに肩を叩いてくるみーちゃん、こと津川瑞穂つがわみずほ

なんてこった。

俺は絶句する。

「悠太さん、まさかこの人も……?」

「……あぁ...そのまさかだ。」

誠に残念ながら、である。

そう、彼女こそ俺の二人目の元カノ。

満を持しての最後の登場、津川瑞穂。

「まさか本当にこの世界に四人の元カノが全員揃ってるなんて……。」

「え?何の話?」

イマイチ話についていけていない瑞穂はとりあえず放置。

「やっぱり元カノなんですね……。

でもならなんでまた忘れてるんですか……?」

呆れた表情のリオ。

「いやだってそうだろう……。

みーちゃんと付き合ったの、実質三日だぞ?」

「えぇ……。」

「あはは、そうだったね!」

それを聞いて瑞穂は実に面白そうにケラケラと笑う。

振られた俺からしたらちっとも面白くないんだよなぁ...。

すっかり忘れていた物の、言われてみれば確かに見覚えのある笑顔。

いやほんと……どうしてこうなった……。

俺の新しい世界での平和で快適なスクールライフは一体何処に……!あ、最初からそんなの無かったわ、ぴえん。
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