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第186話 ジャックの生い立ち
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夜も更け、食事を終えたマリ達は割り当てた各自の部屋で就寝していた。
だがマリは何時もの寝苦しさに襲われ目を覚まし、ベットから起き上がると黙って自身の両手を見つめた。 しかし、直ぐに何の悪夢を見ていたのか思い出せなくなり偏頭痛に顔を顰める。
「っ……頭痛った。 はぁ……ちょっと飲み物飲んで来よっと」
マリは野営用に建てられた一軒家の階段を降りて、キッチンへと向かう。
「マリ様? どうされましたか?」
すると、キッチンにはメリーが居り。 朝の朝食の準備なのか、何かの仕込みをしていた。
「メリーさん? 私は……ちょっと寝苦しくてさ。 水飲みに来たの。 メリーさんこそ、どうしたの? 寝てないんでしょ」
「ふふ、そうですね。 あ、お水です……どうぞ。 あ~……もう、話しても良いかもしれませんね……聞きます?」
「ありがと。 ん~……そうだなぁ、直ぐに寝れそうに無いし聞かせて」
2人はキッチンにある、椅子へと座った。
「私達、魔王の一族は必ず何かしらの呪いを受けて生まれます」
「……呪い?」
開口一番の言葉にマリは驚く。
「サードを覚えてますよね? サードの本名はユアン叔母様、今は亡き父の妹でした。 ユアン叔母様に掛けられた呪いは、顔の識別が出来ない事」
マリはハッとする。 確かに、何時も変装していたとは云えマリはサードの顔を全く思い出せなかった。
むしろ、何故か可愛い美少女という記憶が思い出される。
「……本当だ、サードの顔全く思い出せない」
「ふふ、そうなんです。 兄は感情を表しにくくなる呪い、私は……眠る事が出来ない呪いです」
「そっか……だから、メリーさんは何時も起きてたんだね」
「メイド長としてはとても便利ですよ? まぁ……暇な時も多いですけどね。 この呪いが何時から有るのかは知りません、ですが……酷い呪いを掛けられて生まれた殆どの王族はその呪いに耐えれずに自らの命を絶ちます。 なので、私に掛けられた呪いは生活するには問題無くて幸いな方だったのです」
寂しそうにメリーは微笑む。
きっと、命を絶った身内が大勢居るのだろう。
「これで、私がお話してない事は無いですかね? 何かお聞きしたい事はございますか?」
「うーん……そうだね。 メリーさん達の呪いを何とかしたげたいなって……」
「ふふ、ありがとうございます。 本当にマリ様はお優しいですね……でも、大丈夫ですよ? もう馴れましたし、アーサーが一緒になったら沢山夜更かししましょうね! って、言ってくれましたから」
今度は心から幸せそうに笑うメリーを見て、マリは胸が熱くなる。
もし、可能性が有るならその呪いを何とかしてみせると決意して。
◆◇◆
マリはメリーにお酒を注がれながら、雑談を楽しんでいた。
「あ、そういえば聞きたい事あったよ!」
「あら、何でしょうか」
「前にさ、ジャックを育てたみたいに言ってたよね? アレはどういう意味??」
マリの質問にメリーは、笑った。
「あ~……そんな事も言いましたね。 ふふ、実は、ジャックは捨て子だったのを私と若い頃のウォンバットが王都で見つけまして。 これはジャック本人には昔に伝えてますが、捨て子なので身分が保証される事はありません。 なので、王族に仕える執事として育て教育する事になったのです」
「へ~、つまり……メリーさんはジャックのお義母さんって事?」
「ん~、そうですね。 でも、私を母と呼んでいたのは幼い頃だけですよ? 執事見習いになった頃に、生い立ちを話してからは同僚って感じですかね」
「ふ~ん……でも、一応立場的にはお義母さんだよね」
マリのしつこい質問にメリーは笑う。
「ふふ、マリ様どうされたんですか? そうですね、昔の事を思い出す時はそうかもしれません」
「なら、ジャックの奥さんになる私のお義母さんでもあるよね!?」
マリはメリー足下に座り、膝枕を無理矢理する。
「ちょっ、マリ様? ふふ、くすぐったいですよ?」
「少しだけ……このまま」
「はい、良いですよ」
メリーはマリが寝付くまで、優しく頭を撫で続けた。
だがマリは何時もの寝苦しさに襲われ目を覚まし、ベットから起き上がると黙って自身の両手を見つめた。 しかし、直ぐに何の悪夢を見ていたのか思い出せなくなり偏頭痛に顔を顰める。
「っ……頭痛った。 はぁ……ちょっと飲み物飲んで来よっと」
マリは野営用に建てられた一軒家の階段を降りて、キッチンへと向かう。
「マリ様? どうされましたか?」
すると、キッチンにはメリーが居り。 朝の朝食の準備なのか、何かの仕込みをしていた。
「メリーさん? 私は……ちょっと寝苦しくてさ。 水飲みに来たの。 メリーさんこそ、どうしたの? 寝てないんでしょ」
「ふふ、そうですね。 あ、お水です……どうぞ。 あ~……もう、話しても良いかもしれませんね……聞きます?」
「ありがと。 ん~……そうだなぁ、直ぐに寝れそうに無いし聞かせて」
2人はキッチンにある、椅子へと座った。
「私達、魔王の一族は必ず何かしらの呪いを受けて生まれます」
「……呪い?」
開口一番の言葉にマリは驚く。
「サードを覚えてますよね? サードの本名はユアン叔母様、今は亡き父の妹でした。 ユアン叔母様に掛けられた呪いは、顔の識別が出来ない事」
マリはハッとする。 確かに、何時も変装していたとは云えマリはサードの顔を全く思い出せなかった。
むしろ、何故か可愛い美少女という記憶が思い出される。
「……本当だ、サードの顔全く思い出せない」
「ふふ、そうなんです。 兄は感情を表しにくくなる呪い、私は……眠る事が出来ない呪いです」
「そっか……だから、メリーさんは何時も起きてたんだね」
「メイド長としてはとても便利ですよ? まぁ……暇な時も多いですけどね。 この呪いが何時から有るのかは知りません、ですが……酷い呪いを掛けられて生まれた殆どの王族はその呪いに耐えれずに自らの命を絶ちます。 なので、私に掛けられた呪いは生活するには問題無くて幸いな方だったのです」
寂しそうにメリーは微笑む。
きっと、命を絶った身内が大勢居るのだろう。
「これで、私がお話してない事は無いですかね? 何かお聞きしたい事はございますか?」
「うーん……そうだね。 メリーさん達の呪いを何とかしたげたいなって……」
「ふふ、ありがとうございます。 本当にマリ様はお優しいですね……でも、大丈夫ですよ? もう馴れましたし、アーサーが一緒になったら沢山夜更かししましょうね! って、言ってくれましたから」
今度は心から幸せそうに笑うメリーを見て、マリは胸が熱くなる。
もし、可能性が有るならその呪いを何とかしてみせると決意して。
◆◇◆
マリはメリーにお酒を注がれながら、雑談を楽しんでいた。
「あ、そういえば聞きたい事あったよ!」
「あら、何でしょうか」
「前にさ、ジャックを育てたみたいに言ってたよね? アレはどういう意味??」
マリの質問にメリーは、笑った。
「あ~……そんな事も言いましたね。 ふふ、実は、ジャックは捨て子だったのを私と若い頃のウォンバットが王都で見つけまして。 これはジャック本人には昔に伝えてますが、捨て子なので身分が保証される事はありません。 なので、王族に仕える執事として育て教育する事になったのです」
「へ~、つまり……メリーさんはジャックのお義母さんって事?」
「ん~、そうですね。 でも、私を母と呼んでいたのは幼い頃だけですよ? 執事見習いになった頃に、生い立ちを話してからは同僚って感じですかね」
「ふ~ん……でも、一応立場的にはお義母さんだよね」
マリのしつこい質問にメリーは笑う。
「ふふ、マリ様どうされたんですか? そうですね、昔の事を思い出す時はそうかもしれません」
「なら、ジャックの奥さんになる私のお義母さんでもあるよね!?」
マリはメリー足下に座り、膝枕を無理矢理する。
「ちょっ、マリ様? ふふ、くすぐったいですよ?」
「少しだけ……このまま」
「はい、良いですよ」
メリーはマリが寝付くまで、優しく頭を撫で続けた。
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