224 / 231
第222話 ルミニスとの決戦
しおりを挟む
新大砦では多大な犠牲者を出し、廃墟と化した大砦では精霊人形となったサードと恋人エブラノが戦い、ジャックを守るべく命を燃やしてマリが触手で殴りかかっている頃。
ダイ、メリー、ヨハネは大砦の壁を破壊し吹き飛ぶルミニスを追い掛けていた。
「メリー! 外だ、用心しろ」
「はい! 兄上」
一足先にダイとメリーが最後の大穴を通り抜け、外の森へと出た。
しかし、その先に居る筈のルミニスの姿は見えず。 2人は周囲を見渡す。
「え!? ルミニス……一体何処に!? まさか、逃げたのでは?」
「いや、居るな。 メリー、奴は姿が消せるのか?」
ダイの問いにメリーは思い出した。 ゴルメディア帝国の帝城で、姿を消したルミニスに連れ去られた時の事を。
「そうです! 確か、帝国では姿を消して襲ってきた事がありました!」
「おい、エルフの英雄ヨハネ! 敵は姿を消している、何とか出来るか?」
ダイとメリーは遅れて来たヨハネを守る様に、背中合わせで挟む。
「は、早いね……2人共。 勿論さ、精霊の御業は精霊で見破れる。 少し時間を稼いでくれ!」
「承知!」 「頼みます!」
ダイの筋肉が盛り上がり、メリーの手が刃物の様に煌めく。
『あはははは! 残念、下でしたぁ!』
しかし、突如として地面が盛り上がり黒い触手がヨハネ達を襲う。
「エルフ、避けろ! ちっ、だが……捕まえたぞ!! ふんぬっ!」
ヨハネを庇ったダイは触手に縛られ、締め上げられたが筋肉で無理矢理引きずり出そうと引いた。
『はぁ!? くそ! 脳筋の魔族が、私に触るなぁぁぁ!』
ダイが触手を引きずり出し、ルミニスが居る筈の場所をメリーの手刀が斬り裂いたが全く手応えは無かった。
どうやら、透明の間は一切の攻撃が当たらない様だ。
「ダメ、当たらない! キサラギ、早く!」
「闇の精霊よ、全て受け入れ全てを飲み込む闇の精霊よ。 新しき友が願う。 墜ちた同胞を助ける為、救う為、墜ちた者の姿を曝け出したまえ!」
ヨハネから穏やかな光が漏れ出し、触手を伸ばす根本へと放たれた。
『ぎゃぁぁぁっ?! 何で私に効くのよ! まさか……私の愛しい御方が私を殺す為に……? そんな、うぅぅ……よくもぉ、よくもやったわねぇ。 そもそも何でよぉ! 何でエルフが私じゃなくて魔族の味方してるのよぉぉぉぉ! おかしいでしょぉぉ!?』
ルミニスは呻きながら姿を現した。 身体からは黒い煙が吹き上がり、闇の精霊から貸し与えられた力がルミニスに通用している事を表している。
「何もおかしくはないよ、ルミニス。 君は私からマリを奪った。 どんな正当な理由が君にあったとしても、私が君の味方をする事は絶対に無い!」
ヨハネは苦しむルミニスの前に進み、きっぱりと拒絶した。 しかし、ルミニスが突如として笑い始めヨハネに向かって飛び付いた。
『あははははっ! ばぁか、引っ掛かったわねぇ。 さっきので私を仕留めれなかった事を悔いなさぁぁい!』
「!? ヨハネ、避けろ!」
『お前さえいなければ、私が殺られる事は無いよねぇぇぇ! あはははははははって、嘘でしょぉぉぉ!?』
ヨハネにルミニスが飛び付く寸前、ダイは身体に巻き付いていた触手を全て鷲掴みにし反対方向の地面へと叩き付けた。
そして、引っ張られたルミニスも高速で吹き飛び地面へと激突する。
「ありがとう、ダイ!」
「お前が要なのだ。 油断するな」
『いっっったいわねぇぇぇ! 治りが遅い……何でなのよ、愛しい御方。 何で私をこんな目に合わせるのよ……もぉ、いい! 何もかもどうでもいい!! あははははははははっ!』
「キサラギ、兄上! ルミニスが何かします!」
最愛の闇の精霊に裏切られたと絶望したルミニスは笑い、真っ黒な目が光り輝き始める。
「これは……2人共注意してくれ! 前は、気付いた時には腹に穴が空いてたからね」
「厄介だな……」 「分かりました!」
その光は闇を祓う神聖差すら感じたが、直後に闇と溶け込みどす黒い光に変わった。
『あハははハはハハ! もウ、全部滅ベバいい! 私を受ケ入レ無い世界なンて無くナれェェェェェ!!」
明らかに様子の変わったルミニスの背後から、どす黒い光のレーザーが大量に放たれた。
そのレーザーは全てヨハネに向けられており、瞬きの間にヨハネは全身に穴を空けられ即死するだろう。
「っ?! ぬぁぁぁっ!! エルフ! メリー! 動くなぁぁぁっ!!」
しかし、ダイがヨハネとメリーの前に立ち全てのレーザーを赤く燃える腕で弾き飛ばす。
「流石です兄上! え……兄上?」
この一瞬で動けたのは、魔人化したダイだけだった。
これで、魔王ダイの命の火はあと僅かとなる。
ダイ、メリー、ヨハネは大砦の壁を破壊し吹き飛ぶルミニスを追い掛けていた。
「メリー! 外だ、用心しろ」
「はい! 兄上」
一足先にダイとメリーが最後の大穴を通り抜け、外の森へと出た。
しかし、その先に居る筈のルミニスの姿は見えず。 2人は周囲を見渡す。
「え!? ルミニス……一体何処に!? まさか、逃げたのでは?」
「いや、居るな。 メリー、奴は姿が消せるのか?」
ダイの問いにメリーは思い出した。 ゴルメディア帝国の帝城で、姿を消したルミニスに連れ去られた時の事を。
「そうです! 確か、帝国では姿を消して襲ってきた事がありました!」
「おい、エルフの英雄ヨハネ! 敵は姿を消している、何とか出来るか?」
ダイとメリーは遅れて来たヨハネを守る様に、背中合わせで挟む。
「は、早いね……2人共。 勿論さ、精霊の御業は精霊で見破れる。 少し時間を稼いでくれ!」
「承知!」 「頼みます!」
ダイの筋肉が盛り上がり、メリーの手が刃物の様に煌めく。
『あはははは! 残念、下でしたぁ!』
しかし、突如として地面が盛り上がり黒い触手がヨハネ達を襲う。
「エルフ、避けろ! ちっ、だが……捕まえたぞ!! ふんぬっ!」
ヨハネを庇ったダイは触手に縛られ、締め上げられたが筋肉で無理矢理引きずり出そうと引いた。
『はぁ!? くそ! 脳筋の魔族が、私に触るなぁぁぁ!』
ダイが触手を引きずり出し、ルミニスが居る筈の場所をメリーの手刀が斬り裂いたが全く手応えは無かった。
どうやら、透明の間は一切の攻撃が当たらない様だ。
「ダメ、当たらない! キサラギ、早く!」
「闇の精霊よ、全て受け入れ全てを飲み込む闇の精霊よ。 新しき友が願う。 墜ちた同胞を助ける為、救う為、墜ちた者の姿を曝け出したまえ!」
ヨハネから穏やかな光が漏れ出し、触手を伸ばす根本へと放たれた。
『ぎゃぁぁぁっ?! 何で私に効くのよ! まさか……私の愛しい御方が私を殺す為に……? そんな、うぅぅ……よくもぉ、よくもやったわねぇ。 そもそも何でよぉ! 何でエルフが私じゃなくて魔族の味方してるのよぉぉぉぉ! おかしいでしょぉぉ!?』
ルミニスは呻きながら姿を現した。 身体からは黒い煙が吹き上がり、闇の精霊から貸し与えられた力がルミニスに通用している事を表している。
「何もおかしくはないよ、ルミニス。 君は私からマリを奪った。 どんな正当な理由が君にあったとしても、私が君の味方をする事は絶対に無い!」
ヨハネは苦しむルミニスの前に進み、きっぱりと拒絶した。 しかし、ルミニスが突如として笑い始めヨハネに向かって飛び付いた。
『あははははっ! ばぁか、引っ掛かったわねぇ。 さっきので私を仕留めれなかった事を悔いなさぁぁい!』
「!? ヨハネ、避けろ!」
『お前さえいなければ、私が殺られる事は無いよねぇぇぇ! あはははははははって、嘘でしょぉぉぉ!?』
ヨハネにルミニスが飛び付く寸前、ダイは身体に巻き付いていた触手を全て鷲掴みにし反対方向の地面へと叩き付けた。
そして、引っ張られたルミニスも高速で吹き飛び地面へと激突する。
「ありがとう、ダイ!」
「お前が要なのだ。 油断するな」
『いっっったいわねぇぇぇ! 治りが遅い……何でなのよ、愛しい御方。 何で私をこんな目に合わせるのよ……もぉ、いい! 何もかもどうでもいい!! あははははははははっ!』
「キサラギ、兄上! ルミニスが何かします!」
最愛の闇の精霊に裏切られたと絶望したルミニスは笑い、真っ黒な目が光り輝き始める。
「これは……2人共注意してくれ! 前は、気付いた時には腹に穴が空いてたからね」
「厄介だな……」 「分かりました!」
その光は闇を祓う神聖差すら感じたが、直後に闇と溶け込みどす黒い光に変わった。
『あハははハはハハ! もウ、全部滅ベバいい! 私を受ケ入レ無い世界なンて無くナれェェェェェ!!」
明らかに様子の変わったルミニスの背後から、どす黒い光のレーザーが大量に放たれた。
そのレーザーは全てヨハネに向けられており、瞬きの間にヨハネは全身に穴を空けられ即死するだろう。
「っ?! ぬぁぁぁっ!! エルフ! メリー! 動くなぁぁぁっ!!」
しかし、ダイがヨハネとメリーの前に立ち全てのレーザーを赤く燃える腕で弾き飛ばす。
「流石です兄上! え……兄上?」
この一瞬で動けたのは、魔人化したダイだけだった。
これで、魔王ダイの命の火はあと僅かとなる。
10
お気に入りに追加
204
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる