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第190話 魔王ダイ
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大臣レーヨンの案内で、マリ達は魔王城の広間へと辿り着いていた。
「直ぐに魔王陛下が来られますので、暫しお待ちを」
レーヨンは一礼した後に広間を退出し、メリーは直ぐにマリの下へと駆け寄る。
「マリ様、これから兄上にお会いする事になります。 事前にお伝えした通り、兄は呪いで感情を表しにくいですが誠意を持って接すれば悪い魔族ではありません。 聞かれた事にそのままお答え下さいませ」
「うん、分かってるよメリーさん。 それに、メリーさんのお兄さん何だもん。 きっと話しを聞いてもらえるよ」
マリの言葉を聞いて、メリーは安堵の溜息を吐いた。
「ふぅ……はい、マリ様を信じてます」
ヨハネとジャックはマリの直ぐ側に控え、ルル達もマリを囲む様にして待機している。 そして、暫くし広間の奥の扉が開いた。
「魔王陛下が入られます」
「客人達は楽にせよとの事でございますので、そのままで」
扉からは大臣レーヨンと美しいメイドの2人が現れ、そのまま跪き臣下の礼をとる。
その間を、1人の大男が歩き玉座へと座る。 大男は、筋骨隆々で髪は黒く肌は浅黒かった。 魔王らしい無骨な鎧にマントを羽織り、玉座からマリを見下ろす。
「予定より早いが、良くぞ帰って来たな……我が妹メリーよ」
「はい! お久しぶりです、兄上」
メリーやファースト達は、レーヨン達の様に跪き臣下の礼をとっていた。
「客人達が居るようだが……それより、先に聞かせてくれ。 長きに渡った任務の結果を。 人間達は……繁栄するに値する種族か? それとも……滅ぼすべき種族か?」
魔王はマリを睨みながら、メリーに問う。 魔王の両隣に立つ大臣レーヨンはニヤニヤと笑い、美しいメイドは無表情で見つめていた。
「それでは……報告させていただきます。 人間は……繁栄に値する種族です! 確かに、腐敗する王族も居ます。 愚かな民衆も居るでしょう。 ですが、私がお仕えしているマリ様のように素晴らしい人間達が大勢居ました。 それに……大切な人も沢山出来ました」
「……そうか。 大臣レーヨンよ、メリーの報告を聞いたな」
「はっ! 些か……私見が含まれ過ぎていると思いますが、全ては陛下のご判断でございますからね。 私ごときには何も言えませんな」
「貴様らしいな。 マイよ、お前はどう思う」
「大臣レーヨンと同じです。 私が何と言おうと、結局は陛下のご判断ですから」
魔王は暫く沈黙した後に、玉座を立ち上がりマリの下へと歩み寄る。 ヨハネ達は少し警戒したが、マリはヨハネ達を手の合図で止め魔王の前に立つ。
「人間、名前は?」
「初めまして、エントン フォル マリと申します。 此処には、魔族と人間を含む亜人達との争いに終止符を打ちに来ました! よろしくお願いします!」
凄まじい威圧を放つ魔王に、マリは微動だにせずに自己紹介をする。
「……ふっ、俺は魔王ダイだ。 元気だな」
「良く言われます!!」
「ぷっ!」 「おい、ヨハネ」
つい最近まで、女王だったとは思えないマリの返事にヨハネは思わず笑う。
「先程言っていた話しをぜひ、夕食の際に聞かせてくれ。 レーヨンから聞いたが、何やら美味い料理と酒があるのだろ?」
ダイの言葉にメリーは顔を上げる。
「兄上……では!」
「まだだ。 お前の連れて来たマリの話しを聞いてから判断しよう」
「分かりました! 私は料理出来ませんが、発案した美味しい料理をメリーさん達に作ってもらいます! お酒も美味しいのがいっぱいありますから楽しみにしてて下さいね」
「ふっ……そうか、楽しみしている。 では、待たな」
ダイは広間をそのまま去り、マリはメリーに親指を立てて笑った。
「直ぐに魔王陛下が来られますので、暫しお待ちを」
レーヨンは一礼した後に広間を退出し、メリーは直ぐにマリの下へと駆け寄る。
「マリ様、これから兄上にお会いする事になります。 事前にお伝えした通り、兄は呪いで感情を表しにくいですが誠意を持って接すれば悪い魔族ではありません。 聞かれた事にそのままお答え下さいませ」
「うん、分かってるよメリーさん。 それに、メリーさんのお兄さん何だもん。 きっと話しを聞いてもらえるよ」
マリの言葉を聞いて、メリーは安堵の溜息を吐いた。
「ふぅ……はい、マリ様を信じてます」
ヨハネとジャックはマリの直ぐ側に控え、ルル達もマリを囲む様にして待機している。 そして、暫くし広間の奥の扉が開いた。
「魔王陛下が入られます」
「客人達は楽にせよとの事でございますので、そのままで」
扉からは大臣レーヨンと美しいメイドの2人が現れ、そのまま跪き臣下の礼をとる。
その間を、1人の大男が歩き玉座へと座る。 大男は、筋骨隆々で髪は黒く肌は浅黒かった。 魔王らしい無骨な鎧にマントを羽織り、玉座からマリを見下ろす。
「予定より早いが、良くぞ帰って来たな……我が妹メリーよ」
「はい! お久しぶりです、兄上」
メリーやファースト達は、レーヨン達の様に跪き臣下の礼をとっていた。
「客人達が居るようだが……それより、先に聞かせてくれ。 長きに渡った任務の結果を。 人間達は……繁栄するに値する種族か? それとも……滅ぼすべき種族か?」
魔王はマリを睨みながら、メリーに問う。 魔王の両隣に立つ大臣レーヨンはニヤニヤと笑い、美しいメイドは無表情で見つめていた。
「それでは……報告させていただきます。 人間は……繁栄に値する種族です! 確かに、腐敗する王族も居ます。 愚かな民衆も居るでしょう。 ですが、私がお仕えしているマリ様のように素晴らしい人間達が大勢居ました。 それに……大切な人も沢山出来ました」
「……そうか。 大臣レーヨンよ、メリーの報告を聞いたな」
「はっ! 些か……私見が含まれ過ぎていると思いますが、全ては陛下のご判断でございますからね。 私ごときには何も言えませんな」
「貴様らしいな。 マイよ、お前はどう思う」
「大臣レーヨンと同じです。 私が何と言おうと、結局は陛下のご判断ですから」
魔王は暫く沈黙した後に、玉座を立ち上がりマリの下へと歩み寄る。 ヨハネ達は少し警戒したが、マリはヨハネ達を手の合図で止め魔王の前に立つ。
「人間、名前は?」
「初めまして、エントン フォル マリと申します。 此処には、魔族と人間を含む亜人達との争いに終止符を打ちに来ました! よろしくお願いします!」
凄まじい威圧を放つ魔王に、マリは微動だにせずに自己紹介をする。
「……ふっ、俺は魔王ダイだ。 元気だな」
「良く言われます!!」
「ぷっ!」 「おい、ヨハネ」
つい最近まで、女王だったとは思えないマリの返事にヨハネは思わず笑う。
「先程言っていた話しをぜひ、夕食の際に聞かせてくれ。 レーヨンから聞いたが、何やら美味い料理と酒があるのだろ?」
ダイの言葉にメリーは顔を上げる。
「兄上……では!」
「まだだ。 お前の連れて来たマリの話しを聞いてから判断しよう」
「分かりました! 私は料理出来ませんが、発案した美味しい料理をメリーさん達に作ってもらいます! お酒も美味しいのがいっぱいありますから楽しみにしてて下さいね」
「ふっ……そうか、楽しみしている。 では、待たな」
ダイは広間をそのまま去り、マリはメリーに親指を立てて笑った。
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