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第196話 ヨハネの怒り
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マリが背中の触手を一斉にダイ達へと向けて放ち、上級魔族達を吹き飛ばした。
「「「「「「「ぐぁっ?!」」」」」」」
「ぬぅ! 何という威力だ」
ファースト達より強い上級魔族達が受け止める事すら困難だった触手を、ダイは両手で捕まえ受け止めた。 それでも両手に4本だけであり、まだ大量の触手が自由のままだ。
「陛下!! おのれ、よくも!!」
大臣レーヨンが激怒し、マリへと殴りかかった。 マリの意識がレーヨンに逸れた間に、亜人の英雄達も触手を掴みに走る。
「魔王のおっさん、そのままソレ掴んでろよ!!」
ロキも2本の触手を受け止め、そのまま捕まえる事に成功した。 しかし、直ぐ様他の触手がロキを狙う。
「ロキ、危ない!」
その触手をラガンが受け止め、床へ押し付ける。
「ほほいのほい! 簡単な造りの鎖だから、長くは保たないよ! ほら、さっさと起き上がって持ってね!」
「かたじけない! お前達、陛下をお救いするぞ!」
「「「「「「「おう!!」」」」」」」
アテスが隙を見て作った鎖を上級魔族達に渡し、アテスはそのまま引っ張った鎖で蠢く触手達を絡め取った。
「後数本だ! セカンド、フォース、フィフス頼む!!」
アテスの声に3人は直ぐ様動き、触手を何とか抑えつけた。
「『ぬぅぅぅぅ! お前等、邪魔! 邪魔するな! 邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔!!』」
苛立つマリが大臣レーヨンを吹き飛ばし、触手を動かそうとした時には全ての触手を捕らえられた後だった。
「『糞がぁぁぁ! この身体に馴染んでいたら、今すぐに皆殺しに出来るのに! 糞! 離せ! 離せぇぇぇぇ!!』」
「闇の精霊よ、早くしろ!」
ダイに急かされるが、闇の精霊はヨハネの元から動かなかった。
『エルフの英雄ヨハネ、精霊魔法の達人である君の力が必要だ。 私の力を利用し、マリの目から未来を見る力を剥ぎ取るんだ。 チャンスは今しか無い、本来の力を発揮出来ていない内に取り戻さないと、いつ逃げ出すか分からない』
「マリ……。 嫌だ、マリを攻撃する等、私には無理だ! それとも、その力を奪えばマリを助けられるのか?!」
『無理だ。 アレはもう、君の知っている人間では無い。 既に精神はルミニスに殺されている』
「そんな……そんなぁ!! 嘘だ、嘘だっ! 呪いは止めてた、途中経過も見ていた! なのに、何故だ!」
ヨハネは触手を抑えられ、苦しむマリを見て叫ぶ。
現実を受け止められずに、ヨハネは狂ったように床を殴った。
『説明している暇は無い。 別に僕はどうでもいいけど、今すぐにアレから力を剥がさないと……彼女が守りたかった人も物も全て滅びるよ?』
ヨハネの耳元で闇の精霊が囁く。
「それは……」
マリとの思い出がヨハネの脳裏に過った。 走馬灯の様に、最愛の恋人が何の為に努力し血を吐きながら生きたかを思い出す。
「それは……絶対にダメだ!!」
もし、マリの意識が有れば必ず自分を殺して止める様に願うだろう。
エントン王国の民達と何よりも大切な弟ルーデウスを守って欲しいと。
『よし、私の力を君の手に宿した。 コレで、目にある力を剥ぎ取るんだ。 早く!』
ヨハネの両手が穏やかな光で包まれ、直ぐ様暴れるマリの下へと走り出した。
「『糞! 仕方ない、今は我慢するわね愛しい人! あはははははは!』」
マリが居る床が真っ黒に染まり、徐々に身体が沈み始めた。
「させるか! ふんっ!!」
しかし、ダイが額から角を生やし本気で触手を引っ張り出す。 沈み始めていたマリの身体が僅かに引き戻せた。
「くっ! 上級魔族の意地を見せなさい! 全力で引きますよーー!!」
レーヨンや上級魔族達も額から角を生やし、全力を出す。
「「「はぁぁぁぁぁ!!」」」
セカンド達も必死に触手を抑える。
ロキ達も全力だ。 そして、ヨハネがマリの顔を掴み金色と黒が混じり合った様なマリの瞳に指を掛けた。
「『放せ! 放せ放せ放せ放せ!! 糞が! 止めろ、何をするつもりだエルフ! ぐっ……や、止めて、エルフ。 私よ、マリよ。 助けて、魔族達に殺されそうなの。 お願い、信じて』」
マリは必死に足掻いていたが、ヨハネに顔を掴まれると瞬時に正気なマリの表情に戻し必死に助けを求め始めた。
「おい、ヨハネ兄騙されるなよ!」
「それは、マリじゃない!」
「ヨハネ兄、早く! もう、鎖が保たない!!」
ロキ達の叫びにもヨハネは動じずに、マリに向けて微笑んだ。
「マリ……私の愛しい人。 だが、貴様はマリでは無い!! マリは私を絶対にエルフ等とは呼ばない! よくも、よくもマリを!! 地獄の苦しみを味合わせてやるから覚悟しろ!」
そして、怒りに満ちた顔で怒鳴り。 マリの目に映る光を剥ぎ取った。 その瞬間、痛みからかマリの全身から黒い衝撃波が放たれヨハネ達は吹き飛んだ。
「『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!! エルフ、何をしたぁぁぁぁ!! 糞が! 糞がぁぁぁぁ! あぁ……愛しい人。 安心して、私が直ぐに人形達を連れて貴方の下に行くから……。 待ってて……』」
マリは鬼の形相で怒りながら真っ黒な闇に消えて行った。
「「「「「「「ぐぁっ?!」」」」」」」
「ぬぅ! 何という威力だ」
ファースト達より強い上級魔族達が受け止める事すら困難だった触手を、ダイは両手で捕まえ受け止めた。 それでも両手に4本だけであり、まだ大量の触手が自由のままだ。
「陛下!! おのれ、よくも!!」
大臣レーヨンが激怒し、マリへと殴りかかった。 マリの意識がレーヨンに逸れた間に、亜人の英雄達も触手を掴みに走る。
「魔王のおっさん、そのままソレ掴んでろよ!!」
ロキも2本の触手を受け止め、そのまま捕まえる事に成功した。 しかし、直ぐ様他の触手がロキを狙う。
「ロキ、危ない!」
その触手をラガンが受け止め、床へ押し付ける。
「ほほいのほい! 簡単な造りの鎖だから、長くは保たないよ! ほら、さっさと起き上がって持ってね!」
「かたじけない! お前達、陛下をお救いするぞ!」
「「「「「「「おう!!」」」」」」」
アテスが隙を見て作った鎖を上級魔族達に渡し、アテスはそのまま引っ張った鎖で蠢く触手達を絡め取った。
「後数本だ! セカンド、フォース、フィフス頼む!!」
アテスの声に3人は直ぐ様動き、触手を何とか抑えつけた。
「『ぬぅぅぅぅ! お前等、邪魔! 邪魔するな! 邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔!!』」
苛立つマリが大臣レーヨンを吹き飛ばし、触手を動かそうとした時には全ての触手を捕らえられた後だった。
「『糞がぁぁぁ! この身体に馴染んでいたら、今すぐに皆殺しに出来るのに! 糞! 離せ! 離せぇぇぇぇ!!』」
「闇の精霊よ、早くしろ!」
ダイに急かされるが、闇の精霊はヨハネの元から動かなかった。
『エルフの英雄ヨハネ、精霊魔法の達人である君の力が必要だ。 私の力を利用し、マリの目から未来を見る力を剥ぎ取るんだ。 チャンスは今しか無い、本来の力を発揮出来ていない内に取り戻さないと、いつ逃げ出すか分からない』
「マリ……。 嫌だ、マリを攻撃する等、私には無理だ! それとも、その力を奪えばマリを助けられるのか?!」
『無理だ。 アレはもう、君の知っている人間では無い。 既に精神はルミニスに殺されている』
「そんな……そんなぁ!! 嘘だ、嘘だっ! 呪いは止めてた、途中経過も見ていた! なのに、何故だ!」
ヨハネは触手を抑えられ、苦しむマリを見て叫ぶ。
現実を受け止められずに、ヨハネは狂ったように床を殴った。
『説明している暇は無い。 別に僕はどうでもいいけど、今すぐにアレから力を剥がさないと……彼女が守りたかった人も物も全て滅びるよ?』
ヨハネの耳元で闇の精霊が囁く。
「それは……」
マリとの思い出がヨハネの脳裏に過った。 走馬灯の様に、最愛の恋人が何の為に努力し血を吐きながら生きたかを思い出す。
「それは……絶対にダメだ!!」
もし、マリの意識が有れば必ず自分を殺して止める様に願うだろう。
エントン王国の民達と何よりも大切な弟ルーデウスを守って欲しいと。
『よし、私の力を君の手に宿した。 コレで、目にある力を剥ぎ取るんだ。 早く!』
ヨハネの両手が穏やかな光で包まれ、直ぐ様暴れるマリの下へと走り出した。
「『糞! 仕方ない、今は我慢するわね愛しい人! あはははははは!』」
マリが居る床が真っ黒に染まり、徐々に身体が沈み始めた。
「させるか! ふんっ!!」
しかし、ダイが額から角を生やし本気で触手を引っ張り出す。 沈み始めていたマリの身体が僅かに引き戻せた。
「くっ! 上級魔族の意地を見せなさい! 全力で引きますよーー!!」
レーヨンや上級魔族達も額から角を生やし、全力を出す。
「「「はぁぁぁぁぁ!!」」」
セカンド達も必死に触手を抑える。
ロキ達も全力だ。 そして、ヨハネがマリの顔を掴み金色と黒が混じり合った様なマリの瞳に指を掛けた。
「『放せ! 放せ放せ放せ放せ!! 糞が! 止めろ、何をするつもりだエルフ! ぐっ……や、止めて、エルフ。 私よ、マリよ。 助けて、魔族達に殺されそうなの。 お願い、信じて』」
マリは必死に足掻いていたが、ヨハネに顔を掴まれると瞬時に正気なマリの表情に戻し必死に助けを求め始めた。
「おい、ヨハネ兄騙されるなよ!」
「それは、マリじゃない!」
「ヨハネ兄、早く! もう、鎖が保たない!!」
ロキ達の叫びにもヨハネは動じずに、マリに向けて微笑んだ。
「マリ……私の愛しい人。 だが、貴様はマリでは無い!! マリは私を絶対にエルフ等とは呼ばない! よくも、よくもマリを!! 地獄の苦しみを味合わせてやるから覚悟しろ!」
そして、怒りに満ちた顔で怒鳴り。 マリの目に映る光を剥ぎ取った。 その瞬間、痛みからかマリの全身から黒い衝撃波が放たれヨハネ達は吹き飛んだ。
「『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!! エルフ、何をしたぁぁぁぁ!! 糞が! 糞がぁぁぁぁ! あぁ……愛しい人。 安心して、私が直ぐに人形達を連れて貴方の下に行くから……。 待ってて……』」
マリは鬼の形相で怒りながら真っ黒な闇に消えて行った。
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