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第205話 前哨戦
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「ルニア! 全ての敵が儂達を狙って来たぞ!」
「ふははははは! 囮としては充分でしょう。 そろそろ退却しますよ! 総員退却! 大砦まで退けぇぇぇぇ!!」
ルニア率いる新重近衛団、総勢3000名は大剣を片手に向かって来ていた精霊人形達に突撃していた。
そして、戦闘が始まって数十分。 向かって来ていた精霊人形達はルニア達に狙いを定め攻め寄せている。
何故、この様な無謀な突撃をしたかと云うと新大砦以外の道を行かせない為である。 ルカの予想通り、標的として命令されている人間達を見つけた精霊人形達は走っていたルートを外れルニア達の下へと進路変更をしたのだ。
これにより、直接エントン王国の王都を襲う事は無くなった。 当然、大砦が陥落すれば精霊人形は王都を飲み込むだろう。
「ルニア侯爵殿に伝令! 新重近衛団、団長ラリー殿のおかげで王国騎士団の撤退完了!」
「よし! お前達も退けぇ! 私が殿を持つ!」
「「「「「「はっ!!」」」」」」
伝令の騎士に続き、ルニアの部下達も退却を始めた。
広がって走って来ていた精霊人形達が、一斉にルニア達に殺到する姿は圧巻だ。 鍛えられた精鋭達も、奮闘していたがあまりにも数の差が有りすぎる為に既に多くの犠牲者が出ている。
しかし、そのお陰でルカから与えられた任務は完了した為に一目散に撤退を始めたのだ。
「ボルガス! 貴方も退却して下さい!」
ルニアは身の丈を超える巨大な大剣を振り回し、集まる精霊人形達を蹴散らしていた。 強化された精霊人形はかなり強く、精鋭の騎士達でも複数対1体で戦わねば殺される程だ。
「ふっ! 戯言を! 妻を置いて逃げる男が何処に居るか!!」
味方が退却している間は殿として敵を抑えなければならず、その為にルニアとその夫でありエントン王国騎士団長のボルガスはまだ戦っているのだ。
幾ら斬っても騎馬の上に居る2人目掛けて精霊人形達は飛び掛かってくる。 畏怖の感情が無いのか、味方が斬り捨てられても怯みもしない敵にルニアは冷や汗をかいていた。
「くっ! ふふ、これは中々にしんどいですね」
「おいおい、赤い死神が何を言っておる! さっさと逃げい!」
長年連れ添った夫婦の連携で奮闘しているが、囲まれたら終わりだ。 例え、人類最強と名高い赤い死神でも鋭利な刃物を両手に付けた夥しい数の精霊人形達に刺されたら死は免れない。
「おぉーい! ルニア、ボルガスの坊主! さっさと逃げるぞ!」
其処に2人の師匠でもある、新重近衛団の団長ラリーが部下達を連れて助けに来た。 ラリーと同じく歴戦の猛者約50名が大斧や大剣等を振り回し、ルニア達を囲みつつあった精霊人形達を切り飛ばす。
「師匠! ありがとうございます、助かりました!」
ラリー達が精霊人形達を吹き飛ばしたおかげで、その隙に2人は騎馬を走らせる。
「坊主は本当に勘弁して下さいよ師匠! ですが、感謝しますぞ!」
こうしてルニア夫妻はラリー達と精霊人形達の隙間を縫うようにして窮地を脱した。
「さぁ、まだこれからだぜ? 言っておくが、師匠の儂より先に死ぬ事は許さんからな!」
「ふはははは! ならば、まだ頑張らないといけませんね!」 「おうよ! それより、あいつ等足早すぎだろ! もっと急げ! 追い付かれるぞ!!」
◆◇◆
新大砦に向けて、最後に残っていた味方が撤退しているのを確認したルカは次の策に移る。 大砦の屋上では、ルカが戦場を見渡せる様に陣取り的確な指示を飛ばしていた。
「先に帰還した味方の被害を確認、治療が必要な場合は随時衛生兵の下に送って下さい! ドワーフの皆さんに合図を! 目標は味方を追う精霊人形達です! 味方に当てないように注意を!」
部下の兵士が旗を振り、塔の上で待機していたドワーフ達に合図を送る。
「お! ルカ様から合図がきたよ! ふっ、味方に当てるなって? 私等ドワーフを舐めないでほしいね! やるよー!」
「「「「「「おー! マリ族長の仇討ちだー!」」」」」」
エントン王国の王都付きになっていた、元奴隷のルーフ達が防衛兵器を起動させ狙いを定める。
「他の塔からも準備完了の旗が上がったね。 放てぇぇぇぇぇ!!」
ルーフの合図で、巨大な筒状の兵器から大量の槍が射出された。 他の塔からはカタパルトによる岩の投石が始まり、外れること無くルニア達を追い掛ける先頭の精霊人形達に当たった。
「「「「「「「やったーーー!」」」」」」」
ドワーフ達から喝采が上がる。
「お前達、敵はまだまだ居るんだ。 さっさと次の装填を急ぎな!」
ドワーフ達による援護射撃が始まり、ルニア達は無事に大砦の中へと撤退出来た。 しかし、戦いはまだ始まったばかりだ。
「ふははははは! 囮としては充分でしょう。 そろそろ退却しますよ! 総員退却! 大砦まで退けぇぇぇぇ!!」
ルニア率いる新重近衛団、総勢3000名は大剣を片手に向かって来ていた精霊人形達に突撃していた。
そして、戦闘が始まって数十分。 向かって来ていた精霊人形達はルニア達に狙いを定め攻め寄せている。
何故、この様な無謀な突撃をしたかと云うと新大砦以外の道を行かせない為である。 ルカの予想通り、標的として命令されている人間達を見つけた精霊人形達は走っていたルートを外れルニア達の下へと進路変更をしたのだ。
これにより、直接エントン王国の王都を襲う事は無くなった。 当然、大砦が陥落すれば精霊人形は王都を飲み込むだろう。
「ルニア侯爵殿に伝令! 新重近衛団、団長ラリー殿のおかげで王国騎士団の撤退完了!」
「よし! お前達も退けぇ! 私が殿を持つ!」
「「「「「「はっ!!」」」」」」
伝令の騎士に続き、ルニアの部下達も退却を始めた。
広がって走って来ていた精霊人形達が、一斉にルニア達に殺到する姿は圧巻だ。 鍛えられた精鋭達も、奮闘していたがあまりにも数の差が有りすぎる為に既に多くの犠牲者が出ている。
しかし、そのお陰でルカから与えられた任務は完了した為に一目散に撤退を始めたのだ。
「ボルガス! 貴方も退却して下さい!」
ルニアは身の丈を超える巨大な大剣を振り回し、集まる精霊人形達を蹴散らしていた。 強化された精霊人形はかなり強く、精鋭の騎士達でも複数対1体で戦わねば殺される程だ。
「ふっ! 戯言を! 妻を置いて逃げる男が何処に居るか!!」
味方が退却している間は殿として敵を抑えなければならず、その為にルニアとその夫でありエントン王国騎士団長のボルガスはまだ戦っているのだ。
幾ら斬っても騎馬の上に居る2人目掛けて精霊人形達は飛び掛かってくる。 畏怖の感情が無いのか、味方が斬り捨てられても怯みもしない敵にルニアは冷や汗をかいていた。
「くっ! ふふ、これは中々にしんどいですね」
「おいおい、赤い死神が何を言っておる! さっさと逃げい!」
長年連れ添った夫婦の連携で奮闘しているが、囲まれたら終わりだ。 例え、人類最強と名高い赤い死神でも鋭利な刃物を両手に付けた夥しい数の精霊人形達に刺されたら死は免れない。
「おぉーい! ルニア、ボルガスの坊主! さっさと逃げるぞ!」
其処に2人の師匠でもある、新重近衛団の団長ラリーが部下達を連れて助けに来た。 ラリーと同じく歴戦の猛者約50名が大斧や大剣等を振り回し、ルニア達を囲みつつあった精霊人形達を切り飛ばす。
「師匠! ありがとうございます、助かりました!」
ラリー達が精霊人形達を吹き飛ばしたおかげで、その隙に2人は騎馬を走らせる。
「坊主は本当に勘弁して下さいよ師匠! ですが、感謝しますぞ!」
こうしてルニア夫妻はラリー達と精霊人形達の隙間を縫うようにして窮地を脱した。
「さぁ、まだこれからだぜ? 言っておくが、師匠の儂より先に死ぬ事は許さんからな!」
「ふはははは! ならば、まだ頑張らないといけませんね!」 「おうよ! それより、あいつ等足早すぎだろ! もっと急げ! 追い付かれるぞ!!」
◆◇◆
新大砦に向けて、最後に残っていた味方が撤退しているのを確認したルカは次の策に移る。 大砦の屋上では、ルカが戦場を見渡せる様に陣取り的確な指示を飛ばしていた。
「先に帰還した味方の被害を確認、治療が必要な場合は随時衛生兵の下に送って下さい! ドワーフの皆さんに合図を! 目標は味方を追う精霊人形達です! 味方に当てないように注意を!」
部下の兵士が旗を振り、塔の上で待機していたドワーフ達に合図を送る。
「お! ルカ様から合図がきたよ! ふっ、味方に当てるなって? 私等ドワーフを舐めないでほしいね! やるよー!」
「「「「「「おー! マリ族長の仇討ちだー!」」」」」」
エントン王国の王都付きになっていた、元奴隷のルーフ達が防衛兵器を起動させ狙いを定める。
「他の塔からも準備完了の旗が上がったね。 放てぇぇぇぇぇ!!」
ルーフの合図で、巨大な筒状の兵器から大量の槍が射出された。 他の塔からはカタパルトによる岩の投石が始まり、外れること無くルニア達を追い掛ける先頭の精霊人形達に当たった。
「「「「「「「やったーーー!」」」」」」」
ドワーフ達から喝采が上がる。
「お前達、敵はまだまだ居るんだ。 さっさと次の装填を急ぎな!」
ドワーフ達による援護射撃が始まり、ルニア達は無事に大砦の中へと撤退出来た。 しかし、戦いはまだ始まったばかりだ。
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