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第203話 軍勢出陣と木霊する悲鳴
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ゴルメディア帝国の帝城では不機嫌なルミニスがクロモトを問い詰めていた。
『クロモト……お前、言い付けをやぶったわねぇ? あの魔族は人形にするなよ言った筈よぉ? どうして、お前の部屋に居るのかしらぁ?!』
怒れる主の怒声に、クロモトは床に頭を叩き付けなから許しを請うていた。
「も、ももも、申し訳ございませぬぅ! 誰かが、製造ラインに魔族の遺体を流した様でして……気付いた時には既に」
『そんな言い訳が通用すると思ってるのかなぁぁぁぁ?』
「ぐ、ぐげぇぇ……お、お許し……を……あぎゃ?!」
黒い霧がクロモトの首を掴み、そのまま躊躇なく圧し折る。
しかし、当然ながらそのまま死なせてくれる筈もなく黒い霧がクロモトの口に入り直ぐに息を吹き返した。
「ぶはぁっ?! ひぃ、ひぃ、ひぃ……申し訳ありませんですじゃ、申し訳ありませんですじゃ」
同じ事を繰り返すだけになったクロモトをルミニスは冷たい瞳で見据える。
『……ちっ、短期間に蘇生し過ぎて劣化しちゃったかぁ。 まぁ、仕方無いよねぇ……もうすぐ役目が終わるからぁ。 そしたらゆっくり休まさせてあげるねぇクロモトぉ~』
「は、ははぁぁー! その時は、その時は儂の可愛い娘とどうか、どうかぁぁぁぁぁ!」
突然正気を取り戻したクロモトはルミニスの足に縋り付き、懇願し始めた。
『わかってるよぉ。 勿論でしょぉ? 可愛い可愛い娘ちゃんと眠る為に、ずーーーーーっとず~~~~っと頑張ってるんだもんねぇぇ』
ルミニスはクロモトの頭を撫でてから部屋を出る。
『うふふふふ、あはははははは!』
クロモトから遠く離れた部屋に入ってからルミニスは笑う。 心の底からおかしいと。
『あ~……おかしい。 たまたまこの世界に迷い込んだクロモトの娘に何て会わせれる訳無いのにねぇ。 それに、アイツが生死を繰り返してどれぐらい経ったと思ってるのよぉ……元の世界の娘なんかとうの昔に死んで眠ってるのにねぇ~あはははははは! ん? ……何か来てるぅ?』
部屋で笑うルミニスの目の前に黒い闇が広がり、床の闇から真っ黒な何かが這い出てきた。
「『ふ~……流石に遠すぎよぉ。 はぁい、私~』」
這い出たマリが頬まで裂けた口でニッコリと微笑む。
『あら、ふふ……嬉しい誤算ねぇ。 お帰りなさいマリ……いいえ、私ぃ』
「『『あはははははははははは!』』」
嬉しそうに笑い合う2人は城の外を見つめる。 その先にはマリが守りたい物全てがあり、更にその先にはルミニス達が求める闇の精霊が待っている。
『時が来たわねぇ』 「『そうねぇ、私なら愛しの人に近づけるわぁ』」
ルミニス達は動き出す。
そして、ゴルメディア帝国からおぞましい数の精霊人形達が一斉に走り出した。
目的地は一直線に北の大地へ。 その進路上に居る生き物は全て殺すように命令された約49万体の精霊人形と10万台の自動兵器が進軍を開始した。
◆◇◆
一方その頃、超巨大新幹線は7日掛かった道のりを凄まじい速度で前進していた。
「ぎゃぁぁぁぁぁ! ちょっと、これ本当に大丈夫なのじゃ?!」 「うぉぉぉ?! 景色が目で追えねぇぞ!」 「酔冷ましの実が大量に必要だな」
「アテス殿、後どれぐらいで着きますか! 兄上達が悲惨な事になってますー!」
後ろの車輌からメリーが歩いて来た。 まだ酔冷ましの実が効いているのか顔色は良さそうだ。
しかし、メリーの言う通り魔族約1万名は戦う前から未知の乗り物酔いで既に全滅仕掛けていた。
「あはは! どれぐらいだろうね~! 何たって、早すぎ前見えてないから~! あはは!」
運転席で笑うアテスの言葉に、不安を隠せないジャックとヨハネは苦笑いであった。
『クロモト……お前、言い付けをやぶったわねぇ? あの魔族は人形にするなよ言った筈よぉ? どうして、お前の部屋に居るのかしらぁ?!』
怒れる主の怒声に、クロモトは床に頭を叩き付けなから許しを請うていた。
「も、ももも、申し訳ございませぬぅ! 誰かが、製造ラインに魔族の遺体を流した様でして……気付いた時には既に」
『そんな言い訳が通用すると思ってるのかなぁぁぁぁ?』
「ぐ、ぐげぇぇ……お、お許し……を……あぎゃ?!」
黒い霧がクロモトの首を掴み、そのまま躊躇なく圧し折る。
しかし、当然ながらそのまま死なせてくれる筈もなく黒い霧がクロモトの口に入り直ぐに息を吹き返した。
「ぶはぁっ?! ひぃ、ひぃ、ひぃ……申し訳ありませんですじゃ、申し訳ありませんですじゃ」
同じ事を繰り返すだけになったクロモトをルミニスは冷たい瞳で見据える。
『……ちっ、短期間に蘇生し過ぎて劣化しちゃったかぁ。 まぁ、仕方無いよねぇ……もうすぐ役目が終わるからぁ。 そしたらゆっくり休まさせてあげるねぇクロモトぉ~』
「は、ははぁぁー! その時は、その時は儂の可愛い娘とどうか、どうかぁぁぁぁぁ!」
突然正気を取り戻したクロモトはルミニスの足に縋り付き、懇願し始めた。
『わかってるよぉ。 勿論でしょぉ? 可愛い可愛い娘ちゃんと眠る為に、ずーーーーーっとず~~~~っと頑張ってるんだもんねぇぇ』
ルミニスはクロモトの頭を撫でてから部屋を出る。
『うふふふふ、あはははははは!』
クロモトから遠く離れた部屋に入ってからルミニスは笑う。 心の底からおかしいと。
『あ~……おかしい。 たまたまこの世界に迷い込んだクロモトの娘に何て会わせれる訳無いのにねぇ。 それに、アイツが生死を繰り返してどれぐらい経ったと思ってるのよぉ……元の世界の娘なんかとうの昔に死んで眠ってるのにねぇ~あはははははは! ん? ……何か来てるぅ?』
部屋で笑うルミニスの目の前に黒い闇が広がり、床の闇から真っ黒な何かが這い出てきた。
「『ふ~……流石に遠すぎよぉ。 はぁい、私~』」
這い出たマリが頬まで裂けた口でニッコリと微笑む。
『あら、ふふ……嬉しい誤算ねぇ。 お帰りなさいマリ……いいえ、私ぃ』
「『『あはははははははははは!』』」
嬉しそうに笑い合う2人は城の外を見つめる。 その先にはマリが守りたい物全てがあり、更にその先にはルミニス達が求める闇の精霊が待っている。
『時が来たわねぇ』 「『そうねぇ、私なら愛しの人に近づけるわぁ』」
ルミニス達は動き出す。
そして、ゴルメディア帝国からおぞましい数の精霊人形達が一斉に走り出した。
目的地は一直線に北の大地へ。 その進路上に居る生き物は全て殺すように命令された約49万体の精霊人形と10万台の自動兵器が進軍を開始した。
◆◇◆
一方その頃、超巨大新幹線は7日掛かった道のりを凄まじい速度で前進していた。
「ぎゃぁぁぁぁぁ! ちょっと、これ本当に大丈夫なのじゃ?!」 「うぉぉぉ?! 景色が目で追えねぇぞ!」 「酔冷ましの実が大量に必要だな」
「アテス殿、後どれぐらいで着きますか! 兄上達が悲惨な事になってますー!」
後ろの車輌からメリーが歩いて来た。 まだ酔冷ましの実が効いているのか顔色は良さそうだ。
しかし、メリーの言う通り魔族約1万名は戦う前から未知の乗り物酔いで既に全滅仕掛けていた。
「あはは! どれぐらいだろうね~! 何たって、早すぎ前見えてないから~! あはは!」
運転席で笑うアテスの言葉に、不安を隠せないジャックとヨハネは苦笑いであった。
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