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第207話 赤い死神VSマリ
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南より、大砦を囲む様にして自動兵器が回り込み始めたのを確認したルニアは部下達に命令する。
「これより! 西と東に別れ、自動兵器を全て破壊する! アレから射出される火の玉に対抗する兵器はドワーフ達が準備したが、それでも数はアッチが上だ。 打ち漏らし、味方に被害が出る前に破壊するぞ!」
「「「「「「了解!」」」」」」
「我等は東より回り込む! それと、何処かにマリ様を殺害し身体を乗っ取った糞羽虫が居るらしい……私の獲物だ。 見つけても取るなよ! 突撃! 行くぞぉぉぉぉぉぉ!!」
獰猛に笑ったルニアが騎士達を引き連れ、東門より飛び出した。
「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉっ!」」」」」
自動兵器達はまだ無防備のまま移動している。 ルニアは手に持つ大剣を馬上で振り下ろし、次々に破壊し始める。
「精霊人形達は、正面の味方が惹きつけている筈だ! 構わず破壊しろ!」
約1500名の騎士達がルニアに追従し、自動兵器を叩き割る。
西の方でも騎士達が自動兵器に突撃するのが確認でき、新近衛団の団長ラリーが部下達を連れ暴れているのが遠目に見えた。
「さぁ、どんどん壊せ!」 「ルニア! 気付いた精霊人形が来たぞ!」
夫のボルガスに言われ、ルニアは舌打ちをする。 まだ蠢く精霊人形達の端に居た者達が、ルニアの方を感知し走り出した。 その数は数百と騎士達の数に比べたら此方が優勢だが、戦闘となれば直ぐに他の精霊人形達も襲ってくるだろう。
「ちっ、早いな。 仕方ない……お前達は破壊を実行しろ! 私と夫はこれからデートだ。 邪魔するな」
「はっはっは! 楽しいデートになりそうだなルニア!」
「ふははは! 一緒に踊ろうか、我が夫よ!」
ルニア夫妻は馬を走らせ、向かって来る精霊人形達の下へと突撃した。
◆◇◆
ルニア夫妻が囮となっている間に南門正面以外の自動兵器は破壊できたが、そもそもの数が多すぎる為に配置に付いた自動兵器が起動してしまう。
「不味い! 各隊、防御の態勢をとれ! ドワーフ部隊に迎撃の合図を出せ! 早く!!」
ルカは流石に余裕が無く、急いで指示を送らせる。 そしてその直後、正面より空を覆う程の燃え盛る火の玉が飛来した。
「アンタ達しっかり狙いなよ! 撃てーーーー!」
槍の代わりに小さな爆薬を搭載した散弾を空へと一斉に発射する。 火の玉に触れた瞬間に爆発し、火の玉は大砦に直撃する事無く霧散した。
「装填を急ぎな! 次が来るよ!!」
その後も正面に残った自動兵器からの投火は止むこと無く、いつ大きな被害が出てもおかしくない状況が続く事になる。
◆◇◆
「ルニア! 大砦が不味いぞ!」 「分かってます! 各員、西からの部隊と合流し火の玉を発射している自動兵器を狙いなさい!」
「「「「「「「了解!」」」」」」」
東側をすべて駆逐した騎士団が大きく迂回し、西側の部隊と合流すべく向かった。
「さて、儂等は食い止めるのみじゃな!」
「そうですね! しかし……ルミニスは何処に?」
ルニアとボルガスは随時反応し襲ってくる精霊人形達を斬り捨てていた。 だが、まだ目撃のあったマリの身体を使うルミニスの姿は見えていない。
すると、ボルガスが乗る馬の足下が影よりも黒い闇になっていた事にルニアは気付いた。
「我が夫よ、下だ!!」
叫んだ直後に、地面から黒い触手が無数に現れ騎馬諸共にボルガスを吹き飛ばした。
「ぐぁぁぁっ?!」
ボルガスはそのまま地面を転がり、ピクリとも動かなかった。
「くっ! よくも、我が夫を! ルミニス!!」
影から這い出たマリがゆっくりと立ち上がり、頬まで裂けた口で笑顔を浮かべた。
「『お前……知ってる。 私が言ってた。 人間にしては強い奴。 でも……何だか弱そうねぇぇぇ!』」
マリが叫ぶと、ルニアが乗る騎馬が地面から生えた黒い棘に串刺しにされ息絶える。 ルニアは間一髪飛び降り、そしてマリに向けて大剣を構えた。
「我等の大切な御方の身体で、その様な不気味な笑みを浮かべないでもらえるか? 羽虫」
ルニアの挑発に、マリの顔は怒りに変わり背中から大量の触手が飛び出した。
「『どっちが虫けらか……教えてあげるぅぅぅぅ!』」
「これより! 西と東に別れ、自動兵器を全て破壊する! アレから射出される火の玉に対抗する兵器はドワーフ達が準備したが、それでも数はアッチが上だ。 打ち漏らし、味方に被害が出る前に破壊するぞ!」
「「「「「「了解!」」」」」」
「我等は東より回り込む! それと、何処かにマリ様を殺害し身体を乗っ取った糞羽虫が居るらしい……私の獲物だ。 見つけても取るなよ! 突撃! 行くぞぉぉぉぉぉぉ!!」
獰猛に笑ったルニアが騎士達を引き連れ、東門より飛び出した。
「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉっ!」」」」」
自動兵器達はまだ無防備のまま移動している。 ルニアは手に持つ大剣を馬上で振り下ろし、次々に破壊し始める。
「精霊人形達は、正面の味方が惹きつけている筈だ! 構わず破壊しろ!」
約1500名の騎士達がルニアに追従し、自動兵器を叩き割る。
西の方でも騎士達が自動兵器に突撃するのが確認でき、新近衛団の団長ラリーが部下達を連れ暴れているのが遠目に見えた。
「さぁ、どんどん壊せ!」 「ルニア! 気付いた精霊人形が来たぞ!」
夫のボルガスに言われ、ルニアは舌打ちをする。 まだ蠢く精霊人形達の端に居た者達が、ルニアの方を感知し走り出した。 その数は数百と騎士達の数に比べたら此方が優勢だが、戦闘となれば直ぐに他の精霊人形達も襲ってくるだろう。
「ちっ、早いな。 仕方ない……お前達は破壊を実行しろ! 私と夫はこれからデートだ。 邪魔するな」
「はっはっは! 楽しいデートになりそうだなルニア!」
「ふははは! 一緒に踊ろうか、我が夫よ!」
ルニア夫妻は馬を走らせ、向かって来る精霊人形達の下へと突撃した。
◆◇◆
ルニア夫妻が囮となっている間に南門正面以外の自動兵器は破壊できたが、そもそもの数が多すぎる為に配置に付いた自動兵器が起動してしまう。
「不味い! 各隊、防御の態勢をとれ! ドワーフ部隊に迎撃の合図を出せ! 早く!!」
ルカは流石に余裕が無く、急いで指示を送らせる。 そしてその直後、正面より空を覆う程の燃え盛る火の玉が飛来した。
「アンタ達しっかり狙いなよ! 撃てーーーー!」
槍の代わりに小さな爆薬を搭載した散弾を空へと一斉に発射する。 火の玉に触れた瞬間に爆発し、火の玉は大砦に直撃する事無く霧散した。
「装填を急ぎな! 次が来るよ!!」
その後も正面に残った自動兵器からの投火は止むこと無く、いつ大きな被害が出てもおかしくない状況が続く事になる。
◆◇◆
「ルニア! 大砦が不味いぞ!」 「分かってます! 各員、西からの部隊と合流し火の玉を発射している自動兵器を狙いなさい!」
「「「「「「「了解!」」」」」」」
東側をすべて駆逐した騎士団が大きく迂回し、西側の部隊と合流すべく向かった。
「さて、儂等は食い止めるのみじゃな!」
「そうですね! しかし……ルミニスは何処に?」
ルニアとボルガスは随時反応し襲ってくる精霊人形達を斬り捨てていた。 だが、まだ目撃のあったマリの身体を使うルミニスの姿は見えていない。
すると、ボルガスが乗る馬の足下が影よりも黒い闇になっていた事にルニアは気付いた。
「我が夫よ、下だ!!」
叫んだ直後に、地面から黒い触手が無数に現れ騎馬諸共にボルガスを吹き飛ばした。
「ぐぁぁぁっ?!」
ボルガスはそのまま地面を転がり、ピクリとも動かなかった。
「くっ! よくも、我が夫を! ルミニス!!」
影から這い出たマリがゆっくりと立ち上がり、頬まで裂けた口で笑顔を浮かべた。
「『お前……知ってる。 私が言ってた。 人間にしては強い奴。 でも……何だか弱そうねぇぇぇ!』」
マリが叫ぶと、ルニアが乗る騎馬が地面から生えた黒い棘に串刺しにされ息絶える。 ルニアは間一髪飛び降り、そしてマリに向けて大剣を構えた。
「我等の大切な御方の身体で、その様な不気味な笑みを浮かべないでもらえるか? 羽虫」
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